夫婦関係は時に、最悪ともいえる危機的な状況に陥ることがあります。そのようなとき「本当にこれからも、この人と一緒にいてやっていけるのだろうか」と迷うこともあると思います。

しかし、夫婦関係が今、最悪の状態にあると感じても、それは長い夫婦関係の一部です。そのような状態に陥っても、また軌道修正することはできます。そこで今回は、最悪と感じる夫婦関係を乗り越え、深い絆を築くための具体的な方法やマインドなどをお伝えします。

夫婦関係が最悪なときの特徴

危機的な状況が続くと「私たちは最悪の関係だ」と感じられることもあると思います。しかし、本当に自分たちの夫婦関係が最悪といえるのか、それとも少し悲観的すぎるのかといったことを見極めるためには、その特徴を知ることが大切です。

そこでここでは、夫婦関係が最悪の状態になるときの特徴に焦点をあて解説します。

最悪なときの特徴

常に批判的

「あなたのこういうところがダメなんだ」。このような批判的な発言や態度が繰り返される場合、夫婦関係が最悪な状態になっている、あいるいは次第にそれに近づいているといえます。

例えば、自分の欠点や問題点を相手が繰り返し批判してくるようなことが該当します。もちろん、一般的な夫婦関係でも、このような批判はありますが、それが日常茶飯事になっていると最悪な夫婦関係の特徴といえます。

葛藤や争いが絶えない

争いが絶えない状態は、最悪な夫婦関係の特徴といえます。この状態では、通常の日常的な出来事や教育方針など大事な話題に至るまで、幅広い範囲のテーマで口論や喧嘩が頻繁します。挙げ句「あなたとは価値観が合わない」などのことを言われることも多々あります。

原因としては、コミュニケーションの不足や相手への理解不足などが挙げられます。その他、過去に何度もパートナーが我慢するようなことがあり、それが蓄積しているとってたケースも考えられます。

心理学的解説

対立や葛藤は、適切に処理されれば夫婦関係の成長に役立つことがあります。しかし、これが繰り返されない未解決の間までいると、健康状態を悪化させるなどの影響も出てきます。また、対立や葛藤が夫婦間だけではなく、家族全体に拡がっていくなどの可能性もあります。
参考:Sources, Outcomes, and Resolution of Conflicts in Marriage among Iranian women

過去の問題を蒸し返す

相手の過去の過ちや失敗を許すことができず、それを再三持ち出して、相手を非難したり、責め立てる行動があるとき、最悪な夫婦関係の特徴といえます。

蒸し返すことについての図解
パートナーも過去の出来事で不満が溜まっているという点もあるとは思いますが、繰り返し過去の問題や不満を蒸し返すことは、夫婦関係を大きく後退させることになります。また、あまりにも過去の問題が大きいときは相手がトラウマ的に傷ができているという場合もあります。

無視

相手が無視してくる場合、最悪の関係になっている可能性があります。もちろん、夫婦喧嘩後、短期的な無視があるということは珍しくありませんが、それが数週間、場合によっては数ヶ月から数年続くことがあります。

一定期間無視が続くと、コミュニケーションを再会することが難しくなり、お互いの気持ちを理解しあう機会を失うことになります。もちろん、この無視が続く状態はお互いにとって精神的な負担が大きく、離婚リスクを招くことに繋がります。

信頼がない

信頼を失っていることは、最悪な夫婦関係の特徴といえます。信頼関係がないので、日常の些細な出来事や言葉に対しても過度に疑念を抱きやすくなります。例えば夫が「今日は飲みに行ってくる」と伝え、それが真実であったとしても「女性と会いに行くのではないか」などのような疑念が生じてしまいます。

信頼がないことについての図解
信頼がないと、お互いに自分の本音を伝えるということも少なくなり、心理的距離が遠くなっていきます。このような状態から、夫婦関係を修復させるには、一定期間が必要です。

夫婦関係が最悪でも取り組める行動

夫婦関係が最悪な時期でも、ただ変化を待つのではなく、具体的な行動を起こすことで再構築することができます。そこでここでは、そのための行動をとりのあげ解説します。

振り返りノートを作る

夫婦関係が悪い状況を改善するためのアプローチとして「夫婦関係のこれまでの歩み」をノートに書き出す方法が効果的です。「いや、そんなことで」と思うかも知れませんが、きちんと取り組めば、さまざまな発見があります。

ノートについての図解
例えば、2人の関係がどのように変化し、いつから不和が生じ始めたのかを具体的に確認するといったことが振り返りノートを作ることで明確になります。

そして、良好だった時期の共通点や行っていた行動を再確認することができます。例えば「仲が良かったときは、よくお酒を一緒に飲んでいた」などのことに気づくことができるかもしれません。こういった点に気づくことができれば、再びそのような夫婦関係を築くための手がかりを見つけることができます。

見方を変える

夫婦関係が悪化すると、相手を過度に悪者として捉えることが増えてしまいます。しかし、このように相手のことを見ている以上、夫婦関係をよくしていくことは困難です。「悪者」である相手とどうやっても、仲良くはできません。

そこで、この認識を少しずつでも変えていく必要があります。どうか変えるのかのポイントは複数あるのですが1つだけ挙げるとすれば、相手のことを一面的に捉えるのではなく、多面的に理解し直すということが挙げられます。

確かに相手には問題点があり、腹立たしい欠点があるかもしれません。しかし、それだけで相手が成り立っているわけではありません。良い面もいくつもあるはがです。この多面的に見られるよう変化していくと、単純な悪者像から離れ、関係を変えていくキッカケを掴むことができます。

率直に問題点を伝える

オープンなコミュニケーションは、夫婦間やどんな人間関係においても鍵となる要素です。特に関係において無視されたり、孤立していると感じるとき、自分の感じていることやそれに伴う感情を隠さず正直に伝えることが大切です。このアプローチにより、相手に自分の状況や思いを理解してもらう機会が生まれ、双方の誤解や間違った認識を解消しやすくなります。

コミュニケーションの際には、自分の感じていることを率直に話すだけでなく、相手の感じていることや考えを受け入れ、理解しようとする姿勢も必要とされます。

最悪の時期を乗り越えるためのマインド

困難な時期や課題に直面しているときは、それを乗り越えるためのマインド(心構え)を持つことも大切です。苦しいときこそ、マインドに注目してください。ここでは「最悪の時期」を乗り越えるためのマインドについて解説します。

非難を一旦やめる

非難は夫婦関係を改善する際の大きな障害となります。相手のことが腹立たしく「どうにか非難したい」という気持ちもあるかもしれません。しかし、これを続けてしまうと、自分も不安や恐れ、苛立ちを感じてしまいます。

そして、その苛立ちが相手にも伝染し、夫婦関係がより悪化していくことになります。

相手の問題点はたくさんあるかもしれません。しかし、それを最初に「正していこう」とすれば、相手と良好なコミュニケーションを妨げることになります。あなたも逆の立場になれば同じ気持ちになるのではないでしょうか?自分の事を正そうと思っている相手と、なかなか仲良くしようとは思えないですよね。

もちろん、相手の問題点はそのまま放置しておいても良いわけではありませんが、「相手の問題点を正す」ことからコミュニケーションをとることは適切とはいえません。

補足解説

夫婦間でストレスを感じて、それを相手に非難や責めるという形でぶつけあうとき、夫婦関係は最悪になります。こういった悪循環を断ち切るには「リラックスする時間をとる」「相手が何で悩んでいるか聞き取る」「ストレスに対してお互いどのような反応をとりがちなのかを確認する」「自分の求めていることをお互いで率直に伝え合う」などの対応を考えてみてください。
参考:Marital Stress

共感できる点を見つける

共感マインドとは、相手の立場や感情を理解しようとする心の姿勢です。これは単に相手の言葉を聞くだけでなく、その背後にある感情や思いを想像し、理解しようとかることを意味します。相手は自分の感情や考えが理解され、受け入れられたと感じたとき、気持ちをよりオープンにしてくれます。

気持ちがオープンになれば、それだけ相手との間に信頼感が生まれ、コミュニケーションが深まっていきます。共感マインドは、最悪な夫婦関係を乗り越えるために必須のものです。

未来志向

未来志向のマインドとは、過去の出来事やトラブルにとらわれるのではなく、将来の理想や目標に向かって進むための思考方法を指します。夫婦関係において、過去の誤解やトラブルに執拗にこだわってしまうことは、夫婦関係を修復する妨げになることがあります。

ただ、注意すべき点は「過去の問題を全て水に流そう」ということではありません。その過去の問題をどうこれからの夫婦関係に役立てるのかということが重要です。例えば「これまで、このような問題があったけれど、それを繰り返さないために、新しいこの行動をとるようにしよう」と決めることができれば、それは過去のマイナスをプラスに変えていくことができます。このようなマインドは、関係の回復や進化を促進することになります。

体験談『最悪の夫婦関係を乗り越えた』

ここでは、夫婦やりなおし相談室のご相談者様が、ブログ読者さんに知って欲しい体験談を送っていただいたのでご紹介させていただきます。

批判的な夫婦関係

私と夫の夫婦関係は、ここ最近、本当に最悪の時期を迎えていました。毎日のように些細なことで言い合いになり、もはや一緒に過ごす時間が苦痛でしかなかったです。昔、私たちはとても仲良く、よく会話もしていました。しかし、何かのきっかけから、お互いの行動や意見に対して批判的になり、日常が喧嘩の連続となっていたのです。

振り返りノート

そんなある日、結婚初期の写真を見つけることとなりました。あの頃の笑顔や楽しかった思い出…。この写真を見ながら、私は思い立ち、私たちの夫婦関係の歩みを記録するノートを作成することにしました。そのノートには、良かった時期、悪かった時期、それぞれの出来事や感じたことを書き留めることにしました。

ノートを書いている図
このことは、夫婦やりなおし相談室で相談していたとき勧められたことの1つでしたが、そのときはピンときませんでした。でも、もしかしたら何か良い発見があるかもと思って取り組んでみることにしたのです。

違いに気づく

数週間、振り返りノートを書き続けました。そして、それを読み返し、私たちが仲の良かった頃を思い出していました。頭の中で当時のことを思い返していたら、私がよく夫に「ありがとう」とか「今日もお疲れさま」と、何気ない一言を投げかけていたなあと気づいたんです。そして、それが私たちの絆を深める秘訣だったのかもしれないと思いました。

実際、私の旦那は大分、寂しがり屋なんです。なので、そのような声かけ減ったことが、寂しい気持ちに繋がり、攻撃的になっていったのではないか…と自分なりに分析もしてみました。

1つだけ新しい行動を取り入れる

そこで、新たな挑戦として、夫に再び心から言葉を伝え始めました。最初、夫は相変わらず無視していましたが、時々は返答をしてくれることもありました。もちろん、そういう行動を続けていても、時には言い争いにも発展しましたが、その都度、振り返りノートに私の感情や気づきを書き留めていきました。書くことで気持ちがスッキリする…ということもあります。

全てが一直線にうまく進んだわけではありませんが、このノートを続けていると、気づけば私たちの間に会話が増えてきていたことに気づきました。小さな努力ですが、それを続けたことが、過去のわだかまりを乗り越えるキッカケになったと思います。

夫婦関係が最悪なときの注意点

ここでは、夫婦関係が最悪なときでも注意しておきたい事柄について整理しておきます。

ストレス発散について

夫婦関係のストレスが高まった時、アルコールなどをストレス発散法として利用する人がいます。しかしこれは依存症につながる危険性があり、そのような方法は避けなければいけません。

軽い運動や、自己表現の楽しめる趣味活動などで発散するのが望ましいコーピング法(ストレス対処法)といえます。

過去を引きずらない

過去の出来事が思い出され、感情的にモンモンとしてしまうことがあります。しかし、過去のことを引きずり続けても現状は好転しないのは事実。そこで、大切なのは、過去の誤りを反省はするものの、目の前の改善策に思考と行動を集中することです。これは簡単なことではないかも知れません。しかし、目の前の事に意識を向けると、次第に過去のことが薄れていくことを実感できる人も多いと思います。これからできる事にスポットライトを当てるようにしてください。

まとめ

夫婦関係を続けていると時には「最悪の時期」といえるものに直面する事があります。しかし、それはどの夫婦にも訪れる普遍的な問題です。大切なのは、その困難を乗り越えることで関係をさらに深めることができるということを信じることです。今回お伝えした方法やマインドなども参考にしてください。その他、夫婦関係修復のためのノウハウは専用ニュースレターで公開しています。今なら無料登録できるので、下記のフォームからご登録ください。

よくあるご質問

ここでは『夫婦関係が最悪』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

夫婦仲が末期

【Question】
私たちの夫婦関係は恐らく「末期」という状態になっていると感じています。長い間、私たち夫婦には信頼が存在していました。しかし、最近の何年かで、その絆が薄れてきたように感じます。

最も心を痛めているのは、私が現在、離婚を真剣に考えてしまっていることです。もちろん、離婚は簡単な決断ではありません。しかし、今の状態がこれ以上続くのは私たち双方にとっても辛いと感じています。一方で、私たちの関係は本当に修復不可能なのか、過去のような良好な関係を取り戻すことは可能なのか、その答えが見つからず迷いと不安を抱えています。末期からでも修復できるでしょうか?

【Answer】
ご相談いただき、ありがとうございます。夫婦関係の複雑な問題は1人で抱えるのは非常に辛いものです。過去に築いた信頼や絆が薄れていくのは痛みを伴うものでその痛みや不安、お察しいたします。

夫婦関係の修復は「どうにか改善したい」という思いをまず持つことができれば、末期と呼ばれる状況からでも元に戻せた人も大勢います。大切なのは、まず自分がどうして修復したいと思うのか、理由を明確にすることです。(続きは音声でどうぞ)

夫婦関係が悪くなる時期

【Question】
私は最近、夫との関係について多くの不安を感じています。段々と私たちの間に距離ができているように感じています。これまでは比較的、仲良くやってきたつもりです。しかし、私たちも時間と共に変化していくでしょうし、これからもたくさんの困難が待ち受けているのかもしれません。具体的にに夫婦関係が悪くなりやすい時期というのはあるのでしょうか?

【Answer】
夫婦間の関係は時間とともに変化していくもので、特定の時期やライフイベントがその関係性に影響を与えることが多々あります。新婚期は多くのカップルが最初の調整期間として経験します。この期間は夫婦お互いの生活習慣や価値観の違いによる摩擦が生じやすい時期で、新たな共同生活のスタートという変化に対応しなければなりません。(続きは音声でどうぞ)

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