離婚話や別居などを解決しようと思って話し合いをする、と言うことがあります。

仮に、自分が夫婦関係を修復したいと思っていたとしても、相手が離婚をしたいと思っていたら、話しがかみ合いません。そして「離婚する/しない」ということで平行線になってしまうのではないでしょうか?

そこで、今回は話し合いで平行線になってしまう場合の対処方法についてお伝えします。

ご相談者様ご相談者様

何度話し合っても平行線なので、だんだん私も疲れてきました…

話し合いが平行線になることについての考え方

話し合いが平行線になるというと、嫌なイメージ持つことも多いのではないでしょうか?そこで、ここでは夫婦の話し合いが平行線になってしまったときの考え方についてお伝えします。

考え方について

平行線でもOK

究極、話し合いは平行線になってもかまわないです。もちろん、理想を言えば、平行線になるよりも、夫婦仲が前進できる方が望ましいです。

しかし、話し合いで夫婦関係を前進させていく、というのは、実はある程度、必要条件がそろわないと進めていくことが出来ないのです。

その条件がそろっていない状況で、話し合いを進めても、平行線になってしまうのは自然なことなのです。ですから、無理に「次の話し合いで、何としても、夫婦関係を改善しなければ」などのようなプレッシャーをあなたが感じる必要はありません。

平行線になったところで、プラスマイナス、ゼロと言うことなのですから、気にすることもないのです。

平行線になるプレッシャー
話し合いに臨む際には「現時点では、平行線も仕方がない。プラスの前進はないかもしれないが、それでも、失うモノもない」と思って、進めてみてください。

「平行線=無駄」といのは誤解

「しかし、平行線になるのであれば、話し合いは無駄じゃないのか?」

と思ってしまいますが、これは誤解です。結論が合意にならないなら話し合いが無駄になるということではないです。例えば、あなたが今回、相手の意見や気持ちを聞くことが出来れば、それだけ解決に向けての対応を後日、検討することも出来ます。

あるいは、ご主人が離婚だ!と伝えてきても、その話しに心から耳を傾けることで、ご主人は「自分の言いたいことを聞いてもらった」と思って、気持ちが少し落ち着くかも知れません。

利点に関する図解

このように、平行線になったとしても、話し合いをすることは多くの収穫があります。ですから、「話し合いは平行線になったのだから、無駄だった」と考えるのは早計です。

話し合いが平行線になったときの対処法

もし話し合いが平行線になったように思えても、実際に相手の意見や考えをいくらかでも聴けた、という点では一歩前進です。しかし、雰囲気として「平行線になってしまった」というものがあると、相手も話し合いに対してウンザリした気持ちになってしまいますよね。そこでここでは、夫婦の話し合いが平行線になったときの対処法について解説します。
対処法についての図解

本題については保留に

話し合いでは必ずしも結論を今すぐ出さないといけないわけではありません。「保留にする」ということも1つの方法です。

むしろ、結論を急ぎすぎてしまうと意見を押しつける形になってしまい、夫婦関係が後退することに結びつきます。実際、メリーランド大学のJones博士達は、150名の被験者を対象に結論を押しつける言い方になってしまうのと、保留する、という言い方になった場合、どちらが好印象か?ということを比較しています。

thesis『Differential effects of style of interpretation』
出典:AmericanPsychologicalAssociation

結果は下記のグラフの通り「結論保留」タイプでした。なので、話し合いが平行線になった場合は、無理せず「結論は保留にしよう」ということを相手に伝えてみてください。

実験結果のグラフ

締めくくりの言葉を工夫する

夫婦の話し合いが平行線で終わった場合、相手が「この話し合いは無駄だった」と思ってしまいがちです。そして、そもように思われてしまうと、次の話し合いに臨んでくれないことがよくあります。

そのため、平行線になった場合は、締めくくりの言葉に配慮してください。「終わり良ければ全てよし」ではないですが、締めくくりがしっかりしていると、次の話し合いに向けて、相手のモチベーションを維持しやすくなります。

具体的な伝え方としては下記のような例が考えられます。

  • 例1.今日は結論が合意に至れなかったけれど、また、次回、今回お互い伝え合った意見を元に、さらに話しを進めていこう
  • 例2.離婚問題についいて解決には至らなかったけれど、今日、あなたの考えを今までにないくらい聴く事が出来て、それだけでも本当に良かったと思っている。次回、今日の話を踏まえて進めていこう。

上記の様な例文が考えられます。これで「折角話し合いをしたのに、平行線で終わってしまった。意味がなかった」などのネガティブな思いを、いくらかでも軽減することができます。

体験談『話し合いが平行線になる原因が判明』

ここでは夫婦やりなおし相談室にご相談いただくご相談者さんが、ブログ読者さんにお役に立てればということで事例を報告してくれたのでここで紹介しておきます。

話し合い後はいつも脱力

私達夫婦は、話し合いをしてもほとんど平行線でした。子供を塾に通わせる、通わせないということについても考えが合わず結局、私が手続きを勝手にとって行かせることに。夏休みにどちらの実家で過ごすかということについても意見が合わず、夫は夏休み中は終始、機嫌が悪かったです。

平行線なになる原因を掴む

話し合いの経緯を夫婦やりなおし相談室の後藤さんに相談したとき、その中身を教えて欲しいと言われたので、先日あった話し合いの様子を伝え相談していました。そこで、私が気づいたことは「この事については、この場で結論を出さなければ」という私の思い込みでした。なので、夫婦間で意見が分かれているときも、最後は強引に私の意見を押しつけてしまっていたのです。これでは、仮に私の意見が通ったとしてもお互い不満が溜まり、関係が悪くなる一方だったのです。

保留にして状況は前進

「この1回で結論を無理に出さなくて良いんだ」という意識を持つようになってから、私の気持ちに余裕が生まれました。自分とは違った意見を持っている夫の話を聞いても、構えなくなってきましたし、音の意見の中にも肯定できる点を見つけられるようにも。私にとっては大きな進展です。

今でも話し合いが一筋縄で上手くいくわけではないですが、以前のように話し合う度に関係性が悪くなるなんていうことは一切なくなりました。話し合いのスタイルを変えるだけで、これだけ違うんだなと実感しています。

話し合いが平行線になったときの注意点

話し合いが平行線になってしまったときは、下記の点に注意してみてください。いつくか取り上げておきます。
注意点についての図解

1.最初から想定

話し合いに臨む際には「これで問題解決させるぞ」と期待していると思います。しかし、この期待が大きいほど、話し合いが思ったほど前進しないことに対して焦りを感じることがあります。ですので、予防策として「話し合いは平行線で終わることも多々あるものだ」ということは考えておきましょう。その方が気持ちに余裕を持って話し合いに臨むことができます。

2.次回の話し合いの予定

話し合いが仮に平行線で終わってしまっても、問題解決は保留になっているので、基本的には話し合いの最後で次回の予定を決めておきましょう。「この続きはいつ話すのか」と言うことを決めておいた方が良いです。これを決めておかないと、次の予定がとれなくなってしまうということにもなりますので。

以上の注意点にも配慮してみてください。

まとめ

今回は、話し合いをしても平行線になる場合のことについて、解説しました。

そもそも話し合いで意見が合意になるというのは、それ相応の条件が揃っていないと実現は難しいです。ですので、「平行線になっても、それは良くあることなんだ」というくらいのつもりで、臨んでみてください。

また、仮に話し合いが平行線になったとしても、得られるものが一切なかったと言うことではありません。相手の話しを聴くことで、得られる情報もあれば、今後の対策に役立てられることもあるからです。

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よくあるご質問

ここでは『夫婦で話し合っても、どうせ平行線?』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

育児の話し合いで平行線

【Question】
育児の協力をして欲しいということで、夫と話し合いをしているのですが、ずっと平行線になってしまいます。夫は、仕事が忙しいので何も出来ないといいます。私はもっと子供の事に関わって欲しいという要望です。どうすれば、話し合いを前に進めることが出来ますか?それとも、もう夫に育児は期待しない方が良いですか?

【Answer】
育児のことで話し合いをしているけれど、平行線になってしまうということですね。話し合いを合意に向けて進めて行くために、できる最もシンプルなことの1つは、こちらの要望を少し下げるという事です。

例えば「お風呂に入れる」「休日に遊ぶ」「寝かしつけをする」ということをして欲しいと頼んでいるのであれば、この中の1つだけでもやってもらえないか?という形で、こちらの要望を下げていきます。

そうすると「妥協ではないか?」と思ってしまうかも知れませんが、実はそうではありません。1回の話し合いで、何もかもして欲しいことを全てやってもらう、ということを目指すのではなく「まずは1つだけでも、やってもらう」ということを目指します。

まずは1つ取り組んでもらい、その後、慣れてきたらまた再度、話し合いを進めていくというように段階を追って進めてみてください。

心理学的解説

子供の前で子育てについて夫婦で喧嘩になってしまうのは避けなければいけません。しかし、夫婦間で子育てのスタイルが異なっていることは当然のことであり、それ自体は子供に悪い影響を及ぼすわけではありません。子供も、人の考えには違いがあるのだということを理解する機会にもなるためです。
参考:Conflicts Over Parenting Styles – Child Mind Institute

妊活で夫と話しが平行線

【Question】
妊活のことを夫に相談しても「まだ子供はいらない」と言われて、全く話が進みません。何度、話し合いをしても平行線なのです。どうすれば協力してもらえるでしょうか?

【Answer】
妊活のことを話し合っても、平行線になってしまうということですね。まず1つ気を付けておいておくことは、妊活の問題は、割とそこから離婚問題に発展することがあるという点です。なので、慎重には進めた方が良いと思います。

また、子供を作るということに対して、ご主人が何かの不安を持っているという可能性も高いです。なので、妊活を進めるということを無理に考えて話し合いを臨むより、話し合いでご主人の不安を1つずつ解消していくということに重点をおいてみてください。

産後は夫に期待しない

【Question】
産後、夫に手伝ってほしいことがあっても的外れのことばかりされるので、子供への対応方法など話し合いをするのですが無駄になってしまいます。話し合った内容も平行線というきか、効き目がないという感じです。もう期待しない方が良いのでしょうか。

【Answer】
きちんと伝えた通りやってくれないということがあると、不満もたまりますよね。ただ、現実的に育児に関すること全部をお一人で進めることは大変ではないでしょうか?ご主人にできること、できないことはあると思うのですが、スポット的に任せることを決めて対応してみてはどうでしょうか。

話し合いで解決と言うよりは、子供への関わり方を変えることによって前進させることができないか検討してみてください。

話し合いで夫が過呼吸

【Question】
離婚問題について話し合いをしていますが、夫が途中で過呼吸になっていきます。夫が離婚したいという希望で、私は子供も幼いのでそれはできないということを伝えていきます。話し合いで次第に感情的になっていき、結果として夫が過呼吸になるという感じです。話し合いは夫とは難しいでしょうか。

【Answer】
相手が過呼吸になると言うことだと、それ以上話を続けていくこともできないので、現実的に話し合いで解決していくということは、なかなか難しいものがありますよね。

できることとしてはLineなどの別媒体を使って話を進めるか、どうしても対面で話をするという場合は、その話し合いの負担を最小限に抑えるということを考えてみてください。例えば「この点だけ話を進めよう」という感じで、話す内容を十分に絞り込んで進めるなどのことが考えられます。

暗礁に乗り上げた場合の対応

【Question】
お互いそれぞれ自分の要望ばかりを相手に押しつけるような形になってしまい、話し合いが暗礁に乗り上げてしまいます。どうすれば、この状況を変えていくことができるでしょうか。

【Answer】
話し合いが暗礁に乗り上げたときの1つの解決方法は「アスク&オファー」という方法を試してみることです。これは、それぞれお互いがどのようなゴール・目的を持っているのかということをまずは明確にします。そして、その目的を達成するために相手に何を望むか(つまりアスク)とその目的達成のために自分が何を変え、何を行動するか(つまりオファー)を伝えるというものです。こういったゴール・アスク・オファーが明確になれば、行きづまりを解消できるキッカケになりやすいです。

参考ページ:Navigating an Impasse

別居や離婚話が進まない

【Question】
私自身は、離婚は基本的にしたくありません。できれば別居で留めたいと思っています。しかし、夫と話をしていても、考えが定まっておらず、話しがすすみません。どうすれば良いでしょうか?

【Answer】
白黒ハッキリしない時期というのは、落ち着かないものがありますよね。ただ、人は「100%離婚する気持ちだ」のように定まっていることは少ないものです。これを両価性と言います。このような場合、できる限り、結婚生活を続けるという気持ちが大きくなるよう進めていく事が大切です。

つまり、まだ白黒ハッキリしていないというのは、修復できる可能性が十分残っていると言うことなので、的確な行動をこれからとっていくことが肝心です。

心理学的解説

ある1つの物事に対して、肯定的な感情と否定的な感情を同時に抱くことがあります。そのことを感情的な両価性といいます。「愛しているけれど憎んでいる」「離れたいけれど、一緒にいたい」というような感情の状態です。
参考:The Pain of Emotional Ambivalence – Psychology Today

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参考ページ:夫婦で話し合い!タイミングはいつが良い

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参考ページ:夫と話し合いで沈黙が辛い

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