夫が妻にだけ冷たい態度をとってくると言うことはありませんか?子供や友人、会社の同僚などには普通に接しているのに、なぜか妻である自分にだけ嫌な態度をとってくるという状況です。このような時、何がゲインなのでしょうか。そして、対応策としてどのようなことができるのでしょうか。ここでは、そのことについて解説します。

夫が妻にだけ冷たいとは?

夫が妻にだけ冷たい行動というのは、夫が他の人々、例えば友人や同僚、子供には普段通り振る舞う一方で、妻に対しては無関心、無愛想、または批判的な態度を取ることを指します。このような行動は、夫婦間において、コミュニケーションの欠如、感情的な距離感、または不和の兆候である可能性があります。夫が妻に対してだけ冷たい態度を取る原因は様々で、個人的な感情、ストレス、関係に対しての不満などが考えられます。

夫が妻にだけ冷たいことで生じる問題点

ここでは、夫が妻にだけ冷たいことの問題点について取り上げます。問題点は複数に派生しますが、下記が代表的なものです。

問題点についての図解

感情的な離婚

夫婦としての義務は果たしてもらっているけれど、冷たい態度を取られるので感情的な結びつきが弱くなり、結果として妻は不安や恐怖心、時には鬱的な状態になることがあります。妻は夫の冷たい態度や行動をとられるので、夫婦関係が不安定だと感じます。そして「いつ離婚の話が持ち上がるかわからない」という気持ちを抱くことになります。この不安は、長期間継続することもあるので、とてもしんどい状況になります。夫の冷たさが続くと、妻は自分が愛されていない、望まれていないので「将来は、離婚の話しをされるのではないか」という気持ちが大きくなっていきます。

心理学的解説

感情的離婚というのは、夫婦が同じ家に住んでいたり、義務などは果たしてくれるものの一方で、肉体的、感情的、心理的な繋がりが薄い状態です。あるいは、完全に断然していることもあります。このような状態が続くと、孤独感を感じたり、不安の元になったりします。サウジアラビアの女性を対象に調べたところ、このような感情的な離婚が起こっていると、メンタルにも悪影響を及ぼしていることが判明しています。
参考:Impact of emotional divorce on the mental health of married women in Saudi Arabia

自尊心の低下

自尊心の低下を引き起こすというのも、問題点の1つです。妻は夫からの否定的な態度や無関心を自分自身に魅力がないからだ、などのように捉えてしまうことがあります。自分が愛されていない、価値がないと感じます。これは結果として自尊心の低下といえます。長期的には、この状況は精神的な健康に悪影響を及ぼすこともあるので注意してください。

関わりにくさ

夫に対しての関わりにくさが生じてしまうことも問題の1つです。夫が無愛想または否定的な反応をとるので、妻は、夫にどのように声をかけて良いのか分かりません。夫婦間のコミュニケーションが困難になります。相手の反応が冷たいので、妻は夫に話しかけることに不安を感じるようになるからです。例えば、声をかけたとき相手が笑顔で反応してくれるのであれば、それはまた「声をかけよう」という気持ちになります。しかし、逆に無愛想な反応をされると、次に声をかけるのが億劫になります。このように、冷たさが「関わりにくさ」を招くことがあります。

疲労が増大

冷たい態度をとられると、妻の疲労が増大することがあります。これは、妻は夫の気持ちや反応を常に気にかけ、その冷たい態度に対処しようとすることで疲労困憊してしまうから生じます。妻は夫の反応にショックや気分を害してしまうことが多くなり、それが蓄積することで過度にストレスを感じます。

妻にだけ冷たい理由

そもそもなぜ、夫は妻にだけ冷たいのか?その理由についてはケースバイケースですが、ここではその代表的なものを取り上げ解説します。対応策を考える際には、この理由を知っておくことで的確に進められます。

理由についての図解

結婚生活の不満

冷たい理由の1つとして、結婚生活に対する不満が挙げられます。夫はこれまでの結婚生活において積み重ねられた不快な体験や不満が残ることで、冷たい態度をとっている可能性があります。例えば、以前、夫が話しかけたけれど、大して良い反応が得られなかったとか、自分がしんどいときに支えてもらえなかったなどのことです。場合によっては、性格の不一致、価値観の違いなどがあることもあります。

離婚を考えている

夫が離婚を考えているので、妻にだけ冷たい態度をとるということもあります。夫は既に関係の終わりを心に決めており、その結果として心の壁を築いているということです。夫が離婚を考えている場合、感情的に妻から距離を置き、結果としてこれが冷たい態度や無関心として表れます。

妻に対して反発している

反発や仕返しが動機で、夫が妻にだけ冷たい態度をとるということもあります。夫はこれまでの経験や出来事に対する怒りや不満を持っており、その感情を妻に対する冷たさや拒絶的な態度で表現しているということです。過去の夫婦喧嘩、迷惑を受けたなどのことが起因しています。

妻に冷たい夫への対応方法

ここでは、妻にだけ冷たい夫に、どう対応すれば良いのか?そのことについてお伝えします。おかれている状況によってできる事は異なりますが、自分ができそうなことから始めてください。
対応についての図解

自己ケアをする

夫の冷たい態度に対処するための最初の一歩として自己ケアが重要です。自己ケアは、自分自身の精神的、感情的な健康を維持し、エネルギーをチャージするための活動のことです。具体的な方法としては、景色を楽しむ、散歩をする、読書、瞑想、ヨガ、友人との交流などがあります。重要なのは、これらの活動が自分にとって心地よく、リラックスできるものであることです。また、自己ケアの方法は状況や環境によって使えるかどうかが異なるため、複数のオプションを持っておくことが重要です。例えば、散歩が好きな人でも、天候が悪い日にはそれができません。そこで、音楽を聴く、料理をするなど、別の自己ケア方法を試すようにしてください。さまざまな手段を知っておくことで、どのような状況でも自分自身を労わることが可能となります。

境界の設定

境界を設定することもできる事の1つです。これは、夫の態度や行動によって自分が過度に振り回されないようにするための手段です。境界を設定することで、自分の感情や精神状態を守り、自分の人生を自分でコントロールできるようになります。境界線を設定するとは例えば、「挨拶はするが、返事がなくても気にしない」といった具体的なルールを決めることです。仮にこのようにルールを決めれば夫の反応に一喜一憂することなく、自分の感情を守ることができます。このような要領で、境界を設定してみてください。

補足解説

境界線と聞くと、何か他人との壁を作ることのように思えるかもしれません。しかし、実際には健全な夫婦関係をつくるために役立つことも多々あります。例えば、携帯電話を見ないようにするなども典型的な境界線です。相手が冷たい態度をとってくる場合、こちらも際限なく相手に接してしまいそうになりますが「ここまでは対応するけれど、後は相手がどういう反応をとったととしても、それは相手の自由」などのように境界線を設定してみてください。それは自分のメンタルを守ることにも繋がります。
参考:Setting Healthy Boundaries in Relationships

話し合いをする

話し合いをすることも妻が夫の冷たい態度に対応するための方法です。話し合いの中で、自分の感じている不満や心配事を夫にオープンに伝えるようにしてください。一方で、夫のことを理解することも重要です。夫がどのような理由で冷たい態度をとっているのか、その背景には何があるのかを探求することが、問題解決の第一歩となるからです。

夫が妻にだけ冷たいときの注意点

ここでは、夫が妻にだけ冷たいときの注意点を挙げて起きます。これらの注意点を守って対応するようにしてください。

話を広げない

夫婦間の問題を外部に安易には広げないことは重要な注意点です。特に、友人や身内に対して夫の冷たい態度について話す際には慎重になってください。こうした個人的な問題を他人に安易に話すと、一時的な安堵感や共感を得るかもしれませんが、それが夫に伝わるなどのことも生じます。夫はプライバシーが侵害されたとか、恥をさらされたなどと感じ、自分の悪口が言われていると捉えてしまいます。結果として信頼を損ない、夫婦関係の後退を招くことになりかねません。

時間をおくことも必要

時間を置くことも注意点の1つです。夫に対して継続的にアプローチすると、疲労やストレスが蓄積されてしまいます。夫の態度が冷た過ぎるときは、結局、どのようなアプローチを試みても関係が改善しないこともあります。そのため、この段階で継続的にアプローチしつづて、自分が疲労困憊して、先にダウンしてしまってはいけません。このような時、少し時間を置くことによって状況が変わってくるので、待つことも大切な対応です。

まとめ

今回は、夫が妻にだけ冷たいというときの事についてお伝えしました。注意点を守って、対応方法をとってみてください。その他、夫婦関係を修復するための方法は専用ニュスーレターで公開しています。下記のフォームよりご登録ください。

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