夫婦喧嘩の末に、夫が家出してしまうということはありませんか?数時間で戻ってくるのならともかく、数日、数週間と時間が経過すると不安も大きくなってしまいますよね。そこで今回は、夫婦喧嘩して家出した夫への対処方法や注意点などについて解説します。
夫婦喧嘩して家出する夫の心理
夫婦喧嘩をしてしまい、そのまま夫が家出をしてしまうということがあります。そのような場合、どういった気持ちが夫の中にあるのでしょうか。ここではその心理を整理しておきます。
1.投げやり
丁度、夫婦喧嘩をして出て行ったところであれば、本人の気持ちはとにかく衝動的。どうにもでなれ…という気持ちも一部あるかも知れません。そのため、家出をしてしばらく時間を過ごすことがあります。ただ、こういった気持ちは一定時間が経過してくると自然に沈静化してきます。
2.許せない
相手のことを許せない気持ちが大きく占めることもあります。この気持ちは短期間で解消される場合もありますが、ずっと残り続けると言うこともあります。比較的長く続く場合は、家出につながります。また、許せない気持ちが長く続くかどうかは、夫婦喧嘩の頻度や内容などによって異なってきます。何度も夫婦喧嘩が繰り返された後であれば、以前の怒りも再燃して「もう許せない」という気持ちが大きくなることがあります。
3.自分は正しい
間違っているのは相手で、自分は正しいと思ってしまいます。この正しいとていう気持ちが強いほど、家出から帰ってこないという要因にもなりやすいです。
4.自分の事を分かってくれない
自分の意見や気持ちは分かってもらえないという諦めの気持ちから夫婦喧嘩後に家出をしてしまうと言うことがあります。
夫婦喧嘩して家出した夫を放置するリスク
「家出をした夫のことなど、もう放置しておこうか」という気持ちにもなってしまいがちです。ただ、本人を放置しておくといろいろなリスクも生じてきますので注意してください。具体的にどのようなことがあるのか以下に整理しています。
帰ってこない
こちらが「もう放置しておこう」と思っているのと同様に、相手も「もう知らない」となって、そのまま自宅に戻ってこないということがあります。これが数日ならともかく、数週間、数ヶ月と時間が経過しすぎていくと相手が「もう体裁的にも戻りにくい」という気持ちが出てくることもあるので注意が必要です。
連絡が取りにくい
放置してしまうと、相手が機嫌を更に損ねて連絡が取りにくくなるというリスクが生じます。連絡が取りにくいと、仲直りすると言う機会がとれないことになるので、家出期間が長くなってしまうこともあります。
義理実家に悪く思われる
家出した先が夫の実家などの場合、そこで妻の悪口を言われるということもあります。そのようなことがあると、義理のご両親との関係が悪くなったり悪く思われたりすることがあります。
夫婦喧嘩して家出した夫への対応
もし夫婦喧嘩後、夫がそのまま家出してしまった場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。ここでは、そのことについて詳しく解説します。
家出した夫との連絡
夫婦喧嘩のヒートアップ度にもよりますが、本人が少し落ち着いたと思われるタイミングで連絡を取っていきましょう。そして、自分も夫婦喧嘩の内容を振り返ったとき、非があるのであればそのことについて謝罪も必要です。
リラクゼーションと認知の再構築
自分も夫婦喧嘩によって腹立たしい思いがなかなか拭えないときがあります。そのまま相手とコミュニケーションをとれば、更に夫婦関係を悪くする事につながります。そのため、まずはリラクゼーションと認知の再構築を行います。
リラクゼーションというのは、つまりは気分転換で衝動的な気持ちを落ち着かせることを指します。例えば外をゆっくり歩くなどのことでもかまいません。
衝動的な気持ちが落ち着けば次に取り組むことは認知の再構築(Cognitive restructuring)です。認知の再構築ができることで前向きな気持ちで事態の収拾に取りかかることが可能です。
参考ページ: Control anger before it controls you – APA
夫との話し合い
もし家出のきっかけとなった喧嘩の内容が禍根を残すようなことなのであれば、話し合いも必要です。ただ、前回と同様に喧嘩をして決着を付けるのではなく話し合いという形で進めるようにしていきます。
夫婦喧嘩をして家出をした場合の注意点
夫婦喧嘩をして夫が家出をした場合、注意点があります。それは、相手を無視してはいけないと言う点です。確かに夫婦喧嘩をして感情的になり自分も相手のことを無視したいという気持ちになってしまいます。そして、それは一時的な場合は仕方がないことも多々あります。しかし、それが長期的になってしまうと夫婦関係の修復が困難になるので注意してください。たとえ一時的に嫌いになった相手からだとしても、無視されるという体験は想像以上に傷ついてしまうものです。
実際、ニューサウスウェールズ大学(The University of New South Wales)のLisa Zadro博士らの研究では他人から無視されると自尊心が下がり、自分を意味ある存在だと思えなくなってしまうと言うことを指摘しています。
体験談『夫婦喧嘩して家出した夫との夫婦仲改善』
ここでは、夫婦喧嘩をして家出した夫と夫婦関係を改善した体験談を紹介します。ご相談者様より、ブログ読者様のために預かっておりますのでここでお伝えします。
1.夫婦喧嘩で外泊が増加
夫とは喧嘩になるといっても口論になることは少なかったです。怒ると無視されるので、それが数日から数週間続くことがありました。それがとても嫌だな…とは思っていたのですが、大声で喧嘩になるよりは良いかなと思っていました。
昨年もつまらないことで口論になり、そのまま無視されることに。内容は夫が家事を手伝ってくれるのですがそのやり方についていろいろ揉めてしまって…。家事のことで夫婦喧嘩になったのは数度目なので、さすがに夫も我慢の限界が来たのか帰宅時間が遅くなりました。最初は心配して電話を何度もしたのですが、それが災いしたのか今度は外泊することが増えていきました。
2.外泊から家出に発展
外泊して自宅に帰ってきた夫に対して、大分責めました。当時子供も小さかったのですが、そういったことを夫が放置していたので「機嫌が悪くなれば自宅の込みとをほっぽり出せば良いのだから楽だよね!!」などのようなことを大分言ってしまったと思います。
別の日に勢いで「この結婚は間違いだった」などのことを伝えてしまい、夫はそのまま家出をしてしまいました。最初はそれでも「また朝には戻ってくるだろう」と思っていました。しかし、その後も戻ってくる様子がなく…。このあたりから「言い過ぎてしまったかも」という焦りが出てきました。
3.離婚になるかもという後悔
一日一日、家出をする期間が長くなるにつれて「離婚になるかも」という気持ちが大きくなりました。連絡も取れませんし…。会社に行っているのかどうかは分かりませんが。実家にいるのかな?とは思いますが、私があまり夫の実家と仲良くなく連絡を取るのがはばかられる状況でした。きっと実家では私の悪口を義理両親含め3人で言っているのだろうと思うと益々連絡がとる気になれませんでした。
4.認知の再構築に取り組む
一方、私自身の感情は、もうある程度気持ちが落ち着いていました。しかし、喧嘩した内容について自分が間違っていたとは思えず、やはり相手がおかしい、夫が反省すべき事が多々あると思っていました。
夫婦やりなおし相談室の後藤さんに相談すると、相手に対して怒りや不満がある状態で夫婦関係の修復に取り組むと逆こうになることもあること。そして、それを建設的で前向きな気持ちに変えるための『認知の再構築』に取り組むことになりました。
どうせ今、夫に電話や連絡をするのは難しいので、先に自分のことから取り組むことにしたのです。
5.問題の見方が変わる
これまで自分は夫が悪者だと思っていました。特に今回の一件では。しかし後藤さんと認知の再構築に取り組むことによって、次第にその考えが変わっていったと実感しています。不思議とこれまで鬱々としていた気持ちが晴れ、自分が何をすれば良いのかハッキリと分かったんです。
6.迷いがなくなる
認知の再構築を行ってからは迷いがなくなりました。どう相手に関わっていけば良いのか、自分が何を告げ、何を解決すれば良いのか。それらのことがストンと腑に落ちたのです。その後、1ヶ月ほど待たなければいけませんでしたが、相手から連絡がきました。用件的なことで必要があってです。ですが、そのときに用件の返答と同時に、ハッキリ分かったことを伝えることができたんです。
7.話し合いの機会
結局、相手はぶつぶつと怒りながらも1回だけならということで、話し合いの機会を持つことが出来ました。そこで自分の思い、私達が喧嘩になってしまう理由など、これまで考えを整理したことをハッキリ伝えることが出来たんです。夫は当然、そこまで考えていなかったと思いますし、私がそこまで深く考えていることにも驚いていたと思います。
夫としては私の考えに反論出来なかったということもあるのですが、一度、同居に戻して良いと言うことになり、いまはそのまま喧嘩になることもほとんどなくなり元よりも良い生活になりました。喧嘩を繰り返しているのであれば、一度は自分の事を振り返ることからはじめるのが大切だと思いました。
夫婦喧嘩して夫が家出した場合の留意点
夫と喧嘩をしてしまい、そのまま家出をしたという場合の留意点についてお伝えします。
時間をおけば良いとは限らない
夫婦喧嘩をしてしまったので、しばらく時間をおこう…と考えてしまうことも多いのではないでしょうか?そして、それは時に正しいときもあります。しかし、時間をおくことでかえって状況を悪くすることもあります。この判断は非常に難しいため、思い込みだけで判断しないことが大切です。
率先して行動する
夫婦喧嘩になってしまうと、相手に対して働きかけることが億劫になることがあります。どうせ怒っているだろうから自分から声をかけるのはやめておこう…というように。しかし、今回お伝えした事例のように、自分の事からでもいいので行動を起こすことが大切です。待っていても状況が変わらないからです。率先して行動することを忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は、夫婦喧嘩をして夫が家出をした場合の対処方法や事例などについてお伝えしました。その他、夫婦喧嘩や家出のことについての具体的な対策は夫婦関係修復ニュースレターで公開しています。下記のフォームより登録できます。今なら無料で購読いただけます。
よくあるご質問
ここでは『夫婦喧嘩で家出した夫!仲直りして、また自宅に戻ってもらうには?』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。
夫が許せません
【Question】
夫婦喧嘩した内容は些細なことかも知れませんが、毎回自分が正しいという夫のことが許せなくなってしまいます。自宅を出て行ってしまいましたが、もう戻ってこなくてもいいとさえ思ってしまいます。どうすれば良いでしょうか。
【Answer】
しばらくはまだその気持ちが続いてしまうかも知れません。ですがその衝動が収まったら一度、連絡が取れる内にしてみてはどうでしょうか。その間、自分の衝動的な気持ちが静まることを目指してみてください。連絡を取ったとき、感情的に勢いで発言してしまっても良くないですよね。そして、連絡をとる時には自分が何を伝え、何を提案するか一度、紙に書いてから伝えるようにしてみてください。その方が、きっと落ち着いて話が出来ると思います。その他、やるべき事はいくつかありますが、夫婦関係修復ニュースレターが参考になると思います。ぜひ無料購読してください。
結婚生活で生じた相手に対しての怒りに対処するには、その怒りの根源をまずは確認することが大切です。いつから、どのようなことで不満を感じるようになったのか。そのことが明確になった方が、その不満や怒りに対処できるようになります。また、問題点や不満な点ばかりに注目するのではなく、よくしてくれたことなどプラスの出来事や相手の性質などに注目することも大切です。
参考:HOW TO OVERCOME BUILT-UP RESENTMENT IN MARRIAGE
関連記事
ここで「夫婦喧嘩で家出した夫」に関して関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで、より知識を深めていただけます。
出ていけと言う夫
夫婦喧嘩や様々な不満から、夫が「出ていけ」と怒ってくることがあります。このような時の相手の心理や、どう対応すれば良いのかについて解説します。詳細は下記よりどうぞ。
参考ページ:旦那が出ていけいう!相手の心理や適切な対応などを解説
家出をして連絡がない
夫が家出をして、その後、連絡が取れないと言うこともあります。その場合はどうすれば?詳細は下記の記事でどうぞ。
参考ページ:夫が家出をして音信不通。これからどう対処すれば良い?
お互いに無視
夫婦喧嘩をして、その後気が収まらず、お互いが無視してしまうと言うことはありませんか?そのような場合の対処方法について解説します。
参考ページ:夫婦喧嘩をしてお互いに無視!この状況の影響や解決策など解説
何度も夫婦喧嘩
繰り返し夫婦喧嘩をしてしまうということはありませんか?その場合の対処方法について解説します。
参考ページ:夫婦喧嘩が繰り返されて困る!喧嘩が頻発する原因と対策
家に戻ってきた
自宅に戻せって来た夫。でも、この後、どう接すれば良いのか?何だか気まずいんだけど。こういった気持ちになってしまいがちですが、具体的な接し方や注意点など解説します。