単身赴任が決まってから次第に夫婦関係が後退してくると言うことがあります。原因としては「すれ違い」などがありますが、このようなことが重なると離婚問題に発展していきます。

ただ、同居している場合と違って接する機会もとれないので、離婚問題の解決に向けて、どう進めるかには少し工夫が必要です。そこで、今回は「単身赴任中に、夫から離婚の話しが出た場合の対処方法。どう夫婦関係を修復していけば良いのか」ということをメインにお伝えします。

ご相談者様ご相談者様

私も1年ほど単身赴任をしています。夫から離婚の話しがやってきて、どう対応すれば良いか困っています。

単身赴任後の離婚問題とは?

単身赴任後、夫から離婚について要求してくることがあります。これは、夫が仕事を理由として家族と離れて単独で生活する間、孤独感や不貞などの事が生じ、妻に対して離婚を提案する状況のことです。これは、夫の気持ちの変換だけでなく、夫婦間のコミュニケーションが減少したり、お互いの理解が欠けるなどの要因も重なって起こることが多いです。こういった離婚問題が生じたときは、夫婦双方が感情を整理し、十分な対話を行うことが重要です。

単身赴任が離婚リスクを高める理由

ここでは、単身赴任後、なぜ離婚リスクが高まるのかについて解説します。いくつかの要因がありますが、主なものとしては次のとおりです。また、場合によっては下記の要因が複数当てはまることもあります。

1.連絡が取れにくい

単身赴任しているため、普段、相手と顔を合せることとがありません。電話をしても、仕事中だったりして話しもじっくり出来ないという状況になっていることが多いです。もちろん、相手の単身赴任先に行く、あるいは相手に自宅に帰ってもらうということも可能ではありますが、距離がある場合は、それをするとしても月に数回程度に留まると思います。
コンタクトが難しいことの図解

2.話し合いの間隔が長い

離婚問題についての話し合いをしようと思っても、単身赴任をしているので、簡単にはできません。例えば、夏に一度は話し合いをしたら、次に出来るのは秋だった…などのこともよくあります。また、海外に単身赴任している場合は、年に数回程度の話し合いしか出来ません。

話し合いの間隔が長いことについての図解
問題解決に向けてのまとまった時間がなかなかとれないという点は、単身赴任特有の課題の1つです。

3.相手の生活状況が把握出来ない

普段、離れて生活をしているため、夫がどのような環境で暮らしているのかまったく分からないと言うことも多々あります。どんな交友関係があるのか?休日の日は何をしているのか?そういった状況が掴めないので、なかなか会話が弾まないと言う面があります。

こういった単身赴任特有の環境があるので、離婚問題の解決はそれを踏まえて進める必要があります。

夫から離婚要求があったときの対処法

単身赴任をしている環境の中で、夫から離婚の要求があった場合、どう対処すれば良いのでしょうか?今の状況よって、とれる対応は異なりますが、ここで代表的な対処方法についていくつか取り上げて解説しておきます。

話し合いの予定を決める

できる限り早め、早めで話し合いの予定は決めておきましょう。もちろん「一切そのような提案を受付けてくれない」などの状況になっている可能性もありますが、基本的には相手と話す機会をつくると言う方向で目指してみてください。
予定を決めることについての図解
場合によっては相手の単身赴任先に出向いて話し合いの機会を設けるということまで考えてもらった方が良いと思います。

手紙を書く

話し合いなどがなかなか実現できそうにないと言う場合は、代わりの方法として手紙を書くと言うことも考えます。話し合いとは違って慎重に言葉を選ぶ必要はありますし、送るタイミングなども重要ですが、離婚問題解決に向けて役立つ方法の1つです。

オンラインでの対応

単身赴任先まで距離があり、簡単に相手と話が出来ない場合、ZoomやGoogleMeetなどのオンライン会議ツールを利用して、離婚問題について話し合いをするということも検討してください。こうすることによって、話し合いの間隔が開いてしまうことを防ぐことができます。もちろん、離婚などのデリケートな問題について話をする場合、基本的には対面でのやりとりが理想的ですが、単身赴任という環境を考えたとき、オンライン会議ツールを利用することも時に必要です。

離婚問題に対応するポイント

話し合いをするにしても、手紙を書くにしても、離婚問題になった直後の対応として重要なのは「受容的である」という点です。

一般的には相手から「離婚だ」といわれれば、それに対して自分の自己主張を展開しがちになってしまいます。例えば「離婚するなんて私は認めない」とか「子供のことはどうするんですか」という感じで、自分の意見をどんどん展開してしまいます。

しかし、そのように離婚問題になった初期に自己主張が過ぎると、状況は悪くなることが多くなるので注意してください。

実際、ミシシッピ大学Jeffrey A.Kellyたちは理不尽な要求に明確に拒絶したり、自分の立場をはっきり述べる人を「主張的(アサーティブ)」として、そうでない人を「受容的(非アサーティブ)」としました。

論文『Reactions to assertive versus unassertive behavior』
出典:ScienceDirect

そして、それぞれどう見られるか?ということを調査したところ、「主張的」な対応をした人は有能と見られるものの、好感度では逆転し「受容的(非アサーティブ)」の人の方が「友好的」「柔軟性が高い」などのように評価されることが判明したのです。特に女性の場合はそう見られる傾向が高くなります。

もちろん、離婚問題後半では、主張するということも大切です。しかし、初期の段階では相手の好感度を重視して、真っ向から離婚要求を否定し自分の意見を展開しないようにしてください。むしろ、相手のことを受容的に話しを聴くことに重点を置き、さらに相手の気持ちや考えを引き出すことに努めてみてください。

その方が、夫婦関係の修復全体としてスムーズに進めていくことができます。

夫から離婚話をされた時の注意点

ここでは単身赴任後、夫から離婚要求があったときの注意点についてお伝えします。

単身赴任先に押しかけない

注意点の1つは、離婚の話しがあったと驚いて、慌てて相手の単身赴任先に押しかけないことです。夫に予告なく突然、単身赴任先にいけば、相手もより感情的になりやすいです。そして、そのまま夫婦喧嘩になってしまうと離婚に向けて加速してしまうなどの事態を招くこともあります。離婚の話しがあれば、つい衝動的になってしまいますが、落ち着いて十分な計画を立てた上で対策を進めるようにしてください。

連絡をスルーすることは不適切

単身赴任をしていたら、Lineなどで離婚の話しが出ることがあると思います。こういった話しはあまり聞きたくないというところが正直な気持ちだと思います。

ただ、だからといってそれをスルーしてしまうと状況は悪くなることが多いので注意してください。完全にスルーすると相手は「こちらが話しを理解していない」もしくは「わざと無視している」と思って、さらに強く主張することにつながります。

失言すること

離婚のことを突然いわれれば、頭が真っ白になってしまうこともあると思います。ただ、だからといって失言や暴言などが多くなると、相手もさらに感情的になって意地でも離婚を主張してきます。

そうなるとこちらが意図していない方向、つまり離婚に向けて話が進んでしまうので注意してください。

相手の責任を追及すること

単身赴任をしていると、お互い負担が増えるものです。例えば、妻としても一人で育児をしないといけないなどの状況が生まれます。ご主人も仕事だけでなく、生活全般のことについて一人で対応するため、両者が「自分は頑張っているという意識を持ちやすいです。結果として「自分はこんなに頑張っているのに、離婚というのは、あなたが間違っている」と思ってしまい、相手の責任ばかりを追及してしまいがちです。これは、状況を悪い方向にエスカレートさせてしまうので注意してください。

まとめ

今回は単身赴任している夫から離婚の要求が会った場合の対処方法について解説してきました。単身赴任をしている環境に合わせて、できることを検討していきましょう。また、離婚回避のために役立つノウハウを現在、「夫婦関係修復ニュースレター」で公開しています。無料登録できる今の内に、普段お使いのメールアドレスを下記のフオームから登録しておいてください。

よくあるご質問

ここでは『単身赴任になってから、夫が離婚の要求。修復に向けてどう対処する?』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

連絡をしても無視される

【Question】
夫が「離婚だ」と伝えてきてから、連絡を取ろうとしているのですが無視されます。今まではメール/Lineをすれば、返答があったのですが離婚問題になり、それがなくなりました。連絡が取れないので、話し合いなども出来ないのですがどうしたら良いでしょうか?

【Answer】
ブロックされておらず、とりあえず「読んではくれるている」という状況であれば、今後、メッセージ内容を吟味してメール/Lineを送ることで、状況は改善出来る見込みが充分あります。

しかし、ブロックされている場合は、メール/Lineは使えませんので、手紙などの方法に切り換える必要があます。相手も連絡が取れなければ離婚の話しを進めることが出来ないので、困るのは一緒です。なので、多くの場合、いくつかの工夫を重ねることで連絡はとれるようになることが大半なので、過度には悲観されなくても良いかとは思います。

離婚要求が繰り返されるときは?

【Question】
単身赴任をしているのですが、夫からの離婚要求が激しいです。毎日のようにLineで伝えてくるので、どうすれば良いのかと思っています。

【Answer】
離婚の話しばかりだとうんざりしてしまいますよね。単身赴任をしているので、普段は仕方がないですが極力、Lineから直接の対話に促していく必要があります。というのも、Lineやメールだと、人というのは暴言がエスカレートしてしまう可能性が高いからです。

もしLineで離婚の話しが出た場合は「そのことについては直接、会ったときに話がしたい」ということを伝えてみてください。1回それを伝えたからということで、すぐにそうしてくれるとは限りませんが、こちらの離婚に関しての返答を淡泊にしていくことによって変えていくことができます。

単身赴任で旦那にむかつく

【Question】
最近、単身赴任している夫が浮気をしているのではないか?と感じてしまいます。しかし、その事を伝えても「そんなことを疑うのはおかしい」と私の方を馬鹿にしてきます。非常に旦那にムカつきます。どうすれば良いでしょうか。

【Answer】
どうしても物理的距離があると、お互い相手に対して不信感や誤解をしてしまうことが出てきやすいです。そのため、単身赴任をしている場合、浮気などの予防策という意味もあり、極力、顔をあわせる機会を意識的に増やしていきましょう。顔をあわせることで、不信感というのは、大分、払拭できることが多いです。それだけで万全とはなりませんが、まずはできることの1つとして検討してください。

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