法的な婚姻関係を結んでいない夫婦を事実婚といいます。ただ、法的には婚姻関係が結ばれていなくても、実質の生活は通常の夫婦と変わりません。起こる夫婦問題も通常の夫婦と変わりないため、何らかの理由で同居生活を解消し、別居を始めてしまうということがあります。
そこで今回は、事実婚の夫婦が、別居になる理由や対応方法などのポイントについて詳しくお伝えします。
- 事実婚で、別居になった
- 同居に戻したいと思っている
- どうすれば問題解決できるか分からない
事実婚から別居になる理由
ここでは、事実婚の夫婦が別居になってしまう理由を取り上げ解説します。主なものとしては次のようなものがあります。
不倫による不信感
事実婚であることが気の緩みになり、どちらか一方が不倫や裏切りによって信頼がなくなってしまうことがあります。この不倫から生じた不信感は、別居などの問題につながりやすいです。不倫をした方は「事実婚なのだから、多少のことは許されるだろう」という気持ちになることもある一方、された方は当然、事実婚かどうかとは関係なく大変な悲しみに陥ってしまいます。
生活のリズムが合わない
別居になる理由として生活リズムが合わないことが挙げられます。生活リズムの不一致は、仕事のスケジュール、睡眠の習慣、朝型生活/夜型生活の違いなど、様々な形で現れます。例えば、夫は何でも速いテンポで物事を進めたがる一方、妻はのんびりペースで進めたいということがあります。このような時間感覚のズレは、生活する上でストレスの元になり、結果として別居などの問題を招くことが多くなります。
喧嘩からの不満
夫婦喧嘩をして、その不満が蓄積することで、事実婚の夫婦が別居することがあります。同居して生活する以上、喧嘩や衝突は、さまざまな原因からおこります。もちろん、たまにであれば問題がないことも多いですが、繰り返されることで深刻なストレスや不満が生じてしまいます。具体的には子育ての価値観の違い、家計のこと、親戚づきあいなどが問題になることが多いです。どちらにしても、こういった理由から別居になることがあります。
子供を作ることの考えが相違
パートナーが子供を持つかどうかについて異なる意見を持つことがあり、その考えの相違により別居に至ります。例えば、一方が子供を強く望むけれど、もう一方が仕事やパートナー同士の生活を重視して、子供は欲しくないということがあります。妊娠できる期間は限られているため、そのぶりなども拍車をかけ「子供が欲しいのであれば、他の人と結婚する」といった選択肢が出てきてしまいます。結果として感情的に距離ができてしまい、別居に至ります。
事実婚で別居になるデメリット
ここでは、事実婚から別居になることのデメリットについて取り上げ解説します。今、別居するかどうか迷っているのであれば、これらのデメリットを踏まえて検討してください。
同居に戻す責任感を失う
事実婚で別居になる際のデメリットとして同居する責任感を失いやすいという点が挙げられます。事実婚のカップルは法的な結婚をしている訳ではないので、場合によっては同居する義務をあまり感じないことが多く、安易に離れる選択をすることがあります。そのため、一度、別居になってしまったとき、同居にもどすハードルは少し高まると想定しておく必要があります。
連絡が取りにくくなる
連絡が取りにくくなるという点は、事実婚から別居になった場合に考えられるデメリットの1つです。同居している間は日常的な会話をしやすいですが、別居して物理的な距離が生じると、日常会ができる機会は大幅に減ることになります。事実婚であり、かつこのように日常会話が減ってしまうと、一緒にいる意義を実感しにくくなるため、関係解消につながりやすくなります。
別居問題を解決するためのポイント
ここでは、事実婚の夫婦が別居問題について解決するためのポイントについてお伝えします。これらのポイントを踏まえて行動に移すようにしてください。
参考ページ:別居解消に役立つ5つの方法
関係性に焦点を合わせる
パートナーと別居問題や、その解消のために話しをする際は関係性に焦点を合わせていきましょう。「事実婚である」ということを気にしすぎて、その事を話題として取り上げることは得策ではありません。2人の関係性について焦点を合わせ、その事について話しをするようにしてください。例えば「自分のわがままを押しつけすぎてしまった」ということであったり、「一緒に生活する上で、お互いこの点は譲歩し合う必要がある」などのことです。
このように「別居婚だから、こうしよう」というような考えで、相手との話しに臨むのではなく、2人の関係性にスポットライトをあててください。
本音を伝える
別居問題について話しをする際、本音の気持ちをオープンに打ち明けることは重要なポイントです。これは先ほどの「関係性に焦点を合わせる」ということと関連しています。本音を出して、気持ちをオープンにしなければ、問題解決は難しいです。例えば、建前ばかりを話していたのでは、ほとんど話が深まることもないため、問題解決が遠のきます。逆に本音を伝え合うことは、時に聴くのが辛いときもありますが、その分、改善が進むことが多くなります。
体験談『事実婚の夫婦が意外な理由で別居』
ここでは、夫婦やりなおし相談室にご相談いただいた方が、ブログ読者さんの役に立てばということで、体験談を送ってくれたので紹介させていただきます。いくらかでも参考になれば幸いです。
親戚づきあいの負担
私たち夫婦は事実婚です。普段は穏やかに過ごしていました。しかし、親戚づきあいが原因で関係が悪くなってしまいました。夫は親戚との関わりに対して非常に拒絶的で、「そういうのが嫌だから籍を入れていない」と主張。夫にとって結婚という形式を避けることで、親戚との煩わしい関わりから解放されることが重要だったのです。
口論に発展
しかし、周囲の人たちは私たちが実際に結婚していると思っているので、きちんと親戚づきあいもするべきだと考えています。ある日、どうしても身内の集まりに行かなければいけない事になり、本当は一緒に行きたかったのです。しかし、夫は行かないといい、意見の相違は大きな口論へと発展しました。その後、夫はほとんど口を利かなくなりました。
譲歩すべきか悩む
私は「親戚づきあいはしなくてもよい」と伝えるべきか悩みました。しかし、それでは今後の親戚づきあいがさらに困難になると思い、譲歩することはできませんでした。何度も話し合いしましたが、お互いの意見は平行線。夫は次第に話し合いにウンザリし、ついに別居を決意しました。
想定外の理由で別居
私は夫が別れを考えているのではないかと心配です。それにこのように夫婦間の関係が良好であっても、親戚づきあいなどのさまざまなことが原因で、別居や離婚の危機が訪れることがあるのだと痛感しました。本当に想定外です。これを読んでいる人は、私のようにならないことを願っています。
まとめ
今回は、事実婚から別居になった場合の理由を中心にお伝えしました。ざまざまな理由があるとしても、解決のために必要なことは、法的な婚姻関係がある場合は、大きく変わりません。今回の内容を踏まえて取り組んでください。また、その他の別居解消方法については下記のフォームより専用ニュースレターに登録してください。
よくあるご質問
ここでは『事実婚から別居になる理由について解説』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。
同居する義務はないという
【Question】
私は最近、事実婚のパートナーと別居することになりました。私たちは長い間一緒に生活してきましたが、いくつかの問題が原因で、このような状況に至りました。現在、パートナーとは連絡は取れる状態にありますが、彼は「法的な結婚をしていないので同居する義務はない」という立場を取っています。
この状況で、私はどのように対処すればよいのか迷っています。私自身はこの別居を解消し、関係を修復したいと考えていますが、どう対応すれば良いのかわかりません。
【Answer】
ご相談ありがとうございます。このような場合、まず、あなたの感じている感情や別居解消に向けた気持ちをパートナーに対して正直に伝えることが重要です。パートナーが「同居する義務がない」と感じているかもしれませんが、義務がある、ないと言うことにかかわらず、想いとして一緒に居たい気持ちがあるということを伝えてみてください。もちろん、相手のことを強制的に同居させることは難しいですが、それでも、気持ちとして一緒にいたいのだということを中心に話してみてください。
夫が距離をおきたいと伝えてきた
【Question】
夫と事実婚をしています。最近、夫が「同居を解消して、しばらく距離を置きたい」と言ってきました。婚姻関係を結んでいないので、別居してしまったら、もう元に戻すのは難しのではないか?と思ってしまいます。相手が頑ななので、一度、別居した方が良いでしょうか?それとも、何としても同居を続けた方がいいでしょうか。
【Answer】
あまり強制してどうこうする、ということは適切ではないので、相手に対して必ずこうして欲しい、などの強制的な発言は控えた方が良いです。同居を続けることも、別居することも、最終的にはあなたの意思で決めたら良いということを伝えていきます。
ただ、直ぐに結論を出すのではなく、しばらく時間をかけて話を続けたいということも同時に伝えてみてください。