夫婦間で会話を始めても、夫が否定ばかりしながら話しを聞くということがあります。例えば「でも」とか「しかし」などが口癖になっていることが多いものです。あるいはこちらの問題点や不手際ばかりしてくるということもあるかも知れません。

こういった否定ばかりする夫の特徴や対処方法などについて詳しく解説します。

ご相談者様ご相談者様

何を言っても最後はいつも否定されて会話が終わるので疲れます。

否定ばかりする夫の特徴

否定ばかりする人と一緒にいると非常に不快な気持ちになってしまいます。「もう、この人とは会話しないぞ」と何度も思ったことがあるのではないでしょうか?そこで、まずは相手を知ることからはじめていきましょう。ここでは否定ばかりする夫の特徴を整理します。
否定に関する図解

他人の間違いばかり指摘

妻が間違えたり、失敗すればそのことばかり取り上げて否定する特徴があります。けっして自分が完璧にできているわけではないのですが、他人にはその完璧を求めてしまいます。他人の欠点や不手際を見つければ「指摘せねば!」と途端に文句を言います。

妻の良い点は指摘しない

妻の問題点や欠点は指摘するのに、良い点は何も言いません。まるでなかったかのように扱います。妻の努力したこと、適切におこなえたことに対して「普通でしょ?」と言わんばかりの態度をとります。

他人のやる気を奪う

否定ばかりする夫が、他人の希望を潰してしまうことがあります。やる気を失わせ、人を憂鬱にさせてしまいます。妻が良い考えを思いついてそのことを伝えても「でも」や「しかし」ばかりいうので、妻はあまり会話したくないという気持ちになります。

以上、否定する夫の言動にはさまざまな特徴があります。しかし、このように否定ばかりする夫に対して「どうしてこんな言動をとるのか?」とか「なぜ否定して得意げな気持ちになってるの?」と疑問に思うのではないでしょうか。そこで、今度はその心理に迫ってみたいと思います。

否定ばかりする夫の心理

否定ばかりする夫の心理にはどのようなものがあるのでしょうか?人によっていくつかありますが、代表的なものをここで挙げてみたいと思います。
心理についての図解

自己満足したい

他人の問題点やダメな点を指摘する事によって、自分の優秀さを証明したいという気持ちがあることがあります。こんな問題点なところに気づける自分は鋭いだろうという気持ちです。本人はそれを指摘できたことに自己満足します。

他人への完璧主義

「他人がきちんとやる」「他人が完璧にやるはず」という気持ちがあります。そのため、完璧でない点つまり「悪い点や悲観的な点」が気になって仕方がありません。どうしてできてないの?という気持ちが根底にあります。

他人の成功は認めない

他人が上手くやっていることを認められないという気持ちも同居していることがあります。そのため、妻が適切に物事をやり遂げた点よりも、できなかった点の方に関心が高いたです。他人が上手くやることは自分にとっての脅威になります。

以上、行動特徴や心理についてみてきましたが、このような否定ばかりしてくる夫に対して我慢をすることは適切なのでしょうか?そこで次にそのことについてお伝えします。

否定する夫に我慢してはいけない理由

否定ばかりしてくる夫に対して、自分が我慢すればいくらか会話は続くかも知れません。しかし、それを我慢し続けることはお互いにとってマイナスになります。

例えば、夫婦間で会話をしても夫が否定してきて、その対応をいつも妻が我慢しているとします。その我慢が限界に達すると、嫌味という形で夫に反撃するかも知れませんし、なるべく会話しないという消極的な選択をしてしまうかも知れません。

どちらにしても、我慢し続けることは夫婦関係を後退させることにつながります。そのため「否定されることが多いな」と感じているのなら、早めに対応することが肝心です。そこで次に、対処方法についてお伝えします。

否定ばかりする夫への対処

否定ばかりする夫の思考パターンは、どちらかというと習慣化されている可能性が高いです。相手の問題点を見つけて否定するという一連の行動が癖になっています。そのため、やや根気よく対応することが求められます。

以下、否定ばかりする夫への対応に役立つ点を挙げていきます。

問題解決に移行させる

問題点を見つけて否定するという思考から、どう解決すれば良いのかという点に目を向けさせることが大切です。欠点や問題点が目にいてしまうという特性を完全に変えることはできないかも知れませんが、解決に目を向けさせることは潮の流れを本来の方向に戻すという意味で大切です。

否定する事を利用する

相手が何でも否定的に言うということを逆に利用することもできます。例えば、自分が希望・期待・肯定の気持ちを持って会話を始めると相手が否定するのであれば、こちらは最初から悲観的・失望的・否定的な内容を伝えます。そうすれば、それを否定するのであれば相手は肯定的な発言になる可能性があります。

エゴグラムを使う

相手が批判的になっているというのは「父親的な特性」が強化されている結果と見ることもできます。父親的な特性というのは、規律や支配したがる心の働きのことです。

人にはこの父親的な心の特性だけでなく、母親的な特性、大人の特性、子供の特性などに分かれます。母親的な特性というのは、養育・慈悲的な心の特性で、大人は冷静客観的な特性のことです。そして、子供の特性は協調性があるとか、天真爛漫であるなどの特性があります。人は誰もが共通してこの特性をすべて持っていますが、それぞれの強さが異なります。例えば「父親的特性が強くて、子供の特性が低い」とか「母親的特性と大人の特性が強く、父親的特性は低い」などです。

相手が批判的、否定的になっているのは、夫が自分の心の中にある「父親的な特性」を利用して、あなたの「子供の特性」に対して働きかけている可能性があります。「父親→子供」への働き方の典型は、医者が患者に対して指示を出すのような場面です。「あなたはここが悪いのだから、この薬を飲みなさい」というイメージです。夫婦間でもこの「父親→子供」のやりとりが行われるときがあり、その場合、夫は「妻を正さなければ」意識があります。

心理学的解説

エゴグラムとは簡単に言えば、人格を各パートごとに分類し、相互関係や会話のやりとりをグラフや視覚化することです。父親・母親・大人・自然な子供などの心理的エネルギー量を棒グラフで見たりする事ができます。
参考:egogram

否定的ばかりする夫に対処した事例

夫婦やり直し相談室のご相談者様がブログ読者様のために話してくれた「否定する夫とのエピソード」をここで紹介します。内容は読みやすいように一部修正してあります。

妻の話を聞くとすぐ否定

夫婦で会話をすることがありますが、私は今日あったことや子供のことなど、ただ聞いて欲しいだけです。しかし、夫はそれを聞くとすぐに「だからダメなんだ」的に否定する発言ばかりしてきます。

否定する夫の図解
私がうまくいったことや嬉しかったことなどの話しをすると、なんだかつまらなさそうに聞いているようにも見えます。正直、夫婦の会話がつまらない、むしろしたくないという気持ちも大きかったです。

大喧嘩に発展

夫は何か不満が溜まっているのかも知れません。だから、否定してくるのかなと思っていました。ですが、夫が会社の同僚とかと話をしているときは、電話でも楽しそうに話をしているのです。

「なぜ私だけ否定されないといけないのか」とずっと思っていましたが、ある日、自分の身内のことを否定されてカチンときてしまい大喧嘩になってしまいました。私も親とそこまで仲が良いわけではないのですが、それでも否定されると腹が立ちます。会話はそのまま批判合戦のようになってしまいました。

夫婦喧嘩の図解

「やりとり分析」に取り組む

そのまま私は家を出て夜までずっと外で過ごしました。家に帰って顔をあわせても腹が立つからです。しかし、私にも事情があって別居するわけにもいかないですし、ずっとこのまま夫婦の会話をしないというわけにもいかないです。何とか否定ばかりする夫にうまく対応できないかなと思っていたときに、教えてもらったエゴグラムを活用した「やりとり分析」です。

やりとり分析の図解
分析だけでなく、どうやって会話パターンを変えれば良いのかということを教えてもらったので、夫と会話をするときは常にこれを意識してするようにしました。

夫婦の会話が変わる

最初は教えてもらったことを考えることで一杯で、実際の会話場面でうまく活用できませんでした。しかし、だんだん内容が頭に入ってくることで「あっ、ここでこうすれば良いんだ」ということが分かってきたんです。

会話の変化に関する図解
今、振り返ると、以前は夫との会話が丁度「父親→子供」のようなやりとりでした。頑固な父親が未熟な子供をしつける、正すのようなイメージです。このパターンを変えることができて、初めて夫婦間の会話も変わりました。このような会話ができるとは以前は思えませんでしたが。夫自身は変わらないかも知れませんが、夫との関係は変えることができるのだと教えてもらったことがようやく最近分かりました。

否定ばかりする夫と接する際の注意点

ここでは、否定ばかりしてくる夫に対応する際の注意点を挙げます。

1.悪気がないかも知れない

会話中、夫がこちらの話しを否定ばかりしてくるということがあったとしても、本人は悪気がないということもあります。単純に求める基準が高くて、なかなか他人のことを認められないということです。少なくとも「このように否定してくるのは、相手が悪意の塊だからだ」とは見なさない方が良いです。

2.自分も同じ対応をしない

否定ばかりしてくる夫と会話をしていると、次第に自分も否定ばかりしてしまうということがあります。こうなってしまうと、いつも悲観的な気持ちになりますし、自分が夫以外と会話するときもその癖が出てきてしまいます。なので、相手の否定的な特性が自分に伝染しないことにも注意が必要です。

以上2点の注意点を守りましょう。

まとめ

今回は否定ばかりしてくる夫との関わり方について解説しました。夫婦間でのエゴグラムの使い方など更に突っ込んだ方法を夫婦関係修復ニュースレターで紹介しています。登録無料の今の内に下記のフォームから、ご登録ください。

関連記事

夫婦関係の修復に関して関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで、より知識を深めていただけます。

夫の愚痴を聞くのは嫌

愚痴に関する記事
夫が愚痴ばかり伝えてくるということがあります。たまにであれば良いですが繰り返されると辛いものがあります。その場合の対処方法について解説。

参考ページ:夫の愚痴はもう聞きたくない

馬鹿にする夫

馬鹿にしてくる夫への対応記事
夫が自分のことを馬鹿にしてくるのでイライラしてしまいませんか。そのような場合の対処方法について解説します。

参考ページ:夫が馬鹿にしてくる

嘘つき夫

嘘をつく夫への対応記事
夫が嘘をついいて夜間外出するということがあります。このような場合、それを追求しても良いものかなど、いろいろ迷うこともあるのではないでしょうか。その場合の対処方法について解説します。

参考ページ:夫が嘘をついて出かける

修復のための方法

夫婦関係修復の記事
夫婦関係を修復するためにはどのような手順で進めれば良い?基本的な流れを解説。

参考ページ:夫婦関係を修復する方法