親が高齢になり介護が必要になることがあります。そして、介護のために別居をすると、今度は夫婦関係が悪化し離婚問題に発展することも。今回はそのようなケースを取り上げ、具体的な対応割くなど解説します。

親の介護のため別居になるケースとは?

親の介護のために別居になるケースとはどのようなことを指すのでしょうか?結婚後、親が高齢になると介護が必要になることがあります。そして、介護をするためには、自分の住んでいる家から実家に移ることになり、結果として夫婦が別居になります。これが親の介護のために別居になるケースです。このケースの場合、夫婦関係が薄れ、離婚問題に発展することがあります。
介護のイメージ

介護のための別居が、離婚問題に発展する理由

ここでは、介護で別居になったあと、離婚問題に発展しやすい理由についてお伝えします。

理由についての図解

コミュニケーション不足

介護に伴う別居で、夫婦間のコミュニケーション不足を引き起こされることがあります。そして、それが離婚問題に発展する理由の1つです。介護を行う夫婦のどちらかがその責任や負担を背負い、パートナーと関係を維持するための時間やエネルギーが不足しがちです。最初は小まめに連絡を取っていたとしても、だんだんその頻度が落ちてきて、コミュニケーション不足に陥るなどの経緯が一般的です。
共有時間の不足についての図解

介護疲れによるストレス

介護疲れによるストレスによって離婚問題に発展することもあります。介護疲れは、長期にわたり高齢者や障害者の世話をおこなうことで、精神的、肉体的に疲労が蓄積されることにより生じます。これらのストレスが、夫婦関係にマイナスの影響を与えます。介護をしている人に気持ちの余裕がないため、パートナーに対して怒りをぶつけてしまうなどのことが生じます。結果として夫婦間の溝が深まることになります。

補足解説

自分の大切な人を献身的に介護しようと思う、自分のニーズを無視して、犠牲になってたしまうと、次第に介護疲れ理を感じることがあります。場合によっては感情的な繋がりが損なわれ、恨みや孤独感に発展してしまうことも。その他、志郎が継続していたり、苛立ちが出てくる場合は、介護による燃え尽き症候群の可能性もあります。
参考:Caregiver Burnout in Relationship: Symptoms, Causes & Treatment

寂しさ

別居になることで、自宅に残った方が寂しさを感じるということがあります。そして、その寂しさが離婚問題に発展する理由となります。一人の配偶者が親の介護のために別居すると、必然的にもう一方が自宅に残ることになります。この別居により、自宅に残った配偶者は日常のパートナーとの共有時間が減少し、孤独感や疎外感を強く感じることがあります。以前は一緒に過ごしていた時間がほぼなくなってしまい、情緒的なつながりや支えが欠け、「これだったら離婚した方がマシだ」のような判断に繋がります。
寂しさについての図解

補足解説

結婚しているという状態が必ずしも孤独の特効薬になるわけではありません。お互いに話をしなくなったり、夫婦生活がなくなったりなどのことがあると、やはり孤独を感じるものです。また、人は結婚生活に不満が大きくなったり、多忙なスケジュールなどによって、結果として孤独を感じるということもあります。
参考:What to Do If You’re Married but Lonely

実家のことを優先されたと感じる

自宅に残った配偶者が、パートナーが実家を優先していると感じることで、離婚問題に発展することがあります。一方の配偶者が親の介護のために自宅を離れると、自宅に残った配偶者は、パートナーが自分や家庭よりも実家の親を優先するのか…と感じ離婚問題に発展することがあります。被害者意識のようなものではありますが、本人は「自分の家庭を第一に考えて欲しい」という思いがあるからこそ生じてしまいます。

別居後でもできる離婚回避の対応

介護のために別居になったあと、離婚問題に発展することがあります。ここでは、その離婚を回避するための方法について解説します。

対応についての図解

自分の心を落ち着かせる

自分のメンテンナスはもっとも基本になる重要なことの1つです。介護疲れが大きくなっている場合、離婚問題に対応しようとしても、すぐに悲観的な気持ちになってしまうからです。具体的には、ウォーキングをする、森林浴を兼ねて山に上ってみる、友達とランチに行ってみるなどのことです。身近なことでできる事を進めてください。

共有時間の確保

離婚問題がどこまで進んでいるのかによって、とれる対応は異なりますが、可能であれば定期的な共有時間を確保することが重要です。別居により物理的な距離が生じると、夫婦間の日常的な会話が減少する傾向にあります。このコミュニケーションの断絶が関係の疎外感を生みます。そのため、まだ離婚問題が小さい内に、定期的なコミュニケーションを再開をするようにしてください。こうすることで問題が大きくなるのを防ぐことができます。

テレビ電話

どうしてもパートナーとの共有時間を持つことが困難な場合は、GoogleMeetやZoomなどのテレビ電話サービスを利用したコミュニケーションをとるようにしてくださいす。物理的な距離があるため、場合によっては簡単に共有時間をとることが難しいためです。テレビ電話であれば、夫婦は顔を見て話すことが可能になり、メールやラインなどと比較して、より深い感情的なつながりを維持しやすいです。

介護についての話し合い

離婚問題がより深刻担っている場合、「介護の仕方についての話し合い」をする事があります。施設に預けることを決めたり、転居して同居を再開する、両親を自宅に連れてくるなどのことです。こういった介護の負担をどう今後、夫婦で乗り越えるのか?といったことについて話し合いをおこないます。相手がこういったことを完全に拒否している場合は、更に別の対応を考えることになりますが、そこまで離婚話が進んでいない場合は、介護負担のことから話しを進めていきます。

補足解説

親の介護は夫婦関係に負担を与える可能性があります。例えば、介護によってコミュニケーションの不足が生じたり、ストレスや疲労から相手に対して不満をぶつけるなどのこともあるかもしれません。こういったとき、介護に対しての考えや思いを共有したり、話し合いをすることが需要です。た、話し合いは定期的におこなうことも忘れないようにしてください。
参考:11 Ways to Keep Your Marriage Healthy While Caregiving

体験談『親の介護で、離婚問題になる』

ここでは、夫婦やりなおし相談室にご相談頂いた方から、ブログ読者さんの為に役立てばと言うことで体験談を送ってもらいました。紹介しておきます。

親の介護が突然始まる

母が突然倒れ、突如として介護が必要になりました。母のために何かをしなければという強い思いから、私は実家に戻り、責任を担うことになったのです。しかし、このことがきっけかけで、私たち夫婦は関係が悪くなりました。
実家に戻り親の世話をするイメージ

別居後、夫が不満を蓄積

夫との別居が始まり、彼は急に家事を一人でしなければいけなくなりました。そして、家事の負担と同時に寂しさも合ったと思います。夫がこういったことに次第に不満を持ち始め、介護もいつまで続くのか分からない状況に次第に、心が疲れていったのだと思います。私も同様に、介護疲れで、夫のことを気遣う余裕はありませんでした。

離婚の要求がある

苦しんだ夫は、ついに離婚を要求してきました。「これ以上は、今の生活は続けられないし、離婚した方がお互いのため」といってきたのです。これはまずいと思い、私は夫婦やりなおし相談室に相談しました。そこでアドバイスを受け、私は介護の状況と私たちの夫婦関係について話しました。「理解を得られるまでは何度も話し合いを継続する必要がある」と言われて、何度も話し合いました。そして、私の介護への考えも次第に理解してもらえたと思います。

転居することで解決

最終的に私たち夫婦は、共に母のいる実家に転居するという事に決まりました。別にこれが唯一の正しい解決策ではないです。しかし、私たちの場合はという限定ですが、こうすることが夫婦の不満なく、私の希望も叶えることができる方法だったと思います。想定外の展開でしたが、今ではこの判断が正しかったと思っています。

まとめ

今回は、親の介護で別居になり、その後、離婚問題に発展したと言うことについてお伝えしました。その他、離婚回避のための方法は、専用ニュースレターを確認してください。

よくあるご質問

ここでは『親の介護のため別居』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

親の介護を巡る夫婦喧嘩

【Question】
夫と親の介護のことで頻繁に喧嘩をしてしまっています。私の母が高齢で介護が必要になり、私はできるだけのことをしたいと思っています。しかし、夫は私が母のことにかかりきりになることに対して不満を持っており、その結果、夫婦喧嘩になります。私は母の介護を自分で行いたいと思っていますが、夫は介護サービスや施設の利用を提案しています。私は母にできる限り自宅で過ごしてほしいと考えていますが、一方で夫婦の時間が短くなってしまっていることも事実です。夫も家事の負担などが増えたと思います。どのように解決すれば良いのか、答えが見つかりません。

【Answer】
ご相談いただきありがとうございます。介護というのは、家族にとって非常に複雑な課題なので対応が難しいですよね。

ただ残念ながら、この状況に対する唯一絶対の解決策は存在しないかもしれません。むしろ、どういう対応策を検討するとしても、この問題を通じて、夫婦関係の絆を深める機会として捉えることが重要です。子供としておやのかいごをしたいという気持ちもあると思いますが一方で、夫婦関係のバランスをとることも大事です。両方大事ですが、これは夫婦が成長していくための1つの課題だと思って取り組むことが肝心です。

最初の一歩として、ご主人に対して夫婦としての時間も大切に思っていること、そして同時に、母親の介護においても後悔のないよう行動したいという気持ちを率直に伝えることからはじめてみてください。

介護で別居になり、夫が不満

【Question】
私の母が高齢で介護が必要になったため、母と同居することにしました。しかし、夫とは別居になったため、夫婦関係に亀裂が生じてしまいました。夫は、私が母との同居を選んだことに対して不満を持っています。今までは夫婦で過ごしたい多時間もあったのですが、介護で別居になったため、そういったことが激減したことが理由です。しかし、私は母の世話をすることが重要だと考えています。どうすれば夫に理解してもらえるでしょうか?

【Answer】
ご相談いただき、ありがとうございます。夫に理解してもらうためには、まず、介護の状況やそれに対しての自分の考えを伝え、対面での率直な話し合いをすることが重要です。また、夫の不満や懸念について話をしてもらうように促し、耳を傾け、お互いが心配なく介護に臨めるようにしてみてください。「いや、そんなことは難しい」と思うかも知れませんが、今、この労力をかけておかないと、将来的にはもっと大きな問題、例えば離婚問題に発展する可能性があります。今、取り組んだ方がずっと楽に問題を解決できると思いますので、大変だとは思いますが、ここは先手を打って行動に移していきましょう。

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