ここではまだ別居にはなっていない人を対象に「別居を回避したい」という場合の対応についてまとめています。

例えば、夫婦喧嘩した時に夫から「もうお前とはやっていけない。別居する」などのように言われたもののまだ別居には至っていないなどの状態を指します。この段階では、まだ別居を回避するということも十分可能なこともありますので、相手の様子を見ながら対応を検討していきましょう。

別居問題の初期の対応を適切に行うことによって、できることもたくさんあるのです。

ご相談者様ご相談者様

別居だと言われて、気持ちもどんよりしていました。何とかこのページを参考にできることを見つけたいと思います

別居回避のためには兆候に気づくことが大事

ある日突然、別居になると言うこともありますが、実際にはほとんどの場合事前に兆候があります。そして、その兆候に早めに気づくことができたら、それだけ早めに別居回避のための対策をとることが出来ます。

そこで、いくつかよくある別居の兆候を取り上げたいと思いますので確認してみてください。

兆候の図解

喧嘩の度に別居と言う

夫婦喧嘩の度に「もう別居する」などの発言があるという場合、別居の起こる兆候になります。別居すると明確に言わなくても「家を出て行く」とか「あなたとは距離をとった方が良いと思っている」などの発言も同様です。

夫婦喧嘩

自宅に帰る時間が遅い

帰宅時間が遅くなっているというのも、今後も、別居になる兆候と言えます。自宅にいるのが居心地が悪いなどのことが理由で、マンガ喫茶などで時間を過ごしてから帰宅するということがあります。自宅にいるのは、ほぼ寝るためだけにいると言う状態です。このような場合も、相手が「こんな生活はもう嫌だ」と思った時点で別居の話しが具体化してきます。

帰宅時間が遅い

休日に不在しがち

会社が休みの日に不在が続くという場合も別居の兆候です。別居するための物件を探していたり、自宅にいたくないなど、理由は様々です。

休日不在
もちちろん、不在にはしているものの、スポーツジムに行っているなど行き先が明確な場合は別居の兆候ではありませんが、行き先が不明などの場合は注意が必要です。

不動産屋の資料が届く

不動産屋から自宅に資料が届くということがあります。こういうことがあれば、高確率で相手が別居を本気で考えています。

別居先の資料
できる限り早いタイミングで別居に関して話し合いをするなど、何らかの対応が必要です。

以上、別居に至りそうな兆候を取り上げてきました。このような兆候が見られるときは、別居を回避するためにも、できる限り早い段階で下記のような対策をとるようにしてみてください。

別居を回避するには?

ここでは、別居を回避するためにできる主な方法を順番に取り上げたいと思います。とれる方法は、置かれている環境によっても大きく異なりますので、ここで書かれている方法を全て行動に移す必要はありません。

1.別居に対する本気度を見抜く

相手が別居すると言っても、それがただの一過性のことなのか?それとも本気で別居を考えているのか?この見極めが大切です。

例えば、相手がただ喧嘩の勢いで「別居する」と言っているだけなのに、過度に恐れていたらやがて自分のメンタルがやられてしまいます。本気度が低ければ、しばらく様子見でもかまいません。

別居の本気度

しかし、相手が別居を本気で考えているのに、「どうせ口だけだろう」と思ってスルーしていたら、ある日、本当に家を出て行ったということであれば、辛いものがありますよね。

それなら最初から相手の別居するという声をしっかり聴いて対応しておけば、回避出来たかも知れないからです。

まずは相手の別居に対しての本気度をしっかり見抜くということが重要です。別居のことが気に掛かったとき、相手の真意を確認する上で1つの基準として下記の図解も参考にしてください。

診断基準

本気度が低く、しばらく様子をみても良いというのは、喧嘩の勢いなどで「別居する」という発言が出るようなケースです。あるいは、何か嫌味でも言ってくる時に「困難なら別居する」などのように伝えてくるときです。

しかし、これが頻回になってくると、やや本気度が高まっていると言えます。このあたりで早めの予防策として手を打っておいても良いと思います。

また、周囲人に別居のことを告げている、などの場合は、かなり本気度は高いと思って良いです。例えば、実家の両親に「別居して、一度実家に戻るかも知れない」などのことを伝えていたの、会社の同僚などに相談しているなどのことがある場合あります。

2.事前の話し合い

別居すると相手が伝えてきたら、それで話が決まりという事ではありません。そこから話し合いを通して、別居の回避をすることも十分可能です。

具体的に話し合うことは様々ですが、まず抑えておきたいのが相手の別居に対する考え。例えば「明日にでも別居する」と思っているのか?それとも「今後の様子をみながら検討する」くらいの段階なのか。

そこで、相手に「別居したいということだけど、そのことについて詳しく気持ちを話して欲しい」などのように伝えていきます。

ただ、「気持ちを話して欲しい」と伝えて、実際に気持ちを話してくれるという相手であれば、特に問題ないのですが、人によってはなかなか気持ちや考えを話してくれない、ということもあります。

この場合、「気持ちや考えを話して」と伝えても、沈黙だったり、建前上の意見だったりが出てきます。そこで、このような場合に活用したいのが投影法の原理を活用した会話テクニック。

投影法とは、アメリカの社会科学者Lawrence Kelso Frank(1890―1968)が名付けたもの。個人のものの見方や考えを知る手がかりを得るためにつくられたものです。これは、会話の中でも活用できます。

例えば「別居したいと言うことだけど、そのことについて気持ちを教えて」と伝えても、ハッキリした事を伝えてくれない場合は「あなたのお母さんは、別居する事についてどう思っているのか?」などのように伝えます。

相手の考えを引き出す

このように「あなたはどう思っているのか?」と伝えるよりも「他の第三者はどう思っているのか?」と伝えた方が、案外、色々話してくれます。そして、その第三者の考えを伝えている中に、実際には本人の気持ちが反映されていることも多いのです。

3.衝動的に別居しないよう伝える

別居に至る一番良くないパターンは、相手が怒りで一杯になったり、不満を溜めこみ、ある日突然、相手が家を出て行くというものです。それをされると、今後の夫婦関係を修復していくことに差し障りが出てきます。

なので、別居の話が出た時点で「最終的に別居になるとしても、黙って出て行くことは避けて欲しい。それだと失踪したのと区別がつかないので、問題が大事になってしまう」などのように伝えて予防線を張っておきます。

その他、メッセージ例としては下記のようなものがあります。

  • 別居したいと言う気持ちが変らないようであれば、その時また話をしたい。突然、出て行くというのはやめてほしい
  • 冷静なあなただから衝動的に別居すると言うことはないと思うけれど、別居の意思が変らなければまた話し合いをしよう

「勝手に出て行き別居を始めてしまう」という行為は、相手としては不満や怒りの報復という意味があるのかも知れません。しかし、そのような報復行為をしたとしても、相手が怒りの感情を緩和させるとは限りません。一瞬は「別居して相手に辛い思いをさせやろう」と気持ちがスッとするものもあるかもしれませんが、結局、さらに相手に恨みなどを抱くようになっていきがちです。

事実、コルゲート大学Carlsmith博士らは、4人1組のグループを作り、ある作業をしてもらいました。その時、他のメンバーが非協力的だという事を理由に、罰を与えたり文句を言ったりしたものの、かえってイライラ感が増したと報告されています。


出典:AmericanPsychologicalAssociation

つまり、報復のための別居をしても、それで相手の怒りがトーンダウンするわけではありません。なので、そう言う意味でも怒りで頭が一杯になって衝動的な別居はしないように布石を打っておくことが大切です。

4.生活費の観点から考える

別居を回避したい場合、生活費の観点から話をすることは出来ることの1つです。

実際、別居すると言っても、簡単にそれが実現出来るわけではありませんよね?例えば、新たにアパートなどを借りると言っても、敷金、礼金、引越費用など生活にかかる費用は無数にあります。

そういった費用を捻出できるのかどうか?事前にししっかりシュミレーションしておく必要があります。

事前にシュミレーションした結果、これではお互い生活苦に陥るということが事前に予想できるのであれば、それを理由に別居は避けたいと伝える事も出来ます。

生活日野店から話しをする

別居回避の根本的な解決にはなりませんが、一旦、別居を延期できるということにはなりやすいです。そして、その延期された時間を有意義に使うことで、別居問題に対しての根本的な解決を図っていきましょう。

関連記事:別居して大丈夫?生活費の点から

5.別案を提案する

別居すると言われても、それをそのまま承諾する必要はありません。別の対応ですむこともあるからです。

例えば「別居ではなく、家庭内別居にして欲しい」と伝える事が出来るかも知れません。あるいは「無期限で別居するのではなく、3カ月にしよう」などのように伝える事も出来るかも知れません。

このように相手の「別居したい」という提案をそのまま受け入れる必要はなく、別案を提案できないか?検討してみてください。その際には、対比的に相手に意見するのが効果的です。

対比というのは、「別居する」ということと、自分の提示する代替案とのメリットやデメリットを比較して説得をするというものです。

実際、アメリカの心理学者John Heritage氏らが、476の演説で行われた会話を分析したところ、対比を使った演説者は、聴衆の33.2%以上から拍手喝采を得られています。これは他の修辞法(豊かな表現を与えるための文章表現の総称)、例えば「オチ」や「謎解き」、「項目列挙法」などよりも、効果が高かったことが確認されています。

修辞法の論文
出典:The University of ChicagoPress Journals

対比で話しをすれば、相手もこちらの話しを理解してくれやすい上、冷静な判断を下してくれる可能性も高くなります。

別居を回避できない場合

いろいろな方法を講じても、別居を避けられないということもあります。その場合は、別居する/しないということで話し合いを進めるよりも、別居した後のことについて話しを進めていきましょう。

というのも、する/しないということを争っていても、夫婦関係が大きく後退してしまいます。そうなると、そこから修復していくのはまた大変と言うことになりますよね。なので、相手の別居に対しての意思が固いと判断した場合は、こちらの話し合う内容についても方向転換が必要になってきます。
禍根が残る
そこでここでは、別居を回避出来ない場合の対策についてまとめておきます。

1.婚姻費を決める

別居する事になれば、自分の生活費の負担が大きくなってしまうと言うこともあります。事前に婚姻費を当事者同士、実情にあった形で決めておきましょう。別居後、お金の事で再三もめてしまうことは、夫婦関係を後退させ、別居の解消を遅らせてしまうことにもなります。

2.面会日を決める

子供がいる場合、事前に面会日を決めておくことも大切です。例えば「月1回、毎月第2日曜日に面会する」などのことを相手と決めておきます。ちなみに、面会の頻度としては、極力を高い方が望ましいです。面会日が多いということは、それだけ夫婦関係を修復したり、別居を解消出来る機会が増えていくからです。

面会日の図解

3.日頃の連絡手段や頻度

メール/Lineで連絡する、あるいは電話をするなど、普段の連絡手段について話しをしておく必要があります。「そんな細かい事必要なのか?」と思うかも知れませんが、こういったことも決めておかなければ、後で喧嘩の元になる事もあるからです。

まとめ

別居したからと言って、すべてが終わりで離婚になってしまうという訳では全くありません。そこから修復していける人も大勢います。ですから、あなたには慌てず対応してほしいのです。ここで、もし大きく取り乱してしまうと、今後の夫婦関係の修復をより困難な状態にしてしまうだけになります。早期に落ち着いて対処すれば、それだけ別居を回避出来る可能性も高まります。

さて、ここでお知らせです。この記事を読んでいただいているあなたに、別居を回避するための重要事項を解説した『別居回避ガイドブック』をご用意しています。

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よくあるご質問

ここでは『別居を回避する5つの方法』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

別居の回避が手遅れなケースは?

【Question】
夫が別居や離婚を要求しています。私の場合は既に手遅れで、別居の回避が出来ないのではないか?と心配なのですが、手遅れのケースというのはあるのでしょうか?

【Answer】
完全に手遅れで、別居の回避がどうにもならないということは一概に言えません。非常に状況が悪くても、そこから修復していくケースというのはやはりあるからです。なので、どんな状況であったとしても、諦めることは良くありません。

ただ、困難状況というのはありますので、下記のようなケースは黄色信号が点灯していると思って良いと思います。

1.話しが大きくなっている
例えば、両家で離婚についての話し合いがされている。そして、どちらの親も離婚に賛成している。というようなケースは、困難な状態です。あるいは、調停ではなく、裁判になっているようなケースも「話しが大きくなっている」に該当します。

2.既に別居先を見つけている
相手が既に別居先のアパートなどを契約しようとしている、あるいはしてしまった…という場合は、別居の意思が固いので避けられないことが多いです。

上記の様な状況になっている場合は、もっと早く手を打っておくべきだったと思えるケースです。ただ、上記の様になっていたとしても、それで完全に手遅れと言うわけではありません。少なくとも、別居にはなったとしても、離婚が決まったわけではないので、次は離婚を回避できるよう動くようにしてみてください。

その他、別居の回避が手遅れにならないようするために、下記の記事も参考になるかと思います。

参考ページ:別居回避のために、してはいけないこと

別居回避のためのLineや手紙の書き方

【Question】
別居を回避するために、夫に手紙を書こうと思っています。というのも、現在既に家庭内別居のような状態で会話が出来ません。なので、唯一可能な方法として、メール/Lineあるいは、手紙を書いて渡そうと思っています。どのような手紙を書けば良いでしょうか?

【Answer】
別居を回避するための手紙の書き方ということですが、別居の問題が生じた原因や経緯などによっても内容は変ってきます。例えば、今回、このようなことになった非が自分にあるということであれば、謝罪が必要だと思います。あるいは、理由が分からず、一方的に別居の要求をされているということであれば「理由を知りたい」ということを伝えても良いと思います。その他、別居回避のためのメールやLineの活用法は下記の記事も参考にしてください。

参考ページ:別居回避のためのLineやメールの活用法

別居や離婚を止める言葉

【Question】
夫がここ数日「別居する。離婚してもいい」と言ってきます。私としては何とか思い留まって欲しいと思っています。そこで、別居をや離婚を止めるための具体的な言葉はありますでしょうか?

【Answer】
リアクタンスと言って「別居してはいけない」「離婚はやめて欲しい」のように伝えると、益々別居や離婚すると言う意思が高まっていくことが多々あります。なので、まずはそういった発言は控えた方が妥当です。そこで、別居を止めるためには、相手の意見を否定せず、もう少し時間をかけて別居するかどうか考えて欲しいと伝えてみて下さい。

もちろん、そう伝えれば確実に止められるわけではありませんが、それでも単純に別居に反対するというよりはずっと良い方向に話しを進めやすいです。

参考ページ:別居を引き留めるメッセージの効果的な伝え方

離婚回避ができても別居にはなりそう

【Question】
夫とは一度、離婚の話が出ました。話し合いを何度か繰り返し、何とか離婚については回避できそうです。しかし、それでは収まらず、別居は少なくともするといっています。怒り心頭しているようです。このような場合でも、別居回避することは可能でしょうか?

【Answer】
離婚を回避することが出来たというのは一安心ですが、それでもご主人の怒りが収まらないという事ですね。何とか別居も回避したいところです。今後どうするか?ということですが、相手が感情的になっているという事であれば、一旦、時間を空けて再度、話し合いをするようまずは進めてみてはどうでしょうか?感情的になっているときの判断と、冷静なときの判断は通常大きく異なります。

もちろん、個々の事情で離婚や別居の問題が生じてしまった経緯というのがあるので、それに合せて最終的には対応する必要がありますが、今回はそこまでの事情が分からないので、時間をおいて感情をトーンダウンさせることをまずは検討してみてください。その間に、夫婦カウンセラーなどに相談するのが妥当だと思います。

離婚回避のために別居するのは良い方法?

【Question】
夫の離婚の意思が強いです。離婚回避するためには、別居した方が良いのではないか?と思いますが、どうでしょうか?

【Answer】
「別居したから離婚が回避できる」となるわけではないので、その意図でするということはほとんどないです。どちらかというと、このまま離婚を拒否していても、ある日突然出て行くのではないか?とか、毎日のように離婚要求されるのでこちらの精神が持たないなど、そういった理由で、別居に進める事はあります。

つまり、積極的な方法ではないですが、消極的な方法としてそのように対応することはあります。

別居回避が難しいときは?

【Question】
別居しないようにと頑張ってきましたが、夫の意思が堅く避けられそうにありません。仮に別居回避が難しい場合、何かしておいた方が良いことなどはありますでしょうか。

【Answer】
別居を何としても避けたいという気持ちは当然ありますよね。ただ、別居したら同時に夫婦関係も全ておしまいということでは全くありません。回避するための対応に最善は尽くしますが、それでも別居を避けられないとなった場合は、今後、同居に戻しやすい環境をつくっていきましょう。続きは下の音声でどうぞ。

関連記事

別居を回避するためにはその兆候を早めに掴み、適切な対応をとるようにしてみてください。そこで別居前にすべき事についての関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで理解を深めて頂くことが出来ます。

家庭内の居心地悪くない?

家庭内の居心地
夫が「家庭内の居心地が悪いから別居したい」ということを伝えてくることは多いです。その時、どんな点を見直せば良いのか?こちらに詳しくまとめています。別居を回避するためにも参考にしてください。

参考ページ:家庭内の居心地が悪いから別居になる

離婚や別居を告げられる

離婚や別居の問題
「離婚して欲しい。それが無理なら別居する」などのように、離婚と別居がセットで伝えられ、それを迫られるということがあります。このような話を切り出されたとき、どう対応すれば良いのか?その詳細について解説していきます。伝えてはいけないことと、伝えるべき事。それぞれを区別してみてください。

参考ページ:離婚や別居を迫られたときの対処法

別居になったあとはどうすれば良い?


別居の回避が出来ず、決まってしまった場合、気持ちを切り換えて同居に向けての対応を考えていきましょう。別居解消のための方法は下記のページに詳しいです。

参考ページ:別居解消に役立つ5つの方法

離婚を回避する方法

離婚回避についての記事
突然、離婚のことを言われるということもあれば、以前から繰り返し言われるということもありますが、どちらにしても不安が大きいと思います。そこで、離婚を回避する方法について下記のページで一通り解説しておきます。

参考ページ:離婚を回避する方法について解説