家庭内別居という言葉からあなたはどんなイメージを持ちますか?

同じ屋根の下に住みながら口もきかない、
夫婦としての愛情も冷め切っている。

そんな関係ならとっとと離婚してしまったほうがいいのにと
考える方もいらっしゃるかもしれませんね。

知り合いのご夫婦はただ今、家庭内別居中です。
しかし、私の目から見て家庭内別居をする前よりよっぽど関係が良くなっているように見えます。

ご主人も奥様も60代という熟年夫婦です。
ご主人の浮気が発覚してからお二人の仲は最悪でした。

ご主人は浮気相手とは別れ、
奥様に謝罪されましたが奥様はどうしても許せずにいて。

「私が何にも知らないで子育てしていた時に
あの人は他の女と楽しくやっていたなんて許せない」

奥様は夜も眠れず不眠症となってしまいました。

その傍らでご主人がグーグー寝ていたりすると
たまらなく怒りがわいてきて夜中であろうと明け方であろうとたたき起こして

「私が眠れないのになぜあんたが寝ているの!」
「こんな風になったのは誰のせいだと思っているの!」

気持ちよさそうに寝ているご主人の首を
思わず絞めてしまったこともあると告白してくれました。

自分でも精神的におかしくなっていると苦しんでおられて。

「お金さえあれば今すぐにでも離婚したい」
これが奥様の口癖でした。

でも現実はやっとローンも終わったところ。
自分も還暦を過ぎて、パートには出ているけれど今更一人で生きていくには経済的不安が大きいと。

そんなお二人がとったのは家庭内別居でした。
寝室は別々。

ご主人は自分の部屋は自分で掃除をする。
それ以外は奥さんが掃除をする。

買いものはご主人。
食事の支度は奥さん。

洗濯物と食器をはそれぞれが自分のものを洗う。

家庭内別居をシェアハウスのようにとらえてみたということです。
お互いの境界を犯さない。

少し距離を置くことで今まで近づきすぎて見えなかったお互いのありがたさ、
何かをしてもらった時の感謝の感情が生まれてきたようです。

冷蔵庫にはいつも食糧を切らさないようにご主人が買い出しをして、
奥様はその食材を使って3食きちんとご主人の分も料理を作りました。

家庭内別居することで、お互いに夫婦ではなく他人に対する礼儀や礼節を持てるようになりました。

少なくとも家庭内別居前の同じ空気を吸うのも嫌、
目の前から消えてなくなってほしいという感情は奥様のほうから消えました。

家庭内別居と言えば、理想的とはいえませんし、
どの夫婦でも、そうなるとは言えませんが、

家庭内別居も適切に行えば、
気分をリセットするには役に立つのかも知れません。