我慢ばかりで夫に言いたいことを言えない

「夫から反発されるかも知れないので口をつぐんでしまう」「意見しても否定されるので、伝えるのを我慢してしまう」などということはありませんか?

夫婦間であれば、自分の思ったことくらいは、率直に相手に伝えたいもの。しかし、相手からの反発や否定を恐れて、躊躇してしまうこともありますよね?

そこで今回は「夫婦の会話や話し合い中、自分の言いたいことを率直に伝える方法」についてお伝えします。夫に言いたいことが言えないでいつも我慢している!と言う人はぜひ、参考にしてください。

ご相談者様ご相談者様

確かに自分が我慢すればいいやと思って、つい口をつぐんでしまいます。でも言いたいことを我慢すると夫婦関係は悪くなると言いますよね。ぜひ解決したいです

夫に言いたいことを言えないことの問題点

夫に言いたいことがあるのに、それを我慢して言えないという状態が続くとどのような問題が生じるのでしょか。いくつかあると思いますが、代表的な問題点を取り上げます。
問題点についての図解

相手に対して静かな怒りを感じる

自分が本当はこれを夫に伝えたいと思っているのに、それを我慢し続けると相手に対して静かな怒りを感じてしまうことがあります。例えば「もっと清潔にして欲しいけれど、これを伝えれば相手が傷つくのではないか」などのことがあると、次第に「どうしてももっとキレイにできないのか」と怒りに変わっていくことがあります。

自分の無力感を感じる

言いたいことを夫に言えないということが続くと、その葛藤が自分に向けられてしまうことがあります。例えば、「こんなことも言えないなんて自分は無価値なのだ」のように感じたり「自分が望むことを伝えるなんていうことは、自分にはしてはいけない存在なのだ」という具合です。

心理学的解説

相手に言いたいことを我慢することは喧嘩の元になったり、自尊心の低下などにもつながります。むしろ率直に伝えることの方が関係性を前進させる上では有効です。
参考:4 Ways to Say (and Get) What You Want in Your Relationship

夫に言いたいことがいえない原因

夫に言いたいことが言える自分に変わる方法をお伝えする前に、まずはどうして口をつぐんでしまうのか?なぜ、いつも自分は夫に言いたいことを言えないのか?その原因をいくつか取り上げて解説します。

1.反発が怖い

夫に言いたいことが言えない原因の1つは、相手からの反発が怖いからというのがあります。意見しても、10倍返しで批判されると、さすがにもう意見を伝えるのは控えようかな…と思ってしまいますよね。

反論される
そして、次第に言いたいことがあっても我慢するようになってしまいます。もちろん、意見を言わなければ表面的に夫婦関係は穏やかになりますが、我慢が重なっていくと、次第に嫌味を言うようになってしまったり、イライラした態度をとるようになったりしてしまいます。

2.自分に自信がない

夫に言いたいことが言えない原因の2つ目は、自分に自信がないと言うことが挙げられます。何か意見しようと思っても、自分が間違っているのではないか?など、様々な不安が起こり、やっぱり言わないで黙っておいた方が良いと判断してしまいます。

自信喪失

3.相手が話しを聞かない

こちらとしては言いたいことを伝えたいという気持ちがあるのですが、なかなか相手が自分の言葉に耳を傾けてくれないということがあります。

自分の話を聞く気持ちがなかったり、自分の事を馬鹿にしていてスルーされてしまうなどのことです。このようなことがあると「どうせ自分の話はとりあってくれないだろう」のように諦めの気持ちも出てきてしまいます。

4.幼少期に拒絶されがちだった

幼少期に親などから拒絶的に対応されることが多かったということがあれば、なかなか他人に言いたいことを言えないということがあります。勇気を出して言おうと思うのですが、もう1人の自分から「やめておけ」と言われているような気持ちになります。

5.言いたいことがデリケートな内容

普段は言いたいことを言えることが多いのだけれど、相手の心の傷に触れそうなことやデリケートな問題については、言えないということがあります。ただ、伝えることが大切だということは分かっているのでカットになります。

これ以外にも、言いたいことを伝えたら喧嘩になってしまうなどの様々な原因もあると思いますが、内面的には不安や恐怖で一杯になるか、自信や勇気が不足しているかのどちらかになることが多いと思います。では、こういった内面の問題を克服して、言いたいことを率直に伝えることが出来る自分に変わるためには、どんなことが出来るでしょうか?

次は具体的な対策をお伝えします。

夫に言いたいことを伝えるための方法

ここでは、夫に言いたいことを伝えるための方法について解説します。もし「きちんと伝えたかった」「いつも言いたいことを言えず落ち込んでいる」ということがあるなら実践してみてください。

他人の力を借りる方法

自分の気持ちや意見など言いたいことを夫に言う秘訣。それは、他人の力を借りることです。

他人の力を借りると言っても、自分は夫に思ったことを伝えられないので私の代わりに言ってやってくださいと、他人に頼むわけではないです。それでは、キリがないですよね。他人の力を借りるというのは、自分より上手くやっている人を頭の中でイメージして、その人の力を借りるということです。

例えば、これから話し合いをしようと思っているとします。しかし、いつも我慢してなかなかハッキリ自分の意見を伝えることが出来ません。そこで、TVによく出演している弁護士が、いつも思ったことをズバズバ言っている…ということがあれば、その弁護士のことを話し合い前にイメージするのです。

イメージをすることの図解

具体的にどう実践する?

イメージすると言ってもどうやって?と思うか知れませんが、難しく考える必要はないです。

その弁護士が、自分の言いたいことをズバズバ、夫に言っているところをイメージするのです。

このようにイメージすることで、現実の世界でも話し合いで、自分がハッキリとモノを言うと言うことが出来やすくなります。

もちろん、イメージするのは芸能人である必要はありません。身近な友人でも良いですし、小説などに出てくる登場人物でもかまいません。

実証

イメージだけをすれば、自分でもズバズバものを言えるようになる?そんな馬鹿な…と思うかも知れません。

もちろん、サラッとイメージしただけで、全くそのイメージした人物と同じ言動がとれる訳ではありませんが、それに近づくことは可能なのです。

事実、ナイメーヘン・ラドバウド大学のDijksterhuis博士らは次のような実験を行い「他人のイメージが自分の振る舞いを変える」ことを証明しています。

論文
出典:AmericanPsychologicalAssociation

博士はまず、被験者に対して、次の3つのどれか1つを指示して5分間じっくり考えさせました。

  • 1.大学教授とはどんな人か?その仕事、ライフスタイル、風貌などをどんどん書き出してください
  • 2.秘書とはどんな人か?同じく、仕事やライフスタイルなどを書き出してください
  • 3.何もさせない

この3つの指示の内1つをやってもらい、その後、いろいろな一般知識を問うテストをしてもらいました。例えばバングラディシュの首都は?などの問題です。

もしもし被験者は同じくらいの学力レベルであったにもかかわらず、1の指示を出されたグループが一番成績がよくなったのです。

実験の結果についてのグラフ
この実験は、事前に頭のいい人を想像したら、それにふさわしい行動がとれるようになったということです。

今回の実験で示されたとおり、5分ほどイメージをするだけで、実際にイメージした人物のような行動を自分もとれるようになっていきます。全く同じとは生きませんが、それでも、イメージした人物に近づくことは十分可能なのです。

実は、類似の実験は多数あり、老人をイメージすれば、その後、無意識のうちに自分が猫背で歩くようになったりしてしまいますし、馬鹿な人をイメージして、その後、テストを受けると実際に点数が下がるなどのことも証明されています。

体験談『怒鳴る旦那が怖くて、言いたいことを言えない』

夫婦やりなおし相談室のご相談者様から、ブログ読者の方に少しでも役に立てればということで自分の体験談を話してもらえることになりました。ここで紹介しておきます。

萎縮していた自分

夫がいつも怒鳴るので、妻である私はいつも何か自分がしてしまわないかおびえていました。

以前も「もう、なんでこんなに子供が父親に話しかけないのだ」と、子供との会話がないことを私の育てられ方のせいにされ怒鳴っていました。私としては「それはあなたが、いつも子供に頭ごなしで怒るからだ」と言い返したいのですがただ黙って頭を下げるばかりでした。

言い返せない自分の図解

コミュニケーションを変えてみる

自分が萎縮してしまうことは以前から自覚しており、深く落ち込んでいました。夫婦やり直し相談室で、このことについて相談して、コミュニケーションの方法を変えればどうにかなるのではないか?と思いました。そして、コミュニケーションの方法や自己主張の仕方を教えてもらったのですが、やはり自分は何も癒えないままだったのです。勉強しているときは「よし、これで大丈夫」と思うのですが。。

内面の変化に取り組む

でも、「問題は、外側の技術だけではなく、内面にもあると思いますよ」と、指摘されて、会話前にイメージを使うという方法について教えてもらいました。いくつもコツがあるので、全部はここで書き切れないですが、最も重要なのは「誰をイメージするか」という点だと思います。

私は、自分の母親が割とズバズバとものを言う強い女性でした。そこで、次回の夫との会話で、母親のイメージを持ってみることにしたのです。

初めての自己主張

最初はそれでも、以前のように萎縮してしまうこともありましたが、母親のイメージを心に留めるうちに、少しずつ変わり始めました。

「それは違うよ。私はこう思うんだ」と初めて夫の意見と異なる言葉を投げかけたとき、自分の勇気に驚きました。夫は少し驚いて不機嫌な顔をしましたが、それも気にならなかったのです。

対等な関係になれた

今も、会話前は相談室で習った手順でイメージを繰り返して会話に臨んでいます。以前よりも自分の意見をしっかりと述べることができるということを実感しています。最初不機嫌だった夫もそれに少しずつ慣れ、怒鳴ることが減っていきたと思います。

ようやく、夫婦対等になれたように思います。

夫に言いたいことを言う際の注意点

ここでは今まで言いたいことを言う際の注意点についてお伝えします。イメージの力は重要ですが、次のような基本事項も抑えてください。

参考ページ: 5 Tips on How to Communicate Your Needs in a Relationship

自分の言いたいことを確認する

「夫に自分の言いたいことをいうぞ」と思って、それを行動に移そうとする前に、まずは自分が何を言いたいのかを整理しておく必要があります。それが整理できていないと、いざ気持ちや考えを伝える機会が訪れても、何も話すことができないですよね。

「どのように伝えるか」は大切ですが、それ以上にまずは「何を伝えるか」を明確にする必要があります。
何を伝えるのかについて

話しをする時間と場所を確保

まとまった意見や考えを伝える場合、あらかじめ夫に対して予告して、適切な時間をとってもらう必要があります。例えば「今度、育児のことについて私の考えを聴いて欲しいので時間をとって欲しい」という具合です。

このように、時間と場所を確保した上で話しを進めていきましょう。仮に、それをしなければ、夫が忙しい時間帯に声をかけてしまうかも知れません。そして、話しを聞いてくれないということがあると、余計落ち込んでしまいますよね。

ですので、事前の時間と場所の確保が大切です。

非難にならないようにする

自分の気持ちや考えを伝えるぞという意気込みが強すぎて、つい相手のことを非難してしまうということがあるかもしれません。しかし、それは建設的な話にならない可能性が高いです。

なので、極力、相手への批判にならないように注意してください。もし、相手の問題点について伝える必要があるのなら、相手の人格や人間性、性格などのことについて指摘するのではなく、具体的な行動に絞って伝えるようにしていきましょう。

気持ちを率直に伝える

自分の気持ちを十分に表現する事が大切です。「私はどう感じているのか」「私はどうして欲しいと思っているのか」というように、自分の気持ちや考えを十分に表現するようにしてください。「これを言わないでおこう」という項目が増えるほど、相手から「何が言いたいのか分からなかった」と思われることがあります。

まとめ

人というのは、自分のイメージしたことにどんどん影響されていくようです。そこで、あなたも自分の意見をいつも我慢して、口をつぐんでしまうと言うことがあるのなら、ズバズバと発言している有名人や友人などをイメージしてみましょう。それだけで「言いたいことを言える自分」に変わることが出来ます。

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よくあるご質問

ここでは『夫に言いたいことが言えない!我慢を重ねてしまう自分を変える方法』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

夫への不満の切り出し方

【Question】
実際に夫に今まで自分が思っていた不満を伝えたいと思っています。どのようなことに注意して進めればいいでしょうか?

【Answer】
やはり事前に伝えるメッセージを紙に書き出した方がいいです。その方が、客観視できますし、表現内容など吟味することができますよね。なので、まずは紙に書き出すということから進めてみてください。

言いたいことをいえないので不満が爆発しそう

【Question】
これまでずっと不満を言えないできました。今後も伝えられるか不安です。しかし、自分の中でたくさんの不満がたまってしまい、爆発しそうです。どうすればいいでしょうか?

【Answer】
言いたいことを直球で伝えると、相手も自分が批判されたと思って怒りになり、結果として反発が返ってくるということになりがちだと思います。しかし、言い方はいくらかでも柔らかい伝え方ができますし、相手にメッセージを伝えるタイミングや伝える媒体(口頭・手紙・LINEなど)も調整できます。

そのような事に配慮して、反発が最大限、防ぐことができるのではないか?という形で伝えてみるのはどうでしょうか?

このままずっと我慢し続けていると、やがて嫌みなど、何か別の形で不満が出てくることになると思います。そうなると夫婦関係にもマイナスになりますよね。思っていることを伝えることは、お互いのためになるので、検討してみてください。

言いたいことを言い合える夫婦になるには?

【Question】
今までは「自分が我慢すればいいや」と思って、あまり言いたいことを言ってきませんでした。ですが、言いたいことを言い合える夫婦になることは今の私の目標です。どうすればいいでしょうか?

【Answer】
いきなり「言いたいことをバンバン言う」というように変えることはできないかもしれません。しかし、少しずつその理想に近づいていくということは十分可能です。

例えば「今日から1日1個。小さな事でいいので、言うか言わないか?迷ったら『言う』という選択をする」と決めて臨んでみてはどうでしょうか?毎日の決断の繰り返しで、自分が変化し始め、結果として夫婦関係も変わっていきます。

率直に発言したら怒られる

【Question】
言いたいことを言おうと思い、感じていることを相手に率直に伝えていたら、怒られるようになりました。そして、夫婦喧嘩が絶えないのですが、どういったところが間違いとして可能性があるでしょうか。

【Answer】
言いたいことを言うといっても、例えば「あなたは、性格が悪いように思います」のように伝えることは適切ではありません。率直に思ったことを伝えると言っても、それが相手の攻撃のようになっている場合、喧嘩になります。率直に伝えることは大切ですが、そのことを相手がどう受けとめるのか?という思いやりの気持ちも大切です。そのバランスを保つようにしていきましょう。

お金の話題を旦那にいえない

【Question】
私は結婚して数年が経つ30代前半の主婦です。最近、お金に関する話題を旦那に上手く伝えられないという悩みが増えてきました。

私たちの家計は旦那が管理しており、日常の出費や予算に関することは彼の判断で進められています。私自身も仕事をしているので収入はありますが、それに関する話題もなかなか出しにくく感じます。

特に、家計に関する要望や予算の再検討、将来の貯蓄についての話をしたいと思っても、どう話を切り出すべきか、また旦那がどのように受け取るのかが不安で、結局言葉にできずにいる状態です。

【Answer】
お金に関する話題は、多くの夫婦にとってデリケートな問題となります。そのため、感情的な問題にも発展してしまいます。お金のことを話しにくい原因も、そのあたりにあるのではないでしょうか?

ただ、あなたも家庭の一員として、お金に関する意見や要望をしっかりと伝える権利があります。なので、落ち着いて伝えていきましょう。(続きは音声でどうぞ)

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