良い所がないので褒められない?

夫婦関係を良くする最も簡単でかつ、確実に重要な事の1つは「相手の良い所を見つけて、その点を褒める」ということです。

しかし、夫に良い点などない!とつい思ってしまいますよね。もちろん、風俗に行くとか、約束を破って飲み会に行って朝帰りするなど、旦那のことを思い出すと腹立たしい事も多々あると思います。しかし、もしかしたら、その自分の見方には偏りがあるかも知れない?ということは自覚しておく必要があります。

「褒めたいけれど、そんなとこは夫にない!」と思っているなら、今回の記事を参考にしてください。

自分は善人?他人は悪人?

カリフォルニア州立大学のデビット博士は、被験者に対して次の4つの項目について、それぞれ5分間思い出してもらうという実験を行いました。

  • その1.自分がして上げた良い行動
  • その2.他人が自分にしてくれた良い行動
  • その3.自分がした悪い行動
  • その4.他人が自分にした悪い行動

すると、他人が自分にしてくれた行動よりも、自分が他人にして上げた良い行動の方を人は思い出しやすかったのです。(正確には自分が他人にして上げた良い行動は5分間で平均4.2個。他人が自分にしてくれた良い行動は平均2.9でした)

実験の結果その1
一方、悪い行動については、自分がした悪い行動よりも、他人がした悪い行動の方を人は思い出しやすかったのです。(正確には、自分がした悪い行動については5分間で平均2.73個しか思い出せませんでしたが、他人がした悪い行動は、4.28個思い出すことが出来ました)

実験の結果その2
つまり、次の2点が一般的には言えるということになります。

  • 1.自分がした良い行動は覚えているけれど、他人がしてくれた良い行動はあまり記憶に残らない
  • 2.自分がした悪行はあまり記憶に残らないけれど、他人がした悪行は記憶に残りやすい

人は一般的に「自分は善人。他人はそれほど善人ではないし、むしろ悪人だろう」のようにどうしても見てしまうということです。

夫は怠慢に思える?

これは夫婦関係でも大きな問題になりやすいものです。

つまり、普段、何も意識しなければ例えば「夫は私ほど、良い行動はしてくれない。むしろ、問題行動ばかり起こしている」とどうしても見えてしまうと言うことです。

実際にこれを検証するために、ウォータール大学のマイケル・ロス博士は、数十組の夫婦に次のような実験を行いました。

「朝食をつくる」「皿を洗う」「家の掃除をする」など家事を20項目取り上げ、どれくらい自分はやっているのか?そして、パートナーはどれだけやってくれているか?ということをパーセンテージで答えてもらったのです。

論理的に考えると、例えば「皿を洗う」という家事があれば、常に夫婦どちらかがやっているので、例えば「妻が60%やっている」と回答し、「夫が40%やっている」のように答えてくれるハズです。

家事の分担比率のグラフ
これで皿を洗うという家事は100%出来ていると言うことになります。

しかし、このように家事の分担としてほぼ整合性がとれたのは20%程度で、残り80%の項目については、お互い「自分の方が多く家事をやっている」と返答したのです。

例えば、皿洗いという項目があれば妻は「私が90%くらいはやっている」と返答し、一方で夫も「皿洗いについては私が80%はやっている」のように返答したということです。

最大で、皿洗いは100%までしか出来ないにも関わらず、これでは、皿洗いは全部で170%くらいこなしていることになります。

このように人は「自分がやった善行」についてはとても思い出しやすいし、「人よりやっている」と思い込みやすいのですが、他人がやっていることについては、なかなか客観視して認めることが難しいということです。

褒められる点を全力で探す

ここで問題が生じます。それは、夫婦関係というのは、相手のことを「褒めたりして、肯定していく」ということが非常に重要なコミュニケーションになるのですが、もし、普段何も意識しなければ、先ほどの実験で分かるとおり「相手の肯定できる点を見つけることがなかなか難しい」ということです。

そもそも肯定できる点が見つからないのですから、相手のことを褒めることも、認めることも出来ないですよね?

そのため、まずはしっかり相手の肯定できる点を見つける、ということを意識していきましょう。必死はになって探さなければ、肯定できる点は見つからないのです。

まとめ

今回は2つの実験を紹介しました。1つはカリフォルニア州立大学のデビット博士による実験です。この実験から分かることは、人はどうしても「そもそも人は自分はよくやっている」「でも、他人はそれほど良くはやってないし、むしろ悪いことをしている」と思いがちだというものです。

そして、もう1つの実験はウォータール大学のマイケル・ロス博士によるもので、夫婦間でも「自分はよくやっている」「夫(パートナー)は、そこまでやってない」ととどうしても思えてしまうということです。

夫婦間で重要なコミュニケーションの1つは「相手のことを褒める」ということなのですが、この実験から分かることは、案外、相手の良い所を見つけることが難しいということです。良い所がそもそも見つからないのですから、当然、「褒める」ということは実践出来ないですよね?

なので、まずは必死になって相手の良い所を見つける、ということを進めていきましょう。意識して「見つけよう」としないと見つからないということですので。

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参考文献

今回の記事はどうでしたか?ここで紹介したカリフォルニア州立大学のデビット博士の「自分は善人?他人は悪人?」のところで紹介した実験と、ウォータール大学のマイケル・ロス博士が行った家事の分担に関する実際の研究結果を参考文献としてこちらで紹介します。

他の人より公平な理由

論文
出典:ScienceDirect『Why we are fairer than others』

『Why we are fairer than others』。カリフォルニア州立大学のデビット博士による公平性に関する論文です。なぜ人は、自分が良いことをしたと思い、他人はそうでもないと思うのか?その秘密に迫ったものです。他人の行動はより不公正な行動に結びつけて考えがちで、自分の行動は公正な行動と結びつけて捉える傾向が強くなっているようです。

エゴセントリックバイアス

Egocentric bias
出典:APA Psyc Net
自分の事をより良く見せようとしてしまったり、自分が過剰によくやってしまうという傾向のことを「エゴセントリックバイアス」と言います。ウォータール大学のマイケル・ロス博士が夫婦間で行った『Egocentric biases in availability and attribution』という論文は、家事についてどれだけ自分がよくやっているか?について調べたものです。