夫の問題行動をやめさせたい!

「共働きなのにどうして家事をしてくれないの!」、「あれだけ遅くなるなら連絡をしてと伝えたのにどうして、メール/Line1つしてくれないの!」。そう思って、ついガミガミと小言を言ってしまうということはありませんか?

注意や叱責をする事で、相手の行動がスグに変わるので、ついそれを繰り返し使いがちですが、実は、注意や叱責の効果は限定的。むしろ、褒めた方が、相手の行動も変わりやすくで、変わった行動も継続しやすいということをご存知ですか?

そこで、今回は、称賛や叱責が及ぼす人への影響について説明した「エンハンシング効果」についてお伝えします。

叱責では人は変われない

1925年アメリカの発達心理学者エリザベス・ハーロック博士(Dr.Elizabeth Hurlock. )が行なった実験によって称賛には相手の行動を継続させる効果があることが証明されました。


出典:Amazon

実験では9-11歳の子ども3つのグループに分け算数のテストを5日間にわたり受けてもらいます。

Aグループは、どんな結果であっても、その子のテストの点数がとれた箇所に注目して、その点を褒め続けるようにしました。Bグループは、どんな結果であってもその子のテストの点数がとれていないところに注目して、叱責を続けるようにしました。Cグループは、結果に対して何も反応しないという対応をします。

Dr.Elizabeth Hurlockの実験
すると、Aグループは71%の生徒が5日間にわたり成績が上昇しました。Bグループは2日目までに20%の生徒が成績の上昇が見られたものの3日目からは次第に成績が低下していきました。Cグループは2日目までに5%の生徒が成績の上昇をしたものの、その後、ほんどん変化が見られませんでした。

このように叱責は、一時的に相手の行動を変える効果がみられるものの、効果は限定的で継続的に相手の行動に良い影響を与えることは出来ません

一方、実験の通り、称賛は継続的に相手の行動に良い変化をもたらし続ける可能性が高くなります。こういったことから、相手の行動に変化を起こしたいと思ったときには、叱責よりは称賛の方が中長期的に良い成果に結びつきやすくなります。

称賛の仕方に工夫も必要

このように称賛などの言葉が相手のモチベーションを高めて行動をうながしていくことをエンハンシング効果と呼んでいます。

ただし、称賛の方法には少しコツが必要です。

コロンビア大学で行われた実験では、次のようなことを行いました。


出典:コロンビア大学

10歳から12歳までまの子ども達400人を対象に知能テストを行いました。子ども達を3つのグループに分け、テストの後、子供達には実歳の成績を隠し、「あなたの成績100点満点中80点だ」と全員に告げました。そして、各グループごとにテストの点数とともに次のようにコメントを加えます。

褒め方の違いについて

その後、さらに2つの課題に取り組んでもらいます。

  • 課題1:難易度が高いが、やりがいのあるもの
  • 課題2:簡単に解け、学びの少ないもの

実験の結果「頭が良いんだね」と言われたAグループは、65%が失敗を恐れて課題2を選択しました。何もコメントされていないグループは45%が簡単な課題を選びました。

しかし、努力を褒められたAグループは90%が難易度の高い課題1を選択したのです。

このように能力を褒められると人は「失敗を恐れる」ようになってしまったり「自分は能力があるのだから努力は無用」と、その後の努力を怠ってしまう可能性が高くなってしまうのです。

まとめ

エリザベス・ハーロック博士(Dr.Elizabeth Hurlock. )の実験から、ご主人の行動を変えて欲しいと思ったら、注意や叱責よりは、称賛の方が効果的ということが分かりました。注意を続ければ一時的に問題行動は改善される可能性があります。しかし、それは長続きしないという結果に。少しでも相手が良くしてくれることを見つけて、その点を称賛した方が、継続して行動は変わっていきやすいのです。

また、コロンビア大学で行われた実験では、無闇に称賛すれば良いとも限らないことが分かりました。相手のことを称賛するという場合、能力に対して行うのではなく、相手が実際にした努力や過程に対して行いようにしてください。

例えば仕事の事が話題になっているのなら「あなたは会社に大きな利益をもらたした。生まれ持った才能だと思う」という伝え方では、将来マイナスに働く可能性が高くなります。そのように伝えるよりは「あなたが毎晩遅くまで本当に努力したからこそだと思う。いつも頑張ってくれてありがとう」のように伝えると、相手にも中長期的にプラスに働く可能性が高くなります。

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