「別居したい」という言葉を聞くと、頭が真っ白になってしまうということもあるのではないでしょうか?夫婦関係において別居というキーワードは重く受け止められるものです。
今回は、パートナーから「別居したい」という話しを受けた時、相手の心理や対応方法などについて詳しく解説します。返事の仕方などに困っているのならぜひ参考にしてください。
別居したいと言う相手の心理
ここでは、別居したいという相手の心理が一体どういうものなのかを整理してお伝えします。
生活が息苦しい
「生活が息苦しい」と感じることで別居を伝えてくることがあります。例えば、現在の家庭環境や夫婦関係に圧迫感や制約を感じていることなどが挙げられます。このような気持ちになるのは、根底に「自分の思いや願望が無視されている」という不満があることが多いです。別居を求めることで、自分にとっての安らぎの空間や自由に過ごせる環境を求めることになります。
人生をリセットしたい
別居を望む人の中には「人生をリセットしたい」という心理が働いていることがあります。このような心理がある場合、たいていは、大きな失望感やフラストレーションを感じています。そして、別居することで、自分の人生を立て直したいと思っています。ただし、現実的には多くの場合、ここまで大きなリセットをしなくても問題解決できることが多いので、本人が自分の頭の中で、現在の問題を過剰に大きく感じている可能性があります。
別居すれば離婚できる
離婚を考えている人が「別居したい」と伝えてくることがあります。別居することで、離婚に向けて一歩前進できると考えていることが背景にあります。この心理は、現在の夫婦関係において問題や解決が困難な対立が存在していると本人は感じています。このように一部の人にとっては、離婚に向けての布石のようになることがあります。
気を遣いたくない
同居を続けることで、過剰に気を遣うことが多く、そういった精神的な負担から解放されたいという願望から、別居をしたいと伝えてくることがあります。本人は別居をすることで通じて、気楽に日常生活を送りたいと思っていることが多いです。
別居したいと言われたときのNG行動
ここでは、パートナーが「別居したい」と伝えてきた時、とってはいけない行動についてお伝えします。NGな行動や対応をとってしまうと、別居や離婚に向けて進むことになるので注意してください。
感情的に相手のことを責める
別居したいと言われた際に、感情的に相手を責めるのはNG対応です。このように接してしまうと、相手も感情的にエスカレートして、夫婦関係が悪化します。場合によっては「もうこのまま家を出る」と言って、自宅を離れてしまう可能性も出てきます。相手から別居したいと言われると、こちらも混乱してしまいますが、落ち着いて対応することが重要です。
相手の気持ちを聴かず否定
相手の話を聞かず、頭ごなしに否定してしまうと状況が悪くなります。通常、自分が相手の意見や考えを頭ごなしに否定してしまうと、パートナーは「自分の気持ちが分かってもらえない」と感じてしまいます。別居を提案するパートナーは、通常、深刻な悩みや不満を抱えていることが多いものです。その思いや考えを無視してしまうことになるので、相手の気持ちを聴かず否定するという対応は控えるようにしてください。
最初にお金の心配を口にする
別居したいと言われた際に、夫婦関係の問題よりも先にお金の心配を口にすることは、NG対応です。このような反応は、相手が「自分はお金だけのためにしか、存在意義しかない」のように受け取ってしまうことになります。もちろん、本当に別居になる際には、婚姻費(別居後の生活費)の話は避けることができませんが、最初の「別居したい」と言われた時にこの発言をしてしまうのは適切ではありません。
別居したいと言われた時の適切な対応
実際に相手から「別居したい」といわれたとき、どのように返答したり対応するのが適切でしょうか?具体的なフレーズ例などを踏まえて解説します。
アイ・メッセージ
パートナーから、別居したいと言われた際に、自分の率直な気持ちを伝えることは重要です。基本的には「アイ・メッセージ」で「悲しい」「辛い」といった感情を素直に表現してください。自分はどう感じているか?ということを、ありのまま伝えます。
しかし、それが結果として相手への批判にならないようには注意してください。例えば「私はあなたが卑劣な人間だと思う」などのような表現です。これは、アイメッセージではなく、相手への非難になってしまいます。「悲しい」「辛い」「ショックを受けている」など、自分の感情を表現するようにしてください。
参考ページ:“I” Messages or “I” Statements
話を聴き、共感する
別居をしたいと言われるとそれ以上、辛い話は聴きたくないと思ってしまいます。しかし、大切なのはここで勇気を出して「あなたの気持ちを理解したい。もっと話を聴かせて欲しい」と伝えることです。このように、相手の思いや考えをできる限り引き出すようにしてください。また、パートナーが気持ちや考えを伝えてくれたときは、それに対して共感的に聴いていくことが重要です。こうすることで、相手はより詳しく自分の気持ちを表現してくれることに繋がるからです。
また、相手の考えや感情をより深く理解することができ、今後、その相手の不満に対してより的確に対応できるということに繋がります。相手の感情を理解しようとすることは、夫婦関係の問題を解決する上で非常に有効な方法です。
参考ページ:Active listening and empathy for human connection
時間が欲しいことを伝える
こちらが予想しておらず突然、パートナーから「別居したい」と伝えられることがあります。このような場合「混乱しているので、しばらく考える時間が欲しい」と伝えることは、適切な対応の1つです。状況を慎重に整理、今後の対応を考えるためには、時間を確保することが必要だからです。確保できた時間を利用して、これまでのことを振り返り、相手がなぜ別居を考える事になったのかを考えたり、具体的なアプローチを検討します。また、このよう時間をとることで、相手を落ち着かせると言うことにも役立ちます。
体験談『突然、別居したいと言われた』
ここでは、夫婦やりなおし相談室のご相談者さんが、ブログを読んでもらっている方に参考になればということで、体験談を送ってもらっています。ご紹介したいと思います。
夫から別居の話
私たちの結婚生活は、外から見れば問題もないものに映っていたと思います。しかし、私の夫が突然「別居したい」と言い出しました。私たちは常に良好な関係を保っていると思っていたので、気持ちがとても動転してしまいました。
別居という話に対して、私は思わず夫を責めてしまいました。その結果、夫は私に対して口を利かなくなり、夫婦関係は悪化してしまったんです。そんな中、私は夫婦やりなおし相談室に相談しました。そのときに、まずは夫の気持ちを否定せずに聴くことの重要性について教えてもらいました。
話を聴くことで、するべき事が明確に
私はそのアドバイスに従い、夫との関係を少しずつ修復していくことにしました。話を聴くことで次第に自分の改善点や相手にどう接すれば良いのかと言うことが分かり、それをそのまま行動に移していきました。この過程は時間もかかり簡単ではありませんでしたが、夫の態度も軟化しはじめて、最終的には別居を回避することができました。
最初の対応は後悔
この一連の出来事を通じて、私は後悔の念を抱いています。もし最初に夫から「別居したい」と言われたとき、もっと夫の話を聴いていれば、こんなに苦しむことはなかったかもしれません。しかし、この体験は私にとって、夫の話を聴くことの重要さを理解するのに早くだったと思います。まだ関係が十分に改善されたわけではありませんが、一緒に乗り越えていく決意です。
別居したいと言われたときの注意点
ここでは、パートナーが別居したいと言ってきた時、どのような点に注意すれば良いのかについて解説します。混乱してしまう気持ちもあると思いますが、下記の注意点を守って対応してください。
結果を決めつけない
別居したいと相手から言われると、つい「もうこれで、別居が決定なんだ」と思い込んでしまい、過剰に悲観してしまうことがあります。しかし、これは不安を大きくしてしまういます。そして、この不安が大きくなるほど、適切な行動をとれなくなってしまいます。
確かに「別居したい」と言われるとショックも大きいですが、それで別居になることが決定したわけではありません。これから話し合いなどをとおして回避できる可能性も十分あると言うことを認識してください。
私たちの不安などは、認知バイアスから生じます。つまり「本人の思い込み」を改めるだけでも、人は抑うつや不安を抑えることが出来ます。こういった認知バイアスによる不安などは、他の可能性を考えたり、自分の考えに反論をぶつけたりするなどのことが有効です。例えば「別居とは言われたけれど、まだ決定したわけではない」などのように自分の思考や認知に対して、別のことを考えるようにしてみてください。結果として不安が回復しやすくなります。
参考:A meta-analysis of the effect of cognitive bias modification on anxiety and depression
子供がいる場合の配慮
パートナーから別居したいと言われたとき、子供がいる場合には「夫婦の問題で子供に負担をかけたくない」という点を伝えるようにしてください。子供は家庭内の緊張や親の変化に敏感です。そのため、露骨に夫婦関係の悪い様子があると、心理的な安定に影響する可能性があります。
たとえは夫婦関係が悪いとしても、子供に負担をかけないという姿勢は、共通した思いであることが多いものです。相手も子供に悪影響を与えたいとは思っていないものです。
また、別居の問題が浮上した際、特に父親と子供との関係が希薄になることがあります。そのようなことがあると、余計な不安を与えることになるため、子供への対応はこれまで通りと変わらないようにするという点も伝えてみてください。
参考ページ:Children’s reactions to parental separation and divorce
事態が大きくならないよう配慮
仮に相手から別居や離婚の話しがあったとしても、その話しを安易には広げないように注意してください。もちろん、家族や友人、同僚などに広く相談すると安心が得られる面もあるかも知れません。しかし、情報が拡散し、その事にパートナーが気づくと「話がこれほど広まってしまったのだから、もう一緒にはいられない」のような決断を下すことがあります。
まとめ
今回はパートナーから「別居したい」と言われた場合での様々な心理や、適切な対応などについて解説しました。別居の話は、こちらが臨んでいなくても、相手から突然言われることがあります。今回の内容を踏まえて、慎重に対応為てみてください。また、その他の別居に関する対策は夫婦関係修復ニュースレターでも公開しています。今なら無料とクロできるので下記のフォームよりご登録ください。
よくあるご質問
ここでは『別居したいと言われた』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。
離婚を考えているのかと心配
【Question】
夫は最近、突然に別居したいと言い出しました。普段、感情をあまり表に出さない人なので、この申し出には驚きました。夫とは長い間一緒にいて、そんなに深刻に不満を持っていたとは思ってもいませんでした。
私自身、あまりに突然で、どう対応すれば良いのか困っています。自分自身と子供たちの生活はどうなるんだろうと、凄く心配です。夫は別居後、離婚を考えているのではないかという心配が頭をよぎります。
このような状況で、私は何をすべきでしょうか?
【Answer】
ご相談ありがとうございます。突然の別居の申し出に困惑してしまうと思います。お察しいたします。今後の事など心配な点はあると思いますが、まずご主人がなぜ別居を望んでいるのか、具体的な理由を落ち着いて話を聴いてみてください。話を聴くことで、ご主人の考えや気持ちなどを聴くことができるかもしれません。
また、相手の別居の申し出がどのような気持ちや理由によるものかを理解することで、今後の方向性が明確になります。話を聴くときには、2つの質問をしてみてください。1つはどうして別居を考えるようになったのか?もう1つは、別居することで、どういう変化を望んでいるのか?という点です。
50代夫から別居の要求
【Question】
私たちはお互い50代になりれます。これまで長い間一緒に生活してきましたが、最近、夫が別居を望んでいることを知りました。私は夫に対して素っ気ない態度を取ってしまったことがあることは認めますが、それでも別居をされるようなことはしていません。これからも同居を続けたいと思っています。
夫は52歳で、自分が大事にされていないと感じているようです。老後を自由に過ごしたいと思っており、そのためには別居が必要だと考えているようです。別居の要求にどう対応すれば良いのでしょうか?
【Answer】
ご相談いただきありがとうございます。ご相談内容を拝見すると、まず重要なのは、夫の「別居したい」という気持ちをもっと詳しく理解することだと感じます。夫の感じていること、求めていること、そして不満に思っていることをしっかりと聴いてみることで対応がより明確になるからです。
また、夫が望んでいることを、今の生活環境の中で実現する方法を検討してみてください。例えば夫が「もっと尊重されたい」と感じていたとしても、別居することでその問題が解決されるわけではありません。この場合、日常の接し方を変えることで、夫の感じる不満を和らげることができるかもしれません。
別居の要求があると、頭が真っ白になってしまいますが、必ずしも別居という方法が最善の解決策とはならないと思いますので、その事を伝えてみてください。
別居の理由が分からない
【Question】
私達は事実婚です。夫が別居したいと言われました。事実婚なので、このまま連絡も来なくなってしまうのではないか?など心配が多いです。何かで切ることはあるでしょうか。
【Answer】
事実婚から別居になるのには、生活リズムがあわないとか、子供を作ることに対しての考えが異なるなど、いろいろなケースがあります。通常の別居になる場合と、対策は大きく変える必要はないですが下記の記事など参考にしてください。
参考ページ:事実婚から別居になる理由について解説!デメリットや体験談などお伝えします
関連記事
ここで『別居したいと言われた』に関して関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで、より知識を深めていただけます。
別居回避のためのLINE活用
どうにか別居回避したいと思ったとき、Lineやメールをどう活用すれば良いのでしょうか?その具体的な方法について解説します。詳細は下記よりどうぞ。
参考ページ:別居回避のためのLineやメールの活用法。メリットや事例を紹介
役立つ基本的な方法
別居回避するための役立つ基本的な方法について解説します。ここでは基本的な事柄着いて解説していますので、この問題について初めて取り組む際には最高になります。
参考ページ:別居を回避する5つの方法
別居回避のためにしてはいけないこと
ここでは、別居回避のためにしてはいけないNG行動を取り上げ解説します。このような対応をしてしまうと、状況を悪くしてしまうので注意してください。
参考ページ:別居回避のために、してはいけないこと
どのような兆候がある?
もしこのような言動があれば、それは別居を考えている兆候かも?その種類や対策についいて解説します。少しパートナーの行動が不自然に感じたとき参考にしてください。