「夫の気持ちが分からない」と思ったことはありませんか?例えば「怒っているのか?」と尋ねても「別に」などと伝え、本当はどう思っているのか?何が不満だったのか分からない、などのことが挙げられます。

夫の気持ちが理解できないと、次第にどう接して良いのか分からなくなりますし、問題が起こったときにも対処のしようがありません。逆に、相手のことをいくらかでも理解できれば、夫婦の絆を深めていくことは、よりスムーズになります。

そこで、ここでは夫の気持ちを理解するために、対応方法や注意点、体験談などお伝えします。

夫の気持ちが理解できない理由

なぜ夫の気持ちを理解できないのか、その理由について代表的なものを取り上げ解説します。こういった理由を知っておくだけで、問題解決しやすくなるので早速、お読みください。
理由についての図解

会話不足

夫との会話不足は、夫の気持ちが理解できない主要な理由の一つです。コミュニケーションは夫婦間の理解を深める基本的な手段であり、十分な会話がなければ、お互いの考えや感情、日々の出来事についての共有が不足し、誤解が生じやすくなります。

特に、夫が自分の感情や悩みを積極的に話さない場合、妻は夫の内面や真意を推測するしかなく、これが疎外感や不満につながることがあります。したがって、定期的な対話を設け、安心して自分の思いを表現できる環境を作ることが、お互いの理解を深める上で非常に重要です。
会話がない姿

表現の違い

感情や自分の考えをどう表現するかは、人によって異なります。そして、その違いが夫のことを理解するのを難しくしています。例えば夫は「言葉で表現するのではなく、行動で自分の意志を示すべきだ」と思っているかも知れませんが、妻は「何でも言葉で表現してもらうことが大事」と考えているかも知れません。このようなギャップがあると、お互い相手のことを理解しがたいと感じてしまいます。

自分の思い込み

自分の思い込みが原因で、夫のことを理解できな苦なることもあります。思い込みというのは例えば…

  • 男とはこういうものだろう
  • 夫は仕事の事しか頭にないだろう
  • 夫は家族のことを大事にしないだろう

このようなもので、この程度が強いと、それだけで相手のことを正しく理解出来なくなってしまいます。例えば、妻が「夫は仕事のことしか頭にないだろう」と深く信じていたら、離婚の話しをされたときも一方的に「夫は仕事を優先して、家族のことを仕事の足かせと思っているのではないか?」と感じてしまいます。

実際、オールド・ドミニオン大学のLora Jacobi氏らの研究では、相手の考えていることと、現実は違っていたと言うことを指摘しています。例えば男性は「女性は男らしい人が好きなはずだ」と思い込んでいるとします。しかし、実際には女性に尋ねてみるとそうでもなく「少し男らしければ、それでいい」と考えていることが多かったなどのことが挙げられます。

参考ページ:In Pursuit of the Perfect Appearance

夫の気持ちを理解する方法

ここでは、夫の気持ちを理解するための方法について、いくつかとりあげ解説します。

心理学的解説

「empathic accuracy(共感的正確性)」という言葉があります。これは、他人の考えや感情をどれだけ正確に推測できるかと言うことについて尺度のことです。これが正確であれば、お互いの絆を深めることができます。また、長い期間、一緒にいる夫婦関係は、それだけ相手の感情や考えを、より正確に理解しやすいと考えられます。もし、よりよく相手の感情を理解しようと思えば、相手の感情表現に注意を払い、普段かに積極的なコミュニケーションを心がけることが必要です。
参考:Reading your partner’s emotions correctly when it matters

言葉以外に注目する

相手の発言内容だけに注目していると、理解できる範囲も限定されます。発言内容だけでなく、声のトーンや表情、相手の身振り・手振りにも注意を向けるようにしてください。実際、そういった相手の姿全体をみると、理解できる範囲が大きく変わってきます。
夫を観察する妻のイメージ

相づちを打つ

夫が話すときは、理解するよい機会です。そのため、相づちをしっかり打ちながら話しを聴くようにしてください。その方が話しては積極的にしゃべってくれやすいです。「うんうん」あるいは「そうなんだね」などのような軽い返答をしながら、じっさいに頷きながら聴くようにします。このようなリアクションがあることで、話し手は「自分の言っていることを理解してもらっている」と安心でき、会話しやすくなります。

繰り返し聴く

十分に相手の気持ち考えを理解できていないと感じた場合は「繰り返し」話しを聴くことが大切です。一度や二度、話しを聴いて理解しているつもりになってはいけません。というのも、一度、相手が「自分は仕事が一番大事なんだ」と言っても、それはその時の気持ちを反映しているに過ぎないので、次回、話しをすると、意見が変わっていることもあります。

例えば、次に話をしたときに「仕事は大事だけど、子供との関係があってこそだ。そこを犠牲にしてまで仕事をすることはない」のように変わるかも知れません。相手の本当の価値観、考え、気持ちを理解するには、繰り返し繰り返し相手の話を聴いていく事が大切です。繰り返していくと、コロコロと変わっていく部分と、変わっていかない部分というのが明確になってくるからです。

そして、その変わっていかない部分は、それだけ「深い気持ちや信念、考え」になっていると理解することが出来ます。逆に、コロコロ変わっていく部分はあくまでもその時々の気持ちを反映しているだけで、それほど深い気持ちや信念、考えにはなっていないと言うことになります。

気持ちの深さの図解
このように、繰り返し話しを聴くことで初めて、夫の気持ちの深さを知ることが出来るのです。

実際、カンサス州立大学の心理学者JamesShanteau氏は、正しい判断をするためには「繰り返しの観察」が重要と伝えています。

参考ページ:Psychological characteristics and strategies of expert decision makers

体験談『夫の気持ちを理解できず、困惑』

夫婦やりなおし相談室にご相談いただいた方が、ブログ読者さんのお役に立てればと言うことで、体験談を送ってくれました。ここでご紹介させていただきます。

離婚の意思を伝えてくる

私たち夫婦は長い間、本当の意味での会話がありませんでした。そのため、夫が何を考えているのか、正直よく分からなかったのです。ある日、突然、夫から「離婚したい」という言葉を聞かされ、私は困惑しました。夫がどうしてそう思うに至ったのか、その理由すらよく分からないのです。離婚を避けたい一心でしたが、何から手をつけていいのか、どう対処すればいいのかさっぱり分からず、途方に暮れていました。
離婚を伝えてくる姿

原因は私にもあった

そんな時、私は夫婦やりなおし相談室に相談することを決めました。カウンセリングを通じて、私たちの結婚生活を振り返りながら、夫の気持ちを想像することに重点を置いて取り組みました。カウンセラーの助けを借りて、夫が感じていたこと、苦しんでいたことを想像し、理解するようにしていったのです。その中で私が気づいたことは「夫が自分の考えを表明しなくなったのは、私にも原因があった」という点です。

会話の仕方を見直す

この気づきをきっかけに、私は夫との会話を根本から見直すことにしました。以前のように自分の意見を主張したり、否定したりせず、夫の話をじっくりと聞くよう心がけるようにしました。聞いている間は、口を挟まないなど、いろいろな注意点を守って会話するようにしたのです。すぐに変化した訳ではありませんが、それでも、徐々に夫が自分の本音や感情を表現するようになりました。

会話が少しずつ増える

この変化があったためか、夫が離婚について話すことはなくなりました。以前よりも夫が自分の考えを伝えてくれることも増え、少しは理解できるようになったかな?と思っています。まだまだ、十分ではないと思いますが、これからも夫の気持ちを理解できるよう努力を続けていくつもりです。

相手の気持ちが分からないときの注意点

ここでは夫の気持ちが分からないときの注意点を取り上げます。この点に配慮して、相手のことを理解するための取り組みを行ってください。主な点は次のとおりです。

早合点しない

早合点しないよう注意してください。そもそも、人を理解するというのは、簡単なことではありません。そのため、安易に「夫はきっとこのように考えているだろう」と解釈を固めてしまうと、誤解が積み重なってしまいます。代わりに、夫の気持ちを完全には理解できていないかもしれないという謙虚な姿勢を持つことが肝心です。
早合点してしまうイメージ

質問を躊躇しない

夫の気持ちが分からないときは、質問をすることを躊躇しないようにしてください。不明瞭な点や理解できない点が積み重なると、結局、相手の話しを聴いても、誤解が増えていくばかりです。そのため、思っていることや疑問に感じていることを率直に尋ねるようにしていきましょう。ただし、話の腰を折ってしまっては本末転倒になります。質問をするタイミングにも配慮してください。

まとめ

今回は、相手のことを理解するための方法について詳しくお伝えしました。相手のことを理解するにはまず、自分の前提になっている常識を全て取っ払うことです。頭を真っ白にして、相手の話を聴いてみて下さい。

また、相手の話を繰り返し聴くということも重要です。繰り返すということで、相手の考えで変わらない部分と、変わる部分を区別することができます。変わらない部分というのは、それだけ深い信念になっているという事です。

逆にコロコロ変わっていく部分については、その時々の思いつきや感情を反映しているに過ぎません。明日には変わっていることもあるのです。

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よくあるご質問

ここでは『夫の気持ちが理解できない!真意を確かめる方法』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

離婚したい理由が分からない

【Question】
夫が突然離婚したいと言いだし、どうしてそんなことを突然言うのか理解できません。どうすれば良いでしょうか。

【Answer】
本人に離婚理由を尋ねてもすぐに本音を話してくれるとは限りません。ですが、まずはどうしてそのような気持ちになったのか?ということを尋ねるのが最初の一歩です。

また、こちらちとしても一度で相手の気持ちや考えをすべて理解しようとは考えず、何度か話しを聴く機会を重ねることで理解府を深めていこう言う姿勢で臨んでみてください。

本音が分からない

【Question】
夫の本音が分からないので困っています。例えば簡単な話「食べ物は何が好きなのか?」と聞いても「何でも好きだ」と答えるし、どっちが良いのか?と伝えても、どっちでも良いと答えます。真意が分からないので、本当はどう思っているのか知る方法はありますか?私は何も夫のことが理解できていないように思います。

【Answer】
夫の本音が掴みにくいということがあると、接し方にも困ってしまいますよね。そこで、まずは、お気持ちを素直に伝えてみるのはどうでしょうか?(続きは音声でどうぞ)

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修復についての記事
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参考ページ:夫婦関係を修復する方法。どのようなやり方で進めれば良いか?