寂しさを振り払うために犬を飼う?

夫と別居して落ち込んでいる時、そのことを友人に相談したら「子犬でも飼ってみたらどう?子犬は可愛くてほっこりした気持ちにさせてくれるよ」などのように助言してくれました。

この助言は、確かに犬が好きなら「ああ、本当だ。前から気になってたから飼ってみようかな。別居の寂しさも少しはなくなるかも」などのように思ってくれるかも知れません。

しかし、現実的には「は?犬?私は子供の頃、犬に噛まれたこともあるから、そんな犬と一緒に生活するなんて考えられない!余計、気分も悪くなるよ」などど感じる人もいます。

この場合、助言をしてくれた友人は「犬=可愛い動物」というものの見方をしています。一方、助言された人は「犬=怖い生き物」のように認識しているかも知れません。このように、物事をどのように捉えるのか?ということをスキーマと言います。スキーマというのは、ここでは「物事の捉え方や自分の常識的な見方、世界観…」のような意味です。

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人は何でも物事をありのまま見ている訳ではなく、自分独自の物事の捉え方をしてしまいます。これをスキーマと呼んでいるということです。そして、そのスキーマがあるからこそ、同じ経験・同じものを観ても、人によって意見や考えが異なってしまうということです

意見が合わない原因「スキーマ」

ちなみに、このスキーマというのは、当然1人1人によって異なります。全く同じスキーマを持っているということは、ありません。育ってきた環境も、個人の気質も皆異なるからです。

夫婦でコミュニケーションを取るときも、このスキーマが原因で意見の対立が起こることがよくあります。

例えば、先ほどの「子犬でも飼ってみたらどう?子犬は可愛くてほっこりした気持ちにさせてくれるよ」という助言は、伝えている本人は良かれと思って伝えるわけです。しかし、受け手は必ずしもその通り「好意的な助言」として受けとってくれるとは限らないのです。

夫婦の会話をするときも、このような誤解が大いに生じてしまいます。奥さんの側は良かれと思って声をかけたのに、夫の方はそれを嫌味に受けとった…などということは日常茶飯事ですよね。特に「うちは夫婦喧嘩が多い」「いつも意見が合わないで困る」という場合は、このスキーマが人によって異なるということを良く認識しておきましょう。

意見の食い違いをどう埋める?

では、このようなスキーマの違いからくる夫婦間の「意見がいつも異なる」「こちらの気持ちや考えが正しく伝わらない」という問題に対して、どのような事ができるのでしょうか?

言葉の使い方として、できることの1つは「抽象化・具体化」を小まめに使う、ということです。

例えば、先ほどの「子犬でも飼ってみたらどう?子犬は可愛くてほっこりした気持ちにさせてくれるよ」というメッセージであれば、「あなたが可愛いと思うような動物、例えば子犬とか小鳥とかを飼ってみるのはどう?気持ちもきっとほっこりするよ」のように伝えていきます。

「子犬」と限定してしまうと、スキーマの違いによって受け手が必ずしも快く話しを聞いてくれません。そこで「可愛いと思える動物」と伝える事で、抽象的に話をしている、ということです。ただ、抽象的なメッセージだけだと何を伝えたいのかハッキリしないことも多くなるので、「具体例」を出して伝えています。
意見の伝え方
つまり「抽象的+例えば…」という表現です。これを自己主張する際の1つの表現パターンとして活用してみてください。たった1つのこの表現だけでも、夫婦間での意見の食い違いや誤解を避ける大きな武器の1つになります。

まとめ

人はスキーマという物を必ず持っています。そのスキーマの違いが意見の違い・誤解の元になります。夫婦間でもこのことが発端で夫婦喧嘩に発展したり、別居になってしまったりなどのことが起こります。そこで「抽象的+例えば…」というメッセージの伝え方を1つの武器として使ってみてください。この表現パターンを活用することで、いくらかは誤解を避けることができます。

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