言葉が悪いと正反対の行動をとる

「子供との時間をとって欲しい」「同居に戻して欲しい」など、こちらの考えていることを相手に伝えても、全く夫が伝えた通りにしてくれないということはありませんか?

実は家族間で、このような提案をする際、不適切な表現と適切な表現というのがあります。

適切な表現で伝えれば、それだけ相手には提案を承諾してもらいやすくなりますし、逆に不適切な表現で伝えれば、それだけ承諾してもらいにくくなる上、場合によってはこちらの提案とは正反対行動をとらせてしまうと言うことにもなってしまいます。しかも、不適切な言葉を使えば、夫婦関係はどんどん悪化します。

そこで今回は、夫婦関係を改善させるための「提案を伝える表現のスキル」についてお伝えします。

夫婦関係を悪化させる典型的な言い方

まず、典型的な不適切な表現というのを紹介しておきます。

不適切な表現というのは、端的に言えば「支配的な言葉」です。

例えば「飲み会で遅くなるなら電話くらいしなさいよ」というような命令的なメッセージ。あるいは「もっと子供の世話をしてくれるなら、お小遣いを上げてもかまわない」というような褒美で釣るメッセージ。あるいは「言うことを聞かないのなら、このような罰を与えます」というような脅しのメッセージ。

こういった支配的な言葉が、夫婦間で多くなってしまうと、夫婦関係が次第に悪化し、全く自分の意に反した行動を相手がとるようになってしまいます。

親しみやすいと思ってもらう表現

川村女子学園大学では、学生195名に対して次の4つの言葉で相手が受け取る印象や実際に相手が提案を承諾してくれるかどうかを調べました。

  • 1.消しゴムを貸せ(命令)
  • 2.消しゴムを貸して(依頼)
  • 3.消しゴムを貸して欲しいな(願望)
  • 4.消しゴムを貸してもらって良い?(打診)

この4つの表現で相手に消しゴムを借りるお願いをすると、1>2>3>4の順番で、相手に反発心が生まれやすくなり、提案をした相手に対して悪い印象を持つようになりました。

逆に、4>3>2>1の順番で実際に消しゴムを貸してくれる率が高まっていったのです。

つまり、こちらの提案を相手に承諾してもらうには、命令よりは依頼、依頼よりは願望、願望よりは打診という形で伝えた方が、相手がこちらの提案を承諾してくれやすいと言うことです。

そして、承諾をしてもらいやすいだけでなく、願望や打診の表現を使って提案した方が、相手が受ける印象も「親しみやすい」ものになったのです。

言葉の秘密を握る自由欲求

人には、グラッサー博士の提唱する選択理論には「自由欲求」というものがあります。自由欲求というのは、自分のことを自分で決めたいという気持ちのことです。

なので、「●●をしなさい」のように相手に選択の余地を与えず、一方的な言葉になればなるほど、相手は自分の自由欲求を満たすために、こちらの意見とは別の行動をとりやすくなります。

例えば、親が子供に「勉強しなさい」と伝える事は、表現上、子供に対して選択の余地がないですよね?

選択の余地をなくしてしまうと、子供は自由欲求をも満たすために、あえて「勉強しない」という正反対の行動をとる可能性が高くなります。

あるいは、「別居先から自宅に戻ってきなさい」と伝えれば、少なくとも表現上は、相手に選択の余地を与えていません。

仮に相手が「そろそろ別居先から戻ってこようかな」と思っていたとしても、「別居先から自宅に戻ってきなさい」と言われれば、あえて「絶対に別居先から戻らない」という行動を促すことにもなりますよね。
選択の余地
このように、人は指示されたり、強制されたいわけではなく、自分のことは自分で決めたいと感じる根本的な欲求を持っています。

なので、夫婦間で話しをする場合、基本的には、どんな提案をするときも、相手の意志を尊重して、相手に決めさせる…ということが重要なポイントになってきます。

まとめ

強制的な発言は逆効果を生むことがあるので注意してください。その他、夫婦関係を修復するのに役立つ方法をニュースレターで公開しています。ぜひこちらも併せてお読みください。下記のフォームから無料登録していただけます。

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