夫との会話が弾まない
「夫と何を話せば良いか分からない」ということはありませんか?
夫との会話が弾まないで困っているとき出来ることの1つは、「自分が話し手にならない」ということです。つまり、「夫に話しをしてもらって、自分は良い聴き手になる」ということです。
実は、「自分が面白い話をしなければ、夫とは良い関係を作れない」というのは大きな誤解です。むしろ、「夫にもっと話をしてもらって、自分は良い聴き手になろう」とした方が、夫との関係性も縮めやすいのです。事実、次のような心理実験があります。
聴き手に回れば好意も持たれる
アラスカ大学のクリス・クラインク博士は、会話時間における発言量と、相手からの好意の度合いについて実験を行いました。
出典:Influence of talking level on perceptions of counselors
実験では、自分の発言量を次の三段階に分類しました。
- 1.自分の発言量を33%にする
- 2.自分の発言量が50%にする
- 3.自分の発言量67%にする
このように、会話中、自分がどの程度発言するのか?ということに応じて、相手からどの程度好意を持たれるか計測したのです。
すると、会話の7割程度を自分がしゃべってしまうと、相手からの好意がもっとも下がり、逆に、自分の発言量を約3割程度に抑えたとき、好意がもっとも高まったのです。
夫婦間の会話が弾まないと言うときは、つい自分がどんなことを発言したら良いのか?ということを考えがちですが、実際には相手にしゃべってもらった方が、結果として相手が良い気分になり、自分に対してへの好意も高まるということです。
では、話しを聞くといっても、一体どうすれば良い話しの聞き手になることが出来るのでしょぅか?
夫婦の会話の秘訣
夫婦間の会話を弾ませるときに、大切なのは自分が聞き役に徹するということです。そして、良い聞き手になるために、もっとも基本的でかつ、すぐに実践でき、効果が早いのは「あいづち」です。あいづちをするか?しないか?で、会話が良い方向に進むか、進まないか?が決定すると言っても過言ではありません。
そこで、夫婦間の会話を弾ませるためにもっとも基本的なスキルになる『あいづち効果』について次に解説します。
相づちしないと辛くなる!?
京都大学大学院では、学生60人を対象に、相づちするグループと、しないグループに30人ずつ分け、相づちが及ぼす影響を調べました。実験では、2人で会話を行い、1人に「思い出話」を語ってもらい、もう一方はそれに対して、相づちを打つ、あるいは打たないという方法で話しを聴いていきます。そして、その後、それぞれのグループに対してインタビューを行いました。
すると、相づちを打つグループは、打たないグループと比較して、会話の内容に対して、驚きや疑問、話の展開に対しての興味をもって聴くことが出来ていたのです。
逆に、相づちを打たないグループは、相手の話に興味が湧かないだけでなく、「相手に失礼だ」「自分が悪い人間のようで嫌だ」「窮屈さを感じる」など、会話を続ける難しさを感じるようになっていたのです。
このように、相づちを打つか?打たないか?というのは、話し手に対しての印象を変えるだけでなく、自分が相手の話をしっかり聴くことが出来るかどうか?ということにも強く影響を及ぼすことが分かったのです。
相づちだけで夫婦関関係は変わる
そこで、あなたも夫婦間の会話が弾まないというときは、普段より意識して相づちを打つことを実践してみてください。
相づちの実践方法としては「うんうん」「はい」「へぇー」「なるほど」「そうだね」「確かに」など、様々なバリエーションで返答をすることと、少し大きめに「うなずく」ようにしていきましょう。
それをするだけで、相手の話により感情移入して聴くことが出来る上、話し手が抱く、あなたへの印象もガラリと変わっていきます。
共感を加えると会話がさらに弾む
ここではさらに相づちを効果的に行う方法についてお伝えします。
ここで参考になるのが、ラドバウド大学の心理学者リック・バーレン博士らの実験です。実験では、次のようなことを行いました。
出典:ラドバウド大学
レストランでお客さんが店員さんに次のように注文をします。「サラダとハンバーグ。そして、パンもね」。そして、注文を受ける店員さは次の2つのパターンで返答します。
- 店員A:注文ごとに「はい、かしこまりました」
- 店員B:「サラダとハンバーグ。そして、パンですね。はいかしこまりました」
店員Aは、ただの相づちを行い、店員Bはお客さんが発言した内容に極力、一致した返答するようにしたのです。そして、どちらの方が多くチップをもらう事が出来たのか?ということを計測しました。
すると、店員BがAよりも、1.5倍以上も多くチップを受け取ることが出来たのです。
効果的な話しの聴き方
「はい」「なるほど」「うん」「そうだね」「ほぅ」など、「相づちを打つ」というのは、相手の話を聴く際に非常に重要な動作ですが、これに加えて時折でも良いので、相手のメッセージに対して共感的な返事が出来るのであれば、さらに良い聴き方が可能になります。
共感的な返事というのは、いろいろなパターンがあるのですが、もっとも簡単なのはレストランの実験であったように、「相手の発言をそのまま繰り返す」というものです。
例えば相手が「仕事が終わったら、お酒が飲めると思うので頑張れるんだ」と話していて、聴き手が頷きながら「お酒が飲めるから、頑張れる…」のように、返答するのは、比較的相手の伝えてメッセージをそのまま繰り返しています。
感情に共感すると会話が弾む
これ以外にも共感的な返事というのは、様々なパターンがあります。例えば、相手が「上司のジョンがムカつく」という発言をしていたら、聴き手が「何かイライラしているみたいだけど」のように返答するのも共感的な返答です。
こちらは、相手の言葉をそのまま返答しているわけではなく、相手が発言している時の感情を想像して、その感情に共感しているということです。
このように、話しを聴くと言う場合、「はい」「うん」など、相づちを打つということを基本としながらも、時々共感的な返事をすることを意識してみてください。
それだけで、話し手は話しがしやすいと感じてくれ、会話を通して夫婦関係の絆をより深めていくことが出来ます。
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