パートナーから「離婚したい」などと言われると、非常に大きな緊張感が漂います。

「もう手遅れなのではないか?」とか「あまりにも突然のことでショックで動けない」など、どう離婚危機を乗り越えれば良いのか迷っていこともあると思います。

そこで、今回は、まず自分達夫婦がどの程度、離婚危機の状態に陥っているのか客観的に診断してみましょう。そして、離婚危機に陥っている可能性があると判断した場合は、初動や今後の対処方法などもじっくり読んでみてください。

ご相談者様ご相談者様

私も今、夫婦関係がどの程度の状況なのか?一度、確認したいと思っていました。

離婚危機を乗り越える方法とは?

離婚危機を乗り越える方法とは、夫婦が離婚問題に直面したとき、とれる対策・手段・知識などの総称です。どういった対策や手法をとれば良いのかというのは、置かれている環境や相手との関係性によって異なります。これさえやれば、どんな離婚危機でも乗り越えられるというものは存在しないため、現在の状況を踏まえて、対策や手段を選定する必要があります。

定義についての図解

離婚危機を招く要因

離婚危機は様々な要因によって生じます。ここではどのような種類の要因が離婚危機を招くのかお伝えします。

要因についての図解

不貞

不貞とは、浮気や不倫などの問題です。夫婦のどちらか一方が不貞をしている場合、これは離婚危機を招く要因となります。不貞関係は、数年に及ぶ長期的なものから、風俗などその場限りのものまで様々なものがあります。どちらかというと前者の方が離婚危機の要因としては大きくなります。

別居

別居は、夫婦のどちらか一方が自宅から距離をとり別の住居で生活の基板をおくことです。別居になることによって、物理的距離が生じ、普段あまり連絡をとらないという状態が続くことが多くなります。そうすることによって心理的距離ができてしまい、結果として離婚危機を招く要因となります

単身赴任

単身赴任とは、表面的に別居と似たところがありますが、会社の都合などによって違う場所に住んでいるという点が別居と異なります。最初は夫婦関係の悪化から単身赴任をしたわけではなくとも、物理的距離ができてしまうことで相手と疎遠になっていきがちです。

夫婦喧嘩

夫婦喧嘩は、様々な理由によって感情的な葛藤が生じることです。「言い方が悪かった」、「教育方針が異なる」、「義理両親との関わり方に対して考えが異なる」など、様々なことがきっかけで夫婦喧嘩に発展します。

また、夫婦喧嘩は短期間で収束するものと、数週間、数ヶ月の冷静を招いたりするものとに分かれます。広視野の方が離婚危機の要因となりやすいです。

会話が不足

元々会話がほとんどないという場合、これも離婚要因になり得ます。お互い仕事が忙しく、そもそも顔をあわせる機会がないという場合や喧嘩になるので口を利かなくなっていった場合など様々です。

会話が不足していると、次第にお互いが自分中心の生活を送りやすくなり、結果として「離婚した方が良いのではないか」という話になっていきやすいです。

離婚危機を乗り越えるられるかのチェックリスト

ここでは、離婚危機を乗り越えられるのかどうかを簡単に確認するためのチェックリストをつくりましたので紹介します。YesかNoで答えていきます。Yesの数がいくつ該当したかをカウントしておいてください。何個Yesがないとダメかという訳ではありませんが、多いほど離婚危機を乗り越える準備が整っているといえます。

相手と会話をしたいか?

もし、自分が離婚危機を乗り越えたいと考えているのなら、自分の心の中に「相手と会話したい」という思いがなければ事が進みません。例えば、「相手と接するのが怖い」などのような状況の時には、まだ離婚危機を乗り越える方法を行動に移すのは、時期尚早の可能性があります。

衝動的な行動は慎もうと思っているか?

離婚危機を乗り越えようと思ったら、その過程で相手から不満や批判をされることもあります。そのような時、自分が衝動的な行動をとらないようにしたいところです。例えば「もう離婚でかまわない」などのような衝動的な発言があると、状況が一気に悪くなるからです。

正直な想いを伝える意思

自分の気持ちをオープンにすることは、離婚危機を乗り越える上で重要な要素の1つです。例えば、ありのまま話をせず、建前ばかり伝えていたのでは、一切問題が解決に向っていきません。そのため、正直な想いを伝えることを決断する必要があります。これには自分の非をきちんと素直に認めるなどのことも含まれます。

小さな不満は水に流す

離婚危機を回避しようと思えば、ある程度小さな不満は水に流すということも重要です。小さな点にこだわれば、こだわるほど、話が前に進まなくなってしまいます。こういった小さな事で沢山の衝突があれば、パートナーと話をすればするほど、関係性が悪化していくことになります。

これからのことを考えているか

過去の事ばかりにこだわるのではなく、今後の事について話をする用意があるかどうかも重要です。過去の問題にこだわりすぎると、夫婦関係は前に進むことができなくなります。未来のこと、こりからのことにスポットライトをあてれるようにしてください。

行動に移す勇気

良いと思ったことは行動に移すことができるかどうかは、離婚危機を乗り越える上で大切です。「良い話を聴いた」と思うだけで、何も行動に移さなければ、離婚危機を乗り越えることはできないからです。実践する、行動に移す事ができるようになってから、取り組む必要があります。

離婚危機を乗り越えるための初動

ここでは、離婚危機に陥っているかも知れないと感じたとは、一体、どんなことから行動をとればいいのか?次の3つのポイントに絞って解説していきます。

手順の図解

1.相手の様子を観察

基本は何と言っても相手のことを観察です。今まで、あまりパートナーのことを意識していなかったと言うこともあるかも知れませんが、しばらくの間しっかり観察してみてください。

「帰宅時間を観察してみると、以前より遅くなっている」ということに気づけるかも知れませんし、「以前ほどそう言えば笑わなくなった」ということなどにも気づけるかも知れません。

観察のポイント図解

まずは相手の様子を観察することで、今後の方針も立てやすくなるため、少なくとも1週間程度を様子をみてみましょう。

2.日常会話を増やせないか

必ずこうすると言うわけではありませんが「日常会話を増やす」よう働きかけてみることも適切です。それで増えていけば、離婚危機はもしかしたら、こちらの思い込みと言うこともあります。しばらく様子をみてみましょう。

しかし、例えば「話しかけても、避けられてしまう」などのことが起こっているのであれば、ある程度、重症なのだなと判断してもらった方が良いと思います。

3.率直に尋ねる

相手の離婚の意思があるのかどうかは、ハッキリしない場合は、率直に尋ねてみるということが必要なこともあります。ただ「離婚するつもりなのか?」ということを聞くのは少し、抵抗がある…と言うこともあると思います。

なので例えば「最近、夫婦関係ぎこちないと思っているんだけれど、あなたはどう思う?」などのような聞き方をしてもらっても良いと思います。

離婚危機を乗り越えるための対処法

離婚危機を乗り越えるための初動をとってみて「やはり離婚の意思が固そうだ」などのことがあれば、いよいよ本格的に対処していく必要があります。
離婚危機に慌てる
その際に役立つ対処方法は、次の3つです。

相手の話を聴く力

離婚危機を乗り越えようと思ったとき、その期間中、頻繁に必要になってくるのがこの「相手の話を聴く力」です。相手の考えや気持ちをより深く理解することが、今後、的確な行動をとれることにもつながっていくからです。

もちろん、「相手の話を聴こう」と思っても、相手が無視するなどのこともありますが、それでも相手の心を開くための鍵になっていることは事実です。いずれ話しを聴く機会はやって来ますので、今、話しを聴けないでも頭の片隅に留めておいてください。

おおよその見通し

闇雲に離婚危機を乗り越えようと思っても、いずれ行き詰まってしまいます。今後どういう見通しで、進めていくのかをおおよそでいいので立てておきましょう。

もちろん、計画通り事が進むわけではないのですが、見通しがあると途中で自分を見失ってしまうことを防ぐことができます。

これまでのことを振り返る

例えば、夫が今は口を利いてくれないということがあったとても、それはいつ頃からそうなったのか?など、自分なりに振り返る事が必要です。

というのも、今後の対応というのは、ある程度、経緯によっても異なってくるからです。例えば「半年前に喧嘩をして、自分が失言してしまい口を利いてくれなくなった」というのと、「自分の親と夫が喧嘩して、口を利いてくれなくなった」というのとでは、今後のアプローチが大きく変わってきます。

なので、経緯を振り返るというのは、離婚危機を乗り越えるためにも必要な対処です。

小まめに感謝の気持ちを伝える

離婚危機を招いている状態だと、お互いの交流が不足してきていると思います。会話や共有時間が減っていくなどのことです。

このような時の打開策の1つは小まめに関しやの気持ちを伝えていくと言うものです。感謝の気持ちを伝えることで、交流が生まれやすくなる面があるからです。

例えば、たまたま夫が子供の世話をしてくれたということがあったとします。その際「ありがとう」と一言伝えることで、また、次回も子供の事で何か頼める機会が生じるかも知れません。

実際、ペンシルパニア大学Grant, Adam M博士らはネツトで被験者に対して仮想の調査を行いました。

論文『A little thanks goes a long way』
出典:Grant et al. (2010)

そして協力してくれた人の半分には「本当にありがとう」というメールをおくりました。残り半分には送っていません。そして「別の調査にも協力してくれませんか?」という提案をしてたところ、前者の感謝を伝えたグループは66%が応じてくれ、後者の感謝を伝えなかったグループは32%に留まったのです。
実験結果のグラフ
離婚危機を招いているとき、小さな感謝の気持ちから伝えるというのは、初めの一歩としてとりやすい行動の1つになりますので、伝えられそうな機会があれば思い出してみてください。

離婚危機を乗り越えたと判断できる兆候

離婚危機を乗り越えるための対処方法はいくつもありますが、それらをとることによってやがて状況が好転してきます。

ただ、好転したらしたで「一体いつになったら自分が離婚危機を乗り越えたと言えるのか?」というのが判断できないこともあるかも知れません。
離婚危機を乗り越えた判断
相手に直球で「もう離婚のことは考えてないよね?」と伝えても良いのですが、それだと逆に離婚危機を招くことになる事もあります。

例えば「いや、まだ離婚については考えている」と言い始めると、また頑なな態度に戻ってしまうなどのことがあるからです。

なので直球で聞くのはややリスクが高いということであれば、再び相手の様子を観察していきましょう。例えば「帰宅時間が早まっていないか?」「目を合せて会話をしてくれる機会が増えてきていないか?」などのことです。

こういった観察を通して、ある程度判断していくことになります。

離婚危機を乗り越えることが難しいケース

ここでは、離婚危機を乗り越えるのが困難なケースについて紹介します。ただし、困難だから、乗り越えることが不可能ということでありません。さまざまな要因が絡むため、これだけで判断しないようにしてください。

喧嘩の頻度が異常に高い

ほぼ毎日喧嘩になってしまうなどの場合、お互いの疲弊していく速度が高く、勢いで離婚になってしまうことがあります。ただし、この場合、どちらか一方が「喧嘩が頻発するので、それをセーブしたい」という気持ちがあれば、回避できることが多いです。

経済的困難

明日の生活費にも困ってしまうなどの場合、離婚危機を乗り越えることが困難である可能性が高いです。この場合、夫婦関係がどうかというよりも、まずは生活を安定させることに主眼を置く必要があります。そこから立て直していくことで、将来、離婚回避に向けての行動をとることができます。

音信不通

完全に相手と連絡が取れなくなってしまうというケースは、離婚危機を乗り越えることが困難です。この場合、相手と連絡が取れないので、修復のしようがないということになります。そのため、まずは連絡をとれるようにするということが最初の目標になります。

離婚危機を乗り越える上での注意点

ここまで読んで、いよいよ離婚危機を乗り越えるための行動をとろうと考えているかもしれません。しかし、注意すべき点もありますので、ここで整理しておきます。

1.ショートカットしない

離婚危機を乗り越えようと思って行動をする際、つい手間暇かけず、安直に行動をとってしまうということがあります。これは多くの場合、夫婦関係を後退させる要因になります。相手は、こちらが手をかけたのかどうか?たいていは気づきます。

そして、手抜きをしたということが実感できれば、こちらの真意を疑われることになります。「誠実さ」に基盤を置いて、離婚危機を乗り越えるように注意してください。

2.精神的な健康面に配慮

今の離婚危機を乗り越えることは大切ですが、自分の精神的健康を崩してしまったらよくありません。離婚危機を乗り越えるための行動というのは、一瞬そのようにすれば良いということではなく、たいていは継続して行動を続けないといけません。自身が体調を崩してしまったらそれがかなわないですよね?

そのため、自分の精神的な健康面に配慮して、無理のないペースを維持することです。

3.相手の発言に振り回されない

相手との関係が悪化しているときには、時に空いてからひどい暴言を受けるということもあります。そのような場合、落ち込んでしまうこともあると思います。

しかし、相手の発言が全て本人の真意を反映しているわけではありません。場当たり的に、その場の勢いで発言したものも多いものです。相手の発言に振り回されないように注意してください。

まとめ

今回は、離婚危機を乗り越えるための3つのポイントについてお伝えしてきました。離婚の様子がうかがえると動揺も大きいと思いますが、冷静に事を進めるようにしてていきましょう。

それと、離婚の危機を乗り越えるために役立つ「夫婦関係修復ニュースレター」というのが現在、無料購読いただけます。今の内に、下記のフォームから登録しておいてください。

よくあるご質問

ここでは『離婚危機を乗り越えるのに役立つ方法や注意点を解説』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

何年も離婚危機が続く

【Question】
ここ数年ずっと離婚するか?しないか?ということで、夫と揉めてしまいます。このように何年も離婚危機が続いている状態なのですが脱することは可能でしょうか?

【Answer】
離婚危機が慢性的な問題になっているということだと思います。慢性的になるのには、いくつかの根本的な原因があるので、その点にしっかり働きかけることが大切です。

どちらかというと、口論になるとか、不貞があるなどの表面的な問題ではなく、もっと深いところに原因があると思ってもらって良いと思います。ただ、そのような根深いところにある問題は、腰を据えて取り組めば解決していけますので過度に不安に思わなくて良いと思います。むしろ、小手先の方法に走らないように注意して下さい。

一度回復してもまた離婚危機

【Question】
過去、何度か離婚危機があり、それを乗り越えてきたのですが、また問題が生じてしまいます。夫婦で仲良く過ごせるときもあるのですが、なぜかまた離婚する、しないということの喧嘩になっています。

【Answer】
何度も離婚危機が負ってくると「またか」という気持ちにもなっていきますよね。繰り返される原因としては、解決方法の詰めが甘いという可能性が高いです。

離婚危機の問題を解決する際に、「収まってきたから良いだろう」と思って、なんとなくで終わらせていないでしょうか?大切なのは「再発させないように、今回の問題を収束させていく」という点です。そこまで突っ込んで進めることが大切です。

離婚危機は必ずあるものですか?

【Question】
どの夫婦にも、離婚危機というのはやってくるものなのでしょうか?

【Answer】
もちろん、離婚危機とは無縁な夫婦というのも世の中には存在します。ですが、長い付き合いの中で何度かそういう危機があるということは珍しいことではありません。ですので、もし自分が離婚危機に陥っていたとしても「自分たちは特別なのだろうか」と思う必要はないと思います。

大切なのは離婚危機が起こらないようにすることではなく、起こった後、適切に軌道修正できる力を養っていくことだと思います。

短期間で問題解決したい

【Question】
どうにか離婚危機を乗り越えたいと思っています。しかし、最近は相手の反応が冷たいので、がっくりきてしまいます。私としては一日も早く離婚危機を脱したいと思っているのですが。

【Answer】
折角、離婚危機を乗り越えていこうと思っているのに、相手の反応が悪いと気力が削がれてしまいますよね。当然のことだと思います。この続き下記の音声よりどうぞ。

関連記事

離婚危機があると、心も重くなってしまいますが、今回の対処方法を参考に進めてみてください。また、離婚問題についての関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで知識を深めて頂くことが出来ます。

離婚を避けるためにやってはいけない事

離婚回避のNG行動の記事
離婚を避けたいと思って行動してもらっても、これは逆効果だよということをいくつか取り上げて解説しています。今の内にチェックしておいてください。

参考ページ:離婚回避のためにやってはいけないこと

手紙の書き方

離婚回避の手紙についての記事
離婚を回避するための手紙の書き方について解説しています。どのようなポイントを抑えて手紙を書いていけば良いのか。その詳細は下記よりどうぞ。

参考ページ:離婚を回避するための手紙の書き方

離婚を考え直すメッセージ

メッセージの記事
夫に離婚を考え直してもらうために、どんなメッセージを伝えていけば効果的なのか?「離婚を考え直して欲しい」だけでは、全く通用しないので注意してください。詳細は下記よりどうぞ。

参考ページ:離婚を考え直してもらうメッセージの伝え方

離婚危機から回復

離婚危機からの回復方法についての記事
離婚危機に陥っているので、それを回復させたい。具体的な7つの方法を解説した下記の記事を参考にしてください。

参考ページ:離婚を回避する方法について解説