「暴言をやめて欲しい」「子供の事にもっと関わって欲しい」など、夫に不満を伝えたいということがあると思います。しかし、口頭で伝えるのは勇気もいりますし、夫から過剰に反発されることもあると思います。

そこで、ここでは手紙を使って、不満を伝える方法についてお伝えします。書き方の手順や注意点なども解説するので、早速お読みください。

ご相談者様ご相談者様

私も別居している夫に、もっと自宅に戻ってきたり、連絡をして欲しいなど、日頃不満に思っていることを伝えてたいです。そこで、手紙を書こうと思っているんですがなかなか筆が進まないんですよね。もっと上手く伝えないといけないのではないかなど、不安が先行して、結局「明日でいいや」となってしまいます。どうすれば良いですか?

夫への不満を手紙で伝える方法とは?

夫への不満を手紙で伝える方法とは、日頃感じている問題点や困りごとを書面によって伝達する方法です。対面で不満を伝えるのとは違ってプレッシャーを緩和し、感情的なエスカレートを避けることが出来ます。また、夫も妻から自分の不満を言われると冷静にその話を聴く事が難しくなります。

しかし、手紙であればある程度、落ち着いて妻の主張を聞くことが出来るというメリットもあります。このように手紙を使えば、夫婦間の直接的な衝突を避けられたり、妻が自分の伝えたい事を余すことなく理解してもらいやすくなります。
執筆のイメージ

手紙で不満を伝える方法

ここでは、手紙を使って、夫への不満を伝える方法についてお伝えします。ステップバイステップで解説しますので、できれば紙と鉛筆を手元に置いて、実際に書きながら読み進めてみてください。これを読み終わる頃には、ある程度、手紙が完成していることを目指しましょう。では早速、上から順番に読み進めてみてください。

1.不満を箇条書きにする

まずは、自分の伝えたい事(不満)を箇条書きで書くことから始めていきましょう。このように箇条書きで書き出すことで、自分の不満に思っていることも整理されやすいです。このように、手紙を書くからといっても最初から「長い文章を書く」という必要は全くありません。この時点では、不満に思っていること、夫に伝えたいことを一通り書き出すだけです。例えば、次のとおりです。

  • 別居して、子供との面会が滞っている点を指摘
  • 義母との連絡が苦痛であることを伝える
  • 日常会話が少ない点

上記のように、箇条書きでまとめていきます。何十個も出てきたということもあるかもしれませんが、ここでは一通り余すことなく書き出してみてください。

2.伝えたい事を1つに絞る

ここでは、書き出した不満の中から、今回伝えたい事を1つに絞ります。全ての不満を一気にぶつけてしまったのでは、夫はただ「自分が攻撃された」と思うだけで、改善される見込みも薄いです。1つに絞って伝えるからこそ、メッセージが正しく伝わり、改善の見込みが出てきます。

伝えたい事を絞るイメージ

3.伝える順番を決める

ここでは、不満を伝える順番を考えます。手紙というのは、自分が思いついたまま言葉にして表現すれば良い、と言うものではありません。読み手である夫が理解しやすいように伝えなければいけないということです。理解してもらって初めて、行動の変化が期待できるからです。そこで、文章の型にそって伝えることを検討してください。文章の型というのは、起承転結などが有名ですが、必ずしもそのような順番にする必要はありません。ここでは、それ以外の代表的なパターンを取り上げておきます。

CRF法

ポイントを絞って単刀直入に伝えたい場合、このCRF法(Conclusion-Reason-Fact)が有効です。CRF法なら、短時間でこちらの伝えたい事を理解してもらいやすいです。
CRFの構成図
1.結論を伝える
最初に結論を伝えます。例えば「息子の太郎との面会時間をとってください」などのような感じです。1番伝えたい事を先頭に持ってと来てください。自分の主張・提案などを入れるのが一般的です。また、ここで伝える意見・提案は1つに絞ってください。これが複数になると、これ以降の文章も非常に書きにくくなってしまいます。

2.理由を伝える
次に理由を伝えます。なぜそのような結論を伝えたのかというのを説明するということです。例えば「太郎が最近、あなたと話をしたいと言っているからです」のような感じです。ただし、実際にはここの内容は、もう少しボリュームを増やす事になると思います。どういう事情で太郎君が父親と話をしたいと思うに至ったのかといったことを補足すると良いでしょう。

3.事実を伝える
ここでは、理由を下支えする事実を伝えます。例えば「実際、太郎はあなたと3ヶ月えなていないことで、様々な影響が出ています。例えば、夜は一人で寝られなくなってしまいました。また、学校の成績も30番くらい順位が下がっています」というような感じです。「こういったことが実際に起こっている」と言えるようなことがあれば、ここに記述するようにしてください。

前提共有の型

夫との話が中途半端に終わっていたり、約束が守られていないなどの場合、この前提共有の型が役立つことがあります。構成を見てみましょう。
前提共有の型
1.前提を確認
ここでは、中途半端になってはいるけれど、夫と話をしたところまでを整理しておきます。例えば「3月にあなたと話したときに、別居をするというのは、あくまでも修復を前提としたものだったと思います。実際にあなたも、数ヶ月様子を見たいということを伝えてくれました」。このような形で、途中になっている話を整理しておきます。

2.本題
次にその途中になっている話を踏まえて、自分の伝えたいことを伝えます。例えば「修復前提の別居なので、このまま音信不通にしていたのでは、何も変化がありません。そのため、月に1回は一緒に食事の機会をとって欲しいと思っています」のようなメッセージです。

3.相手の考えを伝えるよう促す
最後に自分の意見をまとめ、相手の考えを表明するように促します。例えば次のように伝えることが出来ます。「私の伝えたい事は、月1回の食事をするということなのですが、あなたの考えはどうですか?」。このように自分の考えを整理して、相手に何について答えて欲しいかを明確にしておきましょう。

スポットライト法

スポットライト法は、夫との間に解決しないといけない問題(不満な点や改善して欲しい点)が沢山ある時に使います。沢山ある問題の中から1つだけを絞って、その事について伝えていきます。早速、構成を見てみましょう。
スポットライト法の構成図
1.全体像を伝える
最初に夫との間で解決しなければいけないことの全体像を伝えます。例えば、「息子、太郎の教育問題について私たちは意見が沢山異なっています。進学について、しつけの仕方になついてなど、親として足並みが揃っていません」などのような感じで、問題の全体像を伝えていきます。

2.スポットライトをあてる
このような複数の問題の中から、今日の手紙で取り上げたい1つのポイントに焦点をあてます。例えば「沢山の課題はあるけれど、今日はまず、子供に対しての言葉遣いのことについて話したいと思っています。なぜなら、この問題については、息子、たろうに直接的な影響があるからです」などのように伝えていきます。つまり、スポットライトをあてたテーマに伝え、なぜそれを取り上げたのかという理由を伝えます。

3.本題
最後にスポットライトを宛てたテーマについて、詳しく伝えていきます。例えば「先日も太郎は、口が悪くなってきて親に対してこのような発言をしました」という感じで、文章を書いていきます。

以上、いくつかの代表的な型をとりあげましたが、沢山のパターンがあるので、自分の主張を伝えるのに適したものを選び、並び替えてください。

4.肉付けする

型にそって、何を伝えたいかを箇条書きで書き出し、今度はそれに肉付けしていきます。実際の文章にするということです。これは段落毎に書いていくのが望ましいです。文章を書くのが苦手なら、今日はこの冒頭の段落だけまずは書こうのように決めて、進めてみてください。また、必ずしも上から順番に書く必要もありません。「本題のところが書きやすい」と思ったら、そこから書いていけばかまわないです。

5.編集する

最後に編集をします。一度の執筆で良い手紙が書けるわけではありません。書き上げた後、繰り返し修正する事が必要です。各段落語との繋がりを適切にして、手紙全体として流れがスムーズになるようにしていきましょう。また、誤字脱字もなくしていくことが必要です。必要に応じて、誰か第三者にチェックしてもらうことも考えてみてください。自分で書いた文章というのは、なかなか自分では修正しにくいからです。

不満を手紙で伝える時の注意点

夫に手紙を書くとき、いくつかの注意点があります下記でお伝えする点を守って執筆するようにしてください。

建設的に伝える

不満を伝える殻といっても、相手への非難ばかりでは適切ではありません。良い方向に変えていきたいという思いで、建設的に伝える必要があります。例えば「あなたのいびきが、うるさいくて迷惑だ」と伝えるのではなく、「お互いが安眠できるようにしたい」のように伝えた方が相手もこちらの不満に耳を傾けてくれやすくなります。

積極的に書き出す

手紙が書けない最大の理由は最初から「良い文章を書こう」とするからです。最初の段階では、誤字・脱字を気にせず、自分の伝えたい事を積極的に書き出すようにしてください。「こんなことを伝えたら、夫が怒るのではないか」などの心配を一切せず、書くようにします。文章を削るのは最後の「編集」の段階で行えばかまいません。それまでの間は積極的に躊躇せず、言いたいことは全部書くくらいのつもりで執筆します。文章で書こうとするけれど、こんなことを書いてはいけないのではないかというブレーキがかかったら、書きにくいですよね?なので、ブレーキをかけず全力で書くというように最初はしてください。ブレーキをかける、つまり表現を修正したり、削除するのは「編集」の段階でまとめてするようにしてください。

何度か作り直す

「一度で、良い文章を作ろう」と思うと上手く書けません。手紙は、一度で書いて完成させるということではなく、何度も修正をし直して、次第に良いものに仕上げていきます。ですので、失敗したらどうしようといった気持ちは忘れましょう。下書きの原稿を夫本人に渡す訳ではなく、それまで何度でも修正出来るので、心理的なハードルは下げて書くことが重要です。

時間をおいて見直す

多くの場合、手紙を書き上げた後は「良いものが出来た」と思ってしまいがちです。しかし、それは感情が高揚しているので、良いように思えているだけかも知れません。そのため、数日時間を空けて、再度見直してください。このように後から見直すと「とんでもないことを書いてしまった」と考え直してしまうことも多々あります。最低、24時間は時間を空けて見直すことが肝心です。

まとめ

今回は、夫に不満を手紙で伝える方法についてお伝えしました。手紙で伝えることによって、感情的な衝突はある程度、抑えことができます。しかし、それでも相手を傷つけるような表現は使わないように注意してください。また、手紙は口頭とは違って、冷静に伝える順番を検討できます。相手が理解しやすいように工夫してみてください。その他、夫婦関係を修復するためのノウハウは専用ニュースレターで公開しています。今のうちに無料登録しておいてください。

よくあるご質問

ここでは『夫へ手紙を書きたい!書き方の手順について丁寧に解説します』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

夫宛の手紙を代筆

【Question】
最近、私の気持ちや考えを上手く言葉にするのが難しく感じることが増えてきました。特に夫婦関係も悪いため、いろいろな点が神経質になってしまいます。

そこで、夫宛の手紙を書く際に、第三者の視点で文章を書いてもらえるようなサービスや専門家に相談して、代執してもらうことを考えているんです。そうすれば、私の気持ちや考えがよりクリアに伝わるのではないかと思っています。

でも、その手紙が私からのものでないと感じさせてしまったらどうしようとも悩んでいます。

【Answer】
夫婦関係が悪いときは、代筆のような形は避けるようにしてください。これまでのあなたの言葉や表現、言っている内容などが大きく異なれば、相手はそれに気づきます。そして、違和感を感じたら「自分を操作するために、誰かに相談して書いたのだろう」ということを気づかれます。

そして、それを気づかれてしまうと、今後自分の発言に対して、相手が不信感を感じてしまうからです。このような場合は代筆をするのではなく、添削をしてもらってください。原文が自分のものである必要があるということです。

後で批判されないか心配

【Question】
最近、夫との間にいくつか不満が積もり、それをどうにかしたいと考えています。直接話し合うのが難しいため、手紙で気持ちを伝えようと思っているのですが、手紙を書いた後で夫から批判されるのではないかという恐れがあります。このような心配がある場合、どうすれば良いでしょうか?

【Answer】
出来ることの1つは、手紙の書き方を工夫することです。ただの批判と受け取られると、その後、ご主人が怒って何かを伝えてくるという可能性は高まります。しかし、一緒に解決したいのだという建設的な姿勢で手紙を書けば、そこまで恐れる必要はないのかも知れません。どちらにしても、不満を伝える場合は、「どう伝えるか?」ということが1つの鍵を握っています。

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