夫婦で話し合うのにふさわしい時機はいつ?

夫婦問題について話し合いをしようと思ったら、多くの人は「どう説得すれば良いか?」「何を話せば相手の気持ちが変わるのか?」など、自分が何を話すのか?と言うことばかりに気をとられがちです。

しかし、実はどのタイミングで話しをするのか?というタイミングの問題も同等に大切です。話し合いに適した日を選べばそれだけ、事は良い方向に進みやすいですし、悪い日を選べば、困難な話し合いになってしまいます。

そこで、今回は、夫婦で話し合いをするのに「ふさわしいタイミング」についてお伝えします。

ご相談者様ご相談者様

私も離婚のことについて夫と話し合いをする予定になっています。そろそろ日程を決めなければいけません。タイミング的に、どの日が良いのかな?と迷っていたので丁度良かったです。

夫婦で話し合いができるタイミングの候補

夫婦で話し合いをする際、多くの人が候補としてあげる時期は次のようなものがあります。

季節や時期

まず季節や時期については、何かの節目であることが多いです。例えば「子供が小学校に上がるタイミングで」ということもあれば、「単身赴任から同居に戻るタイミングで」などのようなものです。

しかし、もちろん状況によってはそういった時期を考える余裕がなくて「なるべく早い段階で話し合いをおこなう」などの判断をする事もあります。

時間帯

時間帯としては共働きだという場合、夜間の時間帯に話し合いをするということが最も多くなります。休日はお互いのタイミングが揃わなかったり、相手が出かけていたりすることもありますので、意外に実施が困難だったりします。

以上、話し合いの時期や時間帯についてお伝えしました。しかし、上記のタイミングかベストというわけではなく、よく挙げられる候補になっているものです。次に心理学的に考えられるベターなタイミングというものをお伝えします。

夫婦の話し合いに適したタイミング

実は、夫婦問題の話し合いに適した日、タイミングというのが存在します。

それは、単純に聞えるかも知れませんがズバリ「晴れの日」です。雨の日に話し合いをするのと、晴れの日に話し合いをするのとでは、結論が変わってくる可能性が大です。

雨の日は、人のキモチは落ち込みがちで、悲観的な結論を導きやすいです。逆に、晴れの日は気持ちが良くなりやすいため、話し合いをしても肯定的な結論に向かっていきやすいです。

適切なタイミングの図解
そこで、話し合いの日を選ぶのなら、週間天気予報を確認して、晴れになる確率の高い日を選ぶようにしていきましょう。

晴れの日の方が説得効果が高くなるというのは、、アルバータ大学のSinclair教授らの実験で判明しています。博士らは、晴れの日と雨の日に分けて、学生達を対象に説得を試みました。説得内容は同じで、天気だけが異なります。

すると、晴れた日は学生が説得に応じてくれやすくなり、雨の日は反対に、説得に応じてくれにくくなったのです。天気が異なるだけで、相手が説得に応じてくれたり、逆に応じてくれにくくなったりします。

折角、話し合いをするのであれば、話しが上手くいく見込みの高い晴れた日を選んだ方が良いです。

夫婦で話し合いをするタイミングについての注意点

「話し合いをするのであれば晴れの日」。これが最適なタイミングです。

しかし、実はこれには少し注意が必要です。晴れているとは言っても、真夏のカンカン照りの日は避ける必要があります。実際、リンチや暴力的な喧嘩などの多くは、暑い日に怒るという研究(ロットン,1985)もあります。また、同様に真冬で、特に気温の低い日は、晴れていても極力、避けるべきです。この場合も、やはり相手が物事を承諾してくれる確率が減っていきます。

つまり、話し合いが上手くいくかどうかは天気だけではなく、気温にも左右されるという事です。

気温と気分が連動する科学的根拠

事実、エルムハースト大学のCunningham博士らは、気温などが人の援助行動に影響することを指摘しています。

Cunninghamの論文
出典:Quasi experiments with the sunshine samaritan -AmericanPsychologicalAssociation

年間を通じて平日の午後に大学内の学生に声をかけて80項目のアンケートにお願いできませんか?というこことを依頼して回りました。

すると、冬場は気温が高いときに声をかけた方が承諾してくれる確率が高かったのです。また、反対に夏は気温が低い日の方が承諾してくれたのです。このように、気温は人の援助行動を促し、相手をより寛容に、そして話しの承諾を促してくれることになります。

また、Kuttanda博士らが気温の異なる2地点で行った調査でも、気温がポジティブな感情やネガティブな感情に影響を及ぼすことを伝えています。

Kuttandaの論文
出典:A comparative study between two Indian cities -AmericanPsychologicalAssociation

気温次第で、普段、許せるようなことが許せなくなったり、逆に寛容になったりするので、気温にも十分に注意を払いたいところです。

もちろん、都合良く話し合いをする日が天候的にベストのタイミングに合わせられるとは限りませんが、天気予報などをフルに活用して適切な日を選んでみてください。また、万が一、天候的に不適切な日に話し合いをせざるを得ないのであれば、その日は「話し合い」ではなく、相手の意見や考えを聴くだけに留めて、後日改めてこちらの意見を伝える機会を設けても良いと思います。

不適切なタイミング

不適切なタイミングで話し合いに臨めば、良い結果は臨めません。そのため、下記のようなタイミングは避けるようにしてください。

疲労が大きいとき

夫婦のどちらか一方が疲労しているタイミングでは話し合いをさける必要があります。こういったタイミングで話し合いをしても、投げやりな意見しか出てこないためです。例えば、仕事が終わった後などは、疲労がピークに達しているため、長い目で見ることができず、短期的な視点でしか意見を出せないことが多くなります。

他の心配事がある

もし、話し合いたいと思っている事柄以外で心配事があるときは、必ずしも話し合いとして良いタイミングとは言えません。心配事があれば、気持ちも落ち込みがちになり、建設的な意見ンをすることも困難になります。

例えば、介護をしている親が体調を崩しており危機にあるなどの場合は、時期的に話し合いができる状態ではないといえます。

生理中

妻が生理中の時は話し合いとしては適切とは言えません。冷静な意見が出てこない可能性があるからです。そのため、数日以上の時間をあけた話し合いの機会を再度とるようにしてください。

まとめ

今回は『話し合いをする際のタイミング』についてポイントをお伝えしてきました。天気や気温に気を配り、より適切な話し合いの日を決めるようにしてみてください。

多くの人は、話し合いの伝えるメッセージ内容などについては、気を配るのですが、適切なタイミングを選ぶという概念が欠けています。タイミングによって、人の気分というのは大きく変化します。折角であれば、有利な時に話し合いをした方が良いですよね。

少しでもプラスになる事を取り入れて、ぜひ話し合いで良い結果を得てください。この最後の一工夫で、離婚問題や別居の問題などの結論が変わってくることも多々あります。

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よくあるご質問

ここでは『夫婦で話し合うならタイミングはいつが良い?』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

話し合いの内容をノートに書くのはどう?

【Question】
夫婦間で話し合いをする予定です。そこで、相手から言われたことなどをノートに書き留めていこうかと思うのですが、それは良いものでしょうか?

【Answer】
相手の発言した内容をしっかり受けとめようという思いで、ノートに記録を書いていくというのは、心構えとしてはとても良いと思います。

ただ、ノートに記載していくというのが、相手からすると何かの証拠を残そうとしているのではないか?など、悪く受け取られる可能性はあります。

なので、原則、ノートの記録はとらず、相手の話を聴くことに専念してみてください。ただ、どうしてもノートをとらないと不安だという場合は、ノートを記録する趣旨、例えば「あなたの言われたことをしっかりあとで覚えておけるようにするために」などのことを伝えて、相手が了承したらそうしてみてください。

話し合いが成立しない

【Question】
私は積極的に話し合いをしたいと思っています。しかし、夫が話し合いを拒絶して、話が出来ません。どうすれば良いですか?

【Answer】
話し合いが成立しないというのは、実はけっこう準備が必要です。場当たり的に対応しても、相手が不機嫌さを深めていくだけになってしまいます。

例えば、こちらが話し合いを提案しても「もう話し合いなどしないと何度言ったら分かるのだ!」のようにどんどん機嫌を損ねてしまいます。

なので、少なくとも1週間以上前から話し合いの打診をしていくなど、段階を追った対応が必要です。そうやって相手の話し合いに向けての心の準備を少しずつさせていくという方法をとることが多くなります。

夫婦の話し合いを夜に行うのはどう?

【Question】
夫婦の話し合いを夜に行おうかと思っています。お互い仕事もあるので、帰宅後、夕食を食べた後などのタイミングはどうでしょうか?

【Answer】
生活リズムもあるので、そういったこととの兼ねあわせにはなりますが、一般的にはあまり良いタイミングではありません。夕方以降は、どちらかというと多くの人が疲労感を持ちやすいタイミングなので緊迫感のある話し合いというのは不向きです。より悲観的な結論を出しやすいので、別のタイミングを検討してみてください。

すぐに喧嘩になってしまう

【Question】
話し合いをしていると、お互い感情的になり次第にエスカレートしてしまいます。話し合いのタイミングを工夫することによって、どうにか避ける方法はないでしょうか。

【Answer】
例えば、寝起きというのは比較的タイミングとして機嫌が悪いということがあります。また、食事前というのも厳しい意見が出やすいので、そういったタイミングを避けるようにしてみてください。つまり、ぐんぐん体温が上がってくる時間帯だったり、食後などを狙うのは良い方法です。

話し合いの場所として良いところは?

【Question】
タイミングを検討するとしても、場所として適切なところはありますでしょうか?何かリラックスして話ができるようなところがあると良いのですが。

【Answer】
場所については、自分が慣れているところが適切です。スポーツの試合でもアウェイとホームでは結果が異なりますよね。場所によって緊張度や注意の向け方が異なってくるので、極力ホームで話し合いもした方が良いです。

関連記事

話し合いをする際には、メッセージ内容だけでなく、こういった適切なタイミングにも気を配る必要があります。ぜひ、少しでも有利な日を選んで、話し合いを良い方向につなげていってください。さて、夫婦問題の話し合いについての関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで、知識を深めて頂くことが出来ます。

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