夫婦カウンセリングの効果
夫婦関係を修復しようと思ったら「夫婦カウンセリングを利用する」ことは大きな効果を得られます。具体的にはこのようなものです。
- 1.夫婦関係の調整
- 2.相手の気持ちを知る手がかりを掴む
- 3.離婚回避のための関係調整
ただ、カウンセリングを上手く活用するにはいくつかポイントもあり、必ずしも、お金を払ってカウンセラーに任せておけば万事OKとはなりません。
夫婦カウンセリングを利用して、良い結果を引き出すには、適切な活用方法をとる必要があります。そこで、今回は夫婦関係を修復したい人のための上手なカウンセリング活用法についてお伝えします。

私もカウンセリングを受けていますが、どうやればもっと効果的に活用できますか?
体験談「夫婦カウンセリングで失敗したこと」
当相談室に来る前に夫婦カウンセリングを受けて、不満が残ってしまったというご相談者様から体験談を語ってもらえることになったので、まずは夫婦カウンセリングの上手な活用法についてお伝えする前に、あるエピソードを紹介しておきたいと思います。
失敗した体験談も、きっとあなたの参考になると思います。お名前は仮名で「亀井さん」としておきます。
相談して失敗した件
私、亀井は夫婦やりなおし相談室に来る前に、一度だけ夫婦カウンセリングを受けたことがあります。
夫婦関係はほぼ破綻していたのですが、子供たちのためにも修復のきっかけを得たいと思い、夫婦そろってのカウンセリングを受けることにしました。結果、そのカウンセリングは失敗でしたが学びになったことをお話したいと思います。
ここなら解決してもらえるかも
ネットで「離婚カウンセラー」を検索し、その中から有名であるらしい方を選びました。
そのカウンセリングは夫婦そろって受けるもので、料金は3時間で5万円でした。担当カウンセラーは代表の方ではありませんでしたが、ホームページの文章を読み「ここなら解決してもらえるかもしれない」と期待しました。
担当カウンセラーは中年の女性でした。始めに夫とカウンセラーで1時間、私と1時間話をし、最後の1時間で2人同時に話を聞いてもらうことになりました。
私が期待していたこと
私がカウンセラーの方に期待していたのは、こじれた私たちの関係を第三者の視点で整理し解決の糸口を教えてもらうことでした。
夫は私の家事能力の低さや子育ての未熟さに対する不満を訴えたようでした。私はかれこれ10年以上にわたって苦労してきた夫の考え方や行動、そして別れを考えていること、最近偶然知り合った男性に惹かれていることなど洗いざらい話しました。
カウンセリングで得たものは?
この3時間で私たちが得たものは、カウンセラーの夫に対する少しの同情と「奥さんはご主人に甘えすぎ」という助言。そして時間もお金も無駄だったな、という私たち2人の失望でした。
帰り道私は「カウンセラーを名乗るならちゃんと勉強してほしい」という怒りにも似た気持ちを感じました。良い結果にたどり着けなかったことに加え、自分の言動を否定されたことが印象を一層悪くしたのだと思います。
夫婦カウンセリングを活用するためにしておけば良かったこと
次にまたカウンセリングを受けるなら「そのカウンセラーが何を目的にカウンセリングを行っているか」に着目しようと思います。どのような人にどうなってほしいからカウンセリングをしているのか。例えば、基本的に家族の絆が一番大事だと思っているカウンセラーなのか、逆に家族を維持するより一人一人が自分らしく生きていくが大事だと思っているのか。
有名だ、などということ以上に、相性も大事だなと学びました。あと「事前に自分の考えをまとめておく」ことも必要です。うまく誘導してもらえないと話がずれ、自分の言いたいことが十分に伝えられなかったという感情が残るからです。
事前に自分の考えや望みをまとめることでカウンセリングを受ける前に解決の糸口が見つかるかもしれません。参考にしてみてください。
夫婦カウンセリングをフル活用するための準備
夫婦関係を修復しようと思った人が、実際にカウンセリングを受ける前にどのような事を準備しておけば良いのでしょうか?費用もそれなりに高いので、それ以上の成果を得るには準備が欠かせません。
まず、一番、簡単なのは「自分の状況を整理しておく」というものです。具体的には下記のものが挙げられます。
- 1.夫婦問題が生じるまでの経緯
- 2.自分の望み(どうなれば解決なのか?)
上記2つは、事前に整理しておくと良いと思います。その上でカウンセラーには「私の場合は、どうすれば上手くいくか?」ということを質問していきましょう。
また、可能であれば「上手くいく方法」と同時に失敗例、失敗しやすい行動、離婚リスクの高い行動など、間違いやすいポイントも説明を受けた方が良いと思います。
夫婦カウンセリングを効果的に活用するポイント
実は、夫婦カウンセリングを最大限活用しようと思ったら「上手く行く方法」を知るだけでは、不十分です。
「上手く行く方法」と同時に「失敗事例」を夫婦カウンセラーから聞いておきましょう。例えば「どういう行動が不適切なのか?」、「この場面でこういう行動をとるとリスクが高いのか?」などのように質問します。
こういった情報をカウンセラーから聞き出しておくことが、成功事例や上手く行く方法を知ることよりも重要です。
というのも、人は失敗から多くのことを学べる上、実際、夫婦関係を修復していく上では「失敗事例は、成功事例よりも重要」だからです。
夫婦関係は、失敗するとそこから信頼や回復をするのは、簡単ではないですよね?
信頼を積み重ね、愛情を増やしていくことはゆっくりペースですが、信頼を失うことや愛情を失う事は、案外、一瞬ですよね。だからこそ慎重に進める必要があります。
また実際、離婚を避けることが出来なくなってしまう事例というのは大半、「成功するための方法をとれなかったから」ではなく「複数回ダメな行動を取ってしまったから」ということが圧倒的に多いからです。
だからこそ、成功事例以上に、失敗事例(不適切な行動)を学んでおく必要があります。
科学的な実証
事実、シドニー大学のWendy Joung博士は59人の消防士を対象に「失敗事例を学ぶ場合と、成功事例だけを学ぶ場合」で、どちらがよりトレーニング効果が高いかを調べると、失敗事例を含めて学んだ方が良い成績になったのです。
出典:IAAP
実験の詳細はこうです。消防士の半数には、こうすれば上手くいくという成功事例だけを学びました。そして、残り半数には失敗した事例も含めて学んでもらったのです。
その後、ある火災のケースを紹介し、「あなたならどう行動するか?」という質問をしたのです。そして、どれだけ正しい判断をして行動出来るのかを調べ瀬間下。
そうすると、成功事例だけ学んだ消防士は平均5.08個の正しい行動だったに対して、失敗からも学んだ消防士は平均7.22個の正しい行動をとることができたのです。
成功事例をまなぶことは確かに勉強になります。しかし、失敗の許されない消防士にとっては、失敗事例からより多くのことを学ぶことが出来たのです。
カウンセラーに質問すべきこと
夫婦関係を修復していく場合も同じです。
確かにカウンセラーに「どうしたら上手くいきますか?」という事を問いかけ、成功パターンや方法論を把握することは大事です。
しかし、夫婦関係の修復は、成功事例や上手くいく方法以上に、失敗事例や「これをしたら致命的」、「これをすれば、夫婦仲は悪くなりやすい」などの不適切な方法を知ることの方がもっと大切です。
というのも、夫婦関係の修復が出来ない人の多くは「良い方法をとれなかったから修復できない」訳ではなく、「不適切な方法を何度か取ってしまう」ことで修復出来なくなるからです。
成功事例や適切な方法論を知っておく事は大事。でも、不適切な方法や失敗事例は、それ以上に価値があるのです。
だからこそカウンセラーには「これをしたら不適切ですか?」、「この場面で、このような行動をとることはリスクがありますか?」という質問をしっかりして、それに答えてもらっておくことが、夫婦関係の修復に直結します。
まとめ
今回は、夫婦カウンセリングを効果的に活用するためのアドバイスをお伝え致しました。カウンセラーと会話をしていると、つい成功事例や上手く行く方法ばかり聞いてしまいますが、実際には失敗事例や「やってはいけないコト」を知ることの方が大切です。
ですので、ダメ事例、失敗事例、しない方が良い行動をしっかり、夫婦カウンセラーに尋ねてみてくださいね。夫婦やりなおし相談室でも、ニュースレターで夫婦関係の修復で不適切な行動についても、しっかり告知していますので、まずはニュースレターに無料登録してみてくださいね。
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よくあるご質問
ここでは『夫婦カウンセリングの活用法』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。
夫婦カウンセリングとは?
【Question】
そもそも、夫婦カウンセリングとはどのようなものでしょうか?
【Answer】
夫婦カウンセリングというのは主に「夫婦関係の調整」を目的とした相談のことを指します。扱っている具体的な相談内容は次のような例があります。
- 夫婦関係を修復したい
- 夫婦喧嘩か多いのでそれを避けたい
- 離婚問題になっているので解決したい
主には上記の様な相談内容を扱いますが、その進め方はカウンセラーごとに大きく異なります。例えば、カウンセリングに夫婦両方の参加が求められるもの、どちらか一方でかまわないものなど、カウンセリングを受ける対象にも違いがあります。
オンラインでのカウンセリングはどうですか?
【Question】
ZoomやSkypeなど、今はオンラインでカウンセリングを受けられるところも多いと聞きます。対面と比べてのメリットやデメリットについて教えてください。
【Answer】
対面でカウンセリングを行うとなれば、どうしても住んでいる場所の近辺で探すと言うことになります。それだとやはり、選べる夫婦カウンセラーも限定されてしまいます。オンラインだと、全国どこに住んでいても、気に入った夫婦カウンセラーに相談に乗ってもらえます。そのため、オンラインでのカウンセリングはかなり便利です。
ただ、Zoomなどに慣れていれば、それほど違和感は感じないかも知れませんが、対面ほど言葉のニュアンスや感情的な機微は伝わらないです。そのため、自分の感情的なケアにより重点をおくのであれば、対面の方が効果が高いと思います。
一方、夫婦関係の修復をするための相談に重点をおくのであれば、手軽にスグに相談出来るのでオンラインの方が向いています。対面だと「まずは数週間後に予約を取って」というところからですから、その頃には手遅れになっている可能性も高いです。
電話相談はどうですか?
【Question】
電話でのカウンセリングはどうでしょうか?他のカウンセリングの方法と比較してのメリットやデメリットについて教えてください。
【Answer】
今は、Zoomなどがあるので、正直わざわざ電話を使うというのはあまり現実的ではないかも知れません。ただ、機械の操作という点ではZoomなどよりも敷居は低く、手軽に慣れた道具でカウンセリングを受けられるという点はメリットだと思います。
また、電話相談であれば、自宅ではなく、外出先からでも相談しやすいというのも良い点です。Zoomの場合は外出先でも不可能ではないですが、通話品質(声がきちんと届くかなど)がネット回線の状況に左右されます。そのため、通常、外出先ではZoomなどの利用はトラブルが多いです。
デメリットとしては、通常の電話だと電話代が負担になったり、画面はないので顔はもちろん、文字情報なども見えないなどビジュアル的な説明は受けられない点です。
夫婦カウンセラーの選び方
【Question】
実際にカウンセラーを選ぼうと思ったら、どのような事に気を付ければ良いですか?
【Answer】
料金やカウンセリングの時間など、こう言った点を気にしてカウンセラーを選ぶという人も多いかも知れません。しかし、料金が安くても、効果がないのであれば意味はないですし、逆に高いからあなたにとってピッタリだという事も言えません。
また、カウンセリングの技法等についても、そこまで気にする必要がないです。どちらかというと、カウンセラー自身との相性、あるいはあなたがそのカウンセラーを信じられるのか?ということの方が大事です。
その点を重心して選ばれるのが適切だと思います。
関連記事
さて、今回の『夫婦カウンセリングの活用法』についての記事はどうでしたか?
夫婦カウンセリングでは、適切な質問をすることで、自分にとってメリットの大きな情報を得られることも多々あります。
ぜひ、正しく活用して十分なメリットを得てください。
さて関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで、夫婦カウンセリングについての知識を深めて頂くことが出来ます。
メールでカウンセリングを受けたい
夫婦カウンセリングをメールで受けたい場合、どのように利用すれば良いのでしょうか?その活用方法や利点など、くわしく解説します。メールを利用することで、誰でも、気軽に相談することが出来ますよ。
参考ページ:夫婦カウンセリングをメールで受けたい
夫婦関係を修復したい
夫婦関係を修復したいとは思っているけれど、何から始めれば良いのか?どうやれば良いのか?こう言った疑問にお答え致します。全体像から、マインド、具体的なノウハウまでを整理しています。参考にしてください。
参考ページ:夫婦関係を修復するにはどうすれば良い?