子供が不登校になり、そのまま夫婦関係まで悪化することがあります。結果として、家族崩壊の危機を招くことがあるのですが、今回はその問題にどう対応すべきか解説します。具体的にはメンタルケアの方法や、体験談などご紹介しますので、問題解決のヒントにしてください。

こんな人にお勧め
  1. 不登校で親の足並みがそろわない
  2. 家族の雰囲気が悪い
  3. どうにか家族再生したい

不登校が引き起こす家族崩壊とは?

不登校絵になってしまう原因はさまざまです。例えば、学校での人間関係が悪化したり、学習などがついていけない学校生活への不適応、家庭内不和などが挙げられます。

こういった様々な原因によって不登校が始まる可能性がありますが、結果として家族が崩壊する事もあります。子供が学校に行かないことが親にとって大きなストレスとなるためです。例えば、毎朝学校に行かせるために親子喧嘩に発展したり、親同士が「あなたの育て方が悪かった」と責任を押しつけ合うなどのことがあります。

補足解説

PRISMA法を用いて分析した8つの研究によると、不登校になってしまう場合、家族間で非協力的な状態であったり、コミュニケーションが潤滑でなかったりといった家族全体の機能が十分でないことが多いと報告されています。例えば、家族内で頻繁に喧嘩が起こったり、役割分担が十分ではないなどのことが挙げられます。
参考:Modifiable Parent Factors Associated with Child and Adolescent School Refusal: A Systematic Review

なぜ不登校で家族崩壊するのか?

不登校になり、家族関係が徐々に悪化し、最悪の場合、家族崩壊に至る可能性もあります。もちろん、「不登校=家族崩壊」ではありません。しかし、次のようなことがキッカケで家族崩壊に至ることもあるということを覚えておいてください。

親のメンタルが疲労

毎朝、学校に行く/行かないということで子供と押し問答になってしまうと、親のメンタルが次第に疲労してきます。こういった疲労が、夫婦間で溜まっていくと家族崩壊につながることがあります。

例えば「子供が不登校になる → 母親が学校に行くように促す → 子供の反発 → 親子喧嘩 → 夫に相談 → 責任の押し付け合い → 夫婦関係悪化」というようなこと繰り返されることによって次第に家族が崩壊することがあります。
親が疲れる様子

子供と離れたいと思う

親が子供と学校に行くか、行かないかで揉めてしまい、次第に親が子供と関わりたくないと思ってしまう事があります。本来自分の子供のことなので親が逃げるわけにはいかないのですが、その頑張りにも限界があります。そして、子供と離れたいという気持ちから、夫婦のどちらかが自宅を出るなどのことがあれば、次第に家族の関係が変わり、崩壊につながる可能性があります。

夫婦間で意見のすれ違い

夫婦間で意見がすれ違うことがあります。例えば、母親が何としても子供を学校に行かさなければいけないと思っている一方で、父親は「本人が行きたくないのであれば、かまわない」などのような場合です。このように夫婦間で子供の不登校に対して意見が異なってしまう場合、足並みがそろわないので、次第に相手に対してストレスを感じるようになります。これが悪化すると夫婦関係にズレが生じ、家族崩壊につながることがあります。

不登校で家族崩壊しないためのメンタルケア

子供が不登校になると、子供自身も辛い気持ちになりますが、家族にもそのストレスが波及してしまうことがあります。そのため、全員のメンタルケアが大切です。ここでは、そのための方法をいくつかとりあげ解説します。

自分を責めない

多くの親が子供が不登校になると、自分を責めてしまうことがあります。「こうなったのは自分の育て方が良くなかった」と捉えてしまうからです。しかし、子供の不登校は必ずしも親の影響でそうなるとは限りません。そのため、自分を責めるのではなく「様々な要因から不登校にはなったけれど、永遠にそうであるとは限らないし、いずれ別の道が見つかるかも知れない」のように少し気持ちに余裕を持たせるようにしましょう。

完璧主義にならない

完璧主義になってしまうと、親子共々精神的に追い詰めてしまうことがあります。子供にも親にも、それぞれ良いところもあれば、悪いところもあります。それが自然であり、こういったことを認め合うことが大切です。

睡眠をとる

不登校になると、生活リズムが崩れがちです。親も子供が学校に行かないことで、一日の生活リズムが崩れてしまうこともあるでしょう。そのため、睡眠時間をきちんと決めて生活することが重要です。夜もなかなか寝付けないということがあるかもしれませんが、必ず朝は同じ時間に起きるようにしてください。

体験談『不登校を克服するため、夫婦の足並みを揃えた』

ここでは、不登校から家族崩壊の危機を感じたご相談者さんに体験談を送ってもらったので紹介します。ブログ読者さんのお役に立てればという趣旨なので、ぜひさんこうにしてください。

学校に行かず、親子喧嘩

息子が学校に行きたがらなくなったのは、数ヶ月前のことです。最初は「ちょっと疲れているのかな」と思い、深く考えませんでした。でも、日が経つにつれ状況は悪化し、毎朝「学校に行こうね」と声をかけるたびに無視されたり、時には感情的にぶつかり合ったりするようになりました。時には親子喧嘩になることもあります。

そんな私たち親子の状況を、夫は見て見ぬふりをしていました。早朝に仕事へ行き、家では子供にほとんど関わろうとしませんでした。その冷たい態度で、私も不満を募らせていきました。

家族崩壊の不安

「子供のこと一緒に考えてほしい。私ひとりじゃ無理だよ」と伝えるのですが「仕事が忙しいし、お前がここまで育ててきたんだろ。それならお前の責任だ」といわれ、その言葉に私は絶望しました。自分が悪い母親だと言われているようで、何もかもが私の責任にされているように感じました。このままでは、家族が崩壊してしまうのではないかと不安でたまらなくなりました。

夫婦関係をまずは整える

どうにかしなければと思った私は、夫婦やりなおし相談室を見つけ、思い切って相談することにしました。相談室では、私の話を親身になって聞いてもらい、「子供の問題に向き合う前に、まず夫婦間の足並みを揃えることが必要」と指摘されました。私もまずは親同士がしっかりしていなければ、どうにもならないと思ったのです。

3人で話し合う

相談室にお願いし、3人で話し合いをしました。「子供のこと、どう思っているの?」しばらく黙っていましたし、色々感情的になる場面もありましたが、最後にはきちんと夫婦2人で協力して取り組むということに意見がまとまりました。やはりきちんと、フォローしてくれる人が間に入ってくれると心強かったです。

夫婦で足並みを揃えて対応

それから夫は、少しずつ子供に向き合うようになりました。朝の忙しい時間でも、声をかけたり、話を聞こうと努力してくれるようになったのです。最初は子供が無反応でしたが、次第に父親の存在を受け入れ始めた気がします。不登校の問題がすぐに解決したわけではありません。

でも、夫と協力できるようになったことで、私の心はとても軽くなりました。時間がかかっても多分なんとかなるのではないかと感じられるだけで、こんなにも救われるのだと気づきました。まだ道の途中ですが、あの時勇気を出して相談室に行ってよかったと思います。夫婦で協力することが、家族再生の第一歩になるのだと実感しました。

まとめ

今回は、不登校から家族崩壊になるということについて、お伝えしました。もちろん、夫婦関係をしっかり作り直し、両親の足並みを揃えていけば、十分な回避できます。そのための第一歩を踏み出してください。その他、具体的なノウハウについて墓期のフォームからニュースレターを無料購読してください。

よくあるご質問

ここでは『子供が不登校になり家族崩壊』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

受験失敗で家族が崩壊寸前

【Question】
中学3年生の息子が今年の高校受験に失敗し、それ以来引きこもるようになりました。この状況が続き、家族の関係も悪化していて、どうすればいいのか分からず悩んでいます。息子はもともと真面目で一生懸命勉強していましたが、不合格のショックから「自分はダメな人間だ」と言い、部屋に閉じこもってしまいました。

夫は最初は心配していたものの、今では「甘えだ」と言い放ち、私が寄り添おうとするたびに「もっと厳しくしろ」と責めるばかりです。夫婦間でも衝突が増え、家族全体の会話も減ってしまいました。息子や夫とどう接すればいいのか、アドバイスをいただければ幸いです。どうかよろしくお願いします。

【Answer】
まじめな性格ということで、きっとお子さんが受験の失敗について過度に責任を感じたり、深刻に考えてしまっているのだと思います。このようなことがあると親としては心配ですよね。ただ、まずは夫婦間で連携をとることが肝心です。足並みを揃えて対応できるかどうかがポイントとになるので、これから子供とどういう接していくのか2人でまずは話し合いをしてみてください。

ただ、問題解決を焦らず、夫婦間の信頼を作り直すことを先行させてください。そして、そのためには必ずしも直ぐに子供への対応を話す必要もないです。お互いの近況や仕事のことなど、できる話題をするようにしてください。十分な信頼関係が作れれば、その後、本題に入っていきましょう。

参考ページ:子供の受験で家族崩壊?不和に繋がる理由やリスクから守る方法など解説

不登校の不満を妻にぶつけてくる

【Question】
中学2年生の息子を持つ母親です。息子が不登校になってから、家庭の中で父子関係がさらに悪化し、夫から私が責められる日々が続いています。この状況をどうにかしたいのですが、どうすれば良いのか分からず悩んでいます。

息子はもともとおとなしい性格で、夫とはあまり深い会話をするタイプではありませんでした。しかし、不登校が始まってから、夫は「甘やかしすぎたからこうなった」と私に怒りをぶつけるようになりました。また、息子には厳しい言葉を浴びせることが増え、息子は夫を避けるようになり、ますます父子の溝が深まっています。

夫は私を責めるばかりで、協力し合おうという姿勢を見せてくれません。どうすれば良いでしょうか。

【Answer】
ご主人としては、自分がお子さんとの関係が悪いことに対して、八つ当り的にあなたに対して不満をぶつけてしまうという面もあるのかも知れません。ただ、どちらにしても、ご主人もお子さんの事を心配していると思います。

最初からここまで踏み込んで話ができるかどうかはケースバイケースですが、ご主人が不満をぶつけてきたときには、本人が落ち着くまでとりあえずその話しを聴いて、その上で「息子とうまく会話が進まないことに、苛立ちを感じてるのかな?」などのように伝えても良いかと思います。

ただ、興奮しているときにこのように伝えると余計、機嫌も損ねてしまいますので、十分に落ち着いてから対応をするようにしてみてください。本人に苛立ちの原因にきちんと向き合ってもらうことは、解決に進めていける第一歩となると思います。