「家事の分担をお願いしたのに突然、無理と言われる」、「離婚する」など、挙げればキリがありませんが、夫が頑なに自分の考えを押し通そうとするとき、対応に困りませんか?何か旦那さんの考えを変えるためにできることはないかと思うのではないでしょうか。

しかし、案外、夫が頑固で考えを変えて欲しいと思っても上手くいかないことも多いものです。そこで、今回は夫の考えを変えるためにできることなどを取り上げ解説します。

ご相談者様ご相談者様

確かに私も、夫に離婚するという考え方を変えて欲しいと思っても、頑なな態度をとられてしまい困っています。どうすれば良いですか?

夫に考えを変えてもらうには?

ここでは、夫の考えを変えるのに役立つ方法をお伝えします。それは何か?というと「社会的規範との比較法」というテクニックです。これは一般的なルールや意見と比較していくという方法です。

例えば、簡単な方法としては「身内の人は皆、Aだと言っているんだけど」という具合に、多くの人はAという意見だということを伝える事です。このとき大事なのは、けっして自分の意見は伝えていないというものです。自分の意見を伝えると反発につながりやすくなります。

そこで、周囲の多くの人がAという意見に賛同しているということを提示する事で、相手の意見もAという方向に進みやすくします。
テクニックの図解

「社会的規範との比較法」が役立つ理由

夫の考えを変えるために、なぜ「社会的規範との比較法」が役立つのでしょうか?それは比較対象があれば人は、それにつられて自分の判断を変えやすいからです。実際に、テキサス大学Garven氏は次のような実験を行っています。

あるテーマについて「あなたはどう思いますか?」と尋ねます。すると、わずか10%しか「そうだ」と肯定してくれませんでした。しかし「みんなAだと言っているんだけど、あなたはどう思う?」と質問すると、同意してくれる人が何と約50%まで上昇したというのです。このように、周囲の人の多くの意見がAだと伝えることは、結果として、本人の意見をそちらに向けていくことが出来ます。

参考ページ:The effect of interviewing techniques from the McMartin Preschool case

場面別!考えを変えてもらうのに役立つフレーズ

ここでは様々な場面を取り上げ「社会的規範との比較法」を実際にどう使うのか、その使用例を紹介します。夫の考えを変えるのに役立つフレーズをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
役立つ場面について図解

お店を選択する場面

夫婦で何かお店を選んだり、行き場所を考えるという場面があります。このようなシーンでは、どのようなフレーズが使えるでしょうか?

例えば「友人に相談してみたらAと言っているんだけど、あなたはどうだろうか?」、「私も迷ったんだけど多くの人はAだと言ってるみたい。私達もそうしないか?」という具合です。もう少し説得力ある形に変えるのであればさらに次のように伝えることができます。

  • 友人に相談したら「Aのお店に行った方が明日味で健康には良いと思う」と言っていたけれど、どうかな?
  • 私も迷ったんだけれど調べてみると7割くらいの人がAを選択しているみたい。私達もそうする?

このように第三者の実際の発言を引用したり、何割くらいの人がそうしているのかといった具体的なことも含めて伝えるなどのことが考えられます。
会話をしている姿

家事に不公平がある時

共働きをしているのに、妻ばかりが家事を負担していて、夫が頑なに家事をしてくれないということはありませんか?このような場合、どのようなフレーズを使って、考えを変えるよう促していけば良いのでしょうか。

この場合、例えば「共働き世帯の家事の負担がどうなっているか?」というアンケート調査などを調べ、その事実を元にご主人に対して話しを進めていきます。

例えば次のとおりです。

「実は家事の負担について、あなたと話をしたいと思ってるの。私たちは共働きで、私も全面的に負担をするのは正直辛いと思ってる。そこで、共働きの場合おおよそ、4割くらいは夫が負担しているらしいの。何割という形で分担はしなくて良いとは思うんだけど、皿洗いと買い物を週2日はやってもらえないかな?」

このような形でご主人に伝える事が出来るかも知れません。

ワンオペ育児になってる時

夫婦の子供なのに、妻ばかりが育児をしていて、夫は一切関わらないなどということはありませんか?この場合、どう夫の考えを変えてもらい、育児にも参加してもらうようにすれば良いのか?

これも「社会的規範との比較法」テクニックが使える事例です。例えば「父親と子供の関わりがどれほど大事か」ということを事前に一般的な情報から調べておきます。

そして「実は最近、子育てのことで心配していることがある」と伝えてきます。その上で「父親と子供との関わりが、どのようなプラスの影響を与えることになるのか」という事実をご主人に伝えていきましょう。その上で、週にどれくらいの時間、関わってもらう事が出来るのか?ご主人と相談してみてください。

夫の考えを変えるのに逆効果なこと

何とか夫に考えを変えてもらいたいと思ったとき、ついやりがちだけれど、実際には逆効果になってしまうものもいくつかあります。そこでここでは、その方法を取り上げ解説します。あまりにもムキになりすぎて間違った方法は使わないように注意してください。

交換条件の提示

夫婦関係が良好な場合は、交換条件を出すと言うことでも問題がない事もあります。ただ、夫婦仲が芳しくないときは、あまり交換条件的なことで相手を変えようとしないことが大切です。なぜならそれをしてしまうと、悪用されると言うことも出てくるからです。

指示すること

間違った方法の2つ目は「あなたがこの家事はきちんとやって!」、「離婚などという意見は間違っている。考えを改めて」のように指示することです。

「このようにして」などのように指摘すると、たいていは対立を深めるだけで、合意に至れることはありません。

意見して対立が深まるの図解
もちろん、夫婦関係が良好なときは効果があります。しかし、夫婦関係が悪化しているときは、たいてい意見すればするほど、逆効果になる事が多いものです。

感情的になること

ヒステリックになってしまう、あるいは泣いて訴えるなどのことは、効果があったとしても短期的なので注意してください。中長期的には夫婦関係を後退させてしまう可能性が高くなります。

その場ではとりあえず自分の考えを変えてくれたかのように変化することもあるのですが本心は変わっていないことも多いです。そのため、また時間をおいて相手が以前と同じことを主張してくることが多くなります。

まとめ

夫の考えを変えるのは一筋縄では行かないと言う面は確かにありますが、今回の「社会的規範との比較法」は、そのために使える1つの方法です。他の方法とも組み合わせて使う事で、より効果的になると思います。

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よくあるご質問

ここでは『夫の考えを変える技術!家事・育児の分担から離婚問題まで』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

旦那が細かくて面倒くさい

【Question】
旦那が細かい性格で、私の家事のやり方などにも口出ししてきます。正直、非常に面倒です。家事くらいは自分のやりたいようにやりたいです。どうすれば夫の考えを変える事ができますか。

【Answer】
細かい性格ということ自体は、本人の元々の特性であることが多いので、なかなかそれ自体を変えることは難しいと思います。

そこで一度、ご主人と話をして、家庭内の自分の担当箇所を分けるということを伝えてみてはどうでしょうか。例えば「キッチンの責任者は私なので、この点については口を出さないでほしい。でも家計ノンタン等はあなたなのでこの点については私は口出しするつもりはない」という具合です。

そうすることでご主人の注意を別のところに向けるということができるかもしれません。もちろん、必ずこうすればうまくいくというものではないので、これを試してみてそれでも問題が続くようであれば、そのときまた別のアプローチを検討していきましょう。

価値観の違いに悩む

【Question】
これまで25年近く夫婦を続けてきました。50代です。これまであまり気にならなかったのですが、最近は価値観の違いに悩んでいます。夫と趣味も合いませんし、これから子供達が独立して家を出て行けば、2人でうまくやっていけるのかと不安です。価値観の違いを埋めるにはどうすればいいですか?

【Answer】
ここ最近は価値観の違いがあると実感して、それに悩んでいると言うことですね。ただ、一方で既に25年近く、大変なこともあったとは思いますがそれでもここまで一緒にいられたということは、誇りに思って良いことなのではないかと思います。

そこでまずはこの25年、どうしてうまくいろいろなことに折り合いをつけながらうまくやってこれたのか?その成功要因を考えることから始めてみるのはどうでしょうか。改めて振り返ることで、今まで気づけなかった点を発見することができるかもしれません。

うまくいった要因を知ることで、これからの結婚生活の何かのヒントになることもあるのではないかと思います。

離婚の考えを変えるには?

【Question】
夫がどうしても離婚をすると言って聞きません。どうにか考えを変えてもらうよう説得を試みていますが、この頑なな考えが変わらないです。どうすればいいでしょうか。

【Answer】
通常、説得というのは、あまり効果がありません。誰も「説得されたい」とは思っていないですよね。なので、説得しようとすればするほど、より自分の考えに固執するようになります。例えば、離婚するという考えにどうしてもこだわるようになってしまいます。大切なのは、本人自ら離婚以外の選択肢を考えるように促していくことです。促すというのは、相手に別の選択肢もあると言うことに気づいてもらうようにします。そして、変化が本人の中から起こるように進めていきます。詳細は、夫婦関係修復ニュースレターでお伝えします。

手紙やメールで相手を説得するには?

【Question】
相手の考えに影響を与えたいと思っています。特に手紙やメールなどでは、どのような点が重要でしょうか?

【Answer】
とりわけ文章で相手を説得するときは、時間をかけてじっくり検討できます。そのため、はエトス・パトス・ロゴスの3要素に注意を払ってください。これは、大昔から重視されてきたものです。エトスとは自分に対しての信頼性です。信頼がなければどんな言葉を伝えても意味を成しません。パトスというのは、相手の感情にしっかりアピールすることです。ロゴスとは、筋が通っていること、論理的であることです。これが飛躍していると相手が不自然に感じてしまいます。

参考ページ:The Rhetorical Triangle

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