不倫への対応はどうしてますか?
夫が不倫をした場合、あなたはどんな対応をしていますか?
多くの人がやりがちなのが徹底的に責める。あるいは罰を与える…という方法です。
たとえば、事あるごとに夫の不倫について話しを出す。夫にもう二度と女性と会わないと誓約書を書かせる、慰謝料を請求して反省させようとするなどです。さらには、両親に伝えて、両親から厳しく叱責を受けさせるなどのこともあるかも知れません。
しかし、このような強制的な不倫相手との別れは、逆効果になる可能性が大です。そこで、今回は効果的な不倫相手との別れさせ方についてお伝えします。まずは当相談室のアシスタントである森田さんの事例から紹介しておきます。
失敗事例
夫婦やりなおし相談室アシスタントの森田です。今日は不倫相手との別れさせ方というテーマで、私の失敗談をお伝えします。
夫とのあいだのトラブルは数え切れない程ありますが、5年以上たった今でも忘れられない光景があります。それは当時1歳だった次女がくわえていた開封されたあとのコンドームの袋。
赤ちゃんってなぜかお財布やお金が大好きですよね。次女も私のバッグからお財布を取り出しては遊んでいるということが何度かありました。お財布は大切なものだし、遊んでいる途中で無くしたり、お札を破ったりしては困ります。
次女からお財布を取り上げたのですが、ギャン泣きをされてしまって。
その日、夕飯の支度で手が離せなかった私は代わりに元主人の海外出張用のお財布を次女に渡しました。
当時、彼は海外出張が多く、そのお財布にも少額ですがドルが入っていました。最悪、無くなってもたいした額ではないし、とにかく泣き止んでほしいという気持ちで渡しました。
おとなしくなった次女。
途中、包丁を握る手を休め、次女の様子を伺うと、なんと中国語が書かれたパッケージのコンドームの袋(開封済み)を口にくわえているではありませんか。
私は一気に頭に血が上り、その袋を口から外しました。
同時にワクワクしたような気持ちになったのを覚えています。
その頃、なんとなく夫婦仲がギクシャクしていると感じていました。何か怪しい。でも証拠はないし・・・。
だから次女が加えているのが使用後のコンドームの袋だとわかった時、怒りや憎しみと同時に「これで追求できる!」、「これでメタメタに叩きのめしてやれる」となんだかワクワクしたような気持ちになってしまったんです。
夫が帰宅するなり、
- これは一体どういうこと!?
- 1歳の愛娘が口にくわえていたのよ!
- 先週の中国出張の時でしょ!
- 最低。けだもの
- 私が一人で何日も家を守っていた間あんたは何やってたのよ!?
考えつく暴言を一気に吐き出しました。
彼のしたことがいかに間違っていたのかを知らしめるために尋問のような口調で責め続けました。
主人は何も言えなくなっていました。
結果、私たちのパワーバランスはその日から常に私が上。
しかし、彼は私の顔色を伺いながらも、こそこそと他の女性問題やお金の問題を引き起こすようになってしまいました。夫を責め続けることで表面的には不倫の様子は消えていったのですが、陰で続けているだけです。
もちろん、5年以上たった今でも、彼のした問題行動はいけないことだったと思います。ただ、まるで自分が刑事の取調べのように彼を問い詰めてしまったのは失敗だったと反省しています。夫婦間は、ますます溝が広がっていくばかりです。刑事の尋問のようになっていないか、自分が裏切られたと感じる時ほど気をつけてみてください。
強制的な対応は逆効果
不倫が発覚したとき、ついやってしまうのはも、森田さんの事例でもあるように「相手を責める」ということ。そして「不倫相手と別れて」激しく追及することです。しかし、それは心理学的には逆効果になることは明確です。ある実験を紹介します。
ミネソタ大学などでは、このような実験を行いました。
参照 ミネソタ大学
幼稚園児を対象にいくつかのおもちゃで遊んでもらいます。その後、おもちゃを気に入った順番に並べ替えてもらいました。そして、各園児が2番目に好きなおもちゃを指さして大人が「自分が部屋の外にいる間、好きなおもちゃで遊んで良いよ。でも、この2番目のおもちゃでは遊んではいけない」という指示を出します。
Aグループの園児には「もしこの2番目のおもちゃで遊んだら、私が全部のおもちゃを取り上げて、二度と遊ばせない」という厳しく言いつけを伝えました。
一方、Bグループの園児達には「この2番目のおもちゃで遊んだら、困ってしまうから辞めてね」と穏やかに注意を促しました。
園児達は全員、言いつけを守り2番目に気に入っていたおもちゃで遊ぶことはありませんでした。
その後、再度、園児達に「おもちゃを好きな順に並べ替えて欲しい」と伝えると、厳しく遊ぶことを禁じられたAグループは、今まで2番目に気に入っていたおもちゃが一番気に入るようになってしまったのです。
一方、Bグループの園児達は、今まで2番目に気に入っていたおもちゃの順位を変えないか、2番目のおもちゃに対しての関心が薄くなり順位を下げていったのです。
不倫相手との別れを強制して事態悪化
つまり、厳しく関わりを断つように伝えられると、逆にその分、関心が増してしまうということが起こってしまうのです。「遊びたいけれど、遊べない」という思いが強くなればなるほど、おもちゃの魅力を上昇させてしまうということです。(このことを学術的にはリアクタンスと言います)
これは、不倫関係でも同じ事が起こりやすいです。つまり、夫に「絶対に不倫相手とはもう二度と会ってはダメだ、誓約書も書いてもらう」のように強制的になればなるほど、状況は悪化しがちになります。「早く女性と別れさせたい」という気持ちはもっともですが、そのためには、穏やかな注意の方が効果が高くなるということを覚えておいてください。
まとめ
今回の実験の通り、人は厳しく規制されればされるほど、逆に規制されたことに対しての関心が高まるということが分かりました。不倫相手との関係も同じように、厳しく強制的に、会うことを禁止すればするほど、夫の心の中ではその女性に対しての魅力が増していく、関心が増していくということになり兼ねないと言うことです。
ですので、女性と別れさせるときには強制的な方法はあまり好ましくありません。
もちろん、状況によって、どう対応するのかは個々に検討する必要がありますが、基本的にはこのリアクタンスに十分配慮した上で、話しを進めていく必要があります。
ちなみに、不倫相手とどう別れさせるのか?具体的な対処方法は下記の記事でも詳しく取り上げています。ここでもやはりリアクタンスが重要な鍵を握っています。具体的な方法について解説していますので参考にしてください。その他、不貞問題の対処方法についての具体的ノウハウは「夫婦関係修復ニュースレター」で公開しています。今なら無料購読できますので、下記のフォームから早速メールアドレスをご登録ください。
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