最初は些細なことであっても、それが原因で大きな夫婦喧嘩に発展することがあります。このような場合、どう仲直りすれば良いのか困ってしまうのではないでしょうか。
そこで今回は、夫婦喧嘩から和解する方法や、実際の体験談から得られる教訓、そして注意すべきポイントなど解説します。

夫婦喧嘩後に仲直りできないことのデメリット

もし、夫婦喧嘩後に仲直りできない状態が続いてしまうといくつかのデメリットが生じます。そこでここでは、そのデメリットについてひととおり整理します。

影響についての図解

別居や離婚のリスク

夫婦喧嘩後に和解できない状態が続くことで夫婦関係が大きく後退し、離婚や別居の問題を引き起こすことがあります。仲直りできないというのは、言い換えれば「自分が正しいと思っていて、相手が間違っている」と感じている状態が続いているといえるからです。

心理的距離が開く

たとえ離婚や別居の問題までにならなくても、仲直りできないことはお互い気まずい状況が続きます。この場合、心理的な距離が開いてしまい、会話が減ったり共有時間が減ったりします。このような心理的な開きは、ジワジワと夫婦関係が後退していくという状況を招き、将来の離婚リスクを高めることになります。

不信感の増大

仲直りできないということは「相手が間違っている」とお互いが思っている状態が続くということです。それに加えて、相手から謝罪もないような状態が続くと、相手に対して不信感が募ります。「この人は自分が悪いと思っていないのではないか?」のように考えてしまうからです。

夫婦喧嘩からの仲直りが難しい理由

そもそも夫婦喧嘩をしたとしても、それが好くに仲直りできるのであれば問題ありません。しかし、実際には難しいですよね。その理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここで一通り整理してお伝えします。

プライドや頑固さ

夫婦のどちらか一方、あるいは両方に「自分の非を認めたくない」などの気持ちがあると、仲直りが難しいです。非を認めたくないと言うことは、簡単には謝らないことになるため、しばらくの間膠着状態が続くことになります。

過去の問題を引きずる

不満は今回のことだけでなく、以前の喧嘩になったことを引きずっていると言うことがあります。この場合、繰り返されることによって、未解決問題が重なり「もうこれは根本的に性格が合わないのだ」などのようなことを考えてしまいます。そして、仲直りが複雑になることがあります。

感情的に許せない

夫婦喧嘩の過程で相手から心ない言葉を言われたなどのことがあり、感情的に許せなくなってしまうということがあります。この場合、夫婦仲を戻すことが難しくなることがあります。心に傷を負ってしまったので、謝罪をするだけでは、なかなか許してもらえません。

夫婦喧嘩から仲直りするための方法

夫婦喧嘩から仲直りするためには、いくつかの方法をとる必要があります。状況によってどのような方法を取捨選択すれば良いのかは変わってきますが、ここでは代表的な方法を取りあげ解説します。

方法についての図解
参考ページ: 10 Ways of Reconnecting After a Big Fight With Your Spouse

冷静になる

通常、夫婦喧嘩が発生した場合、一時的に感情的にお互いがなっていることが多いものです。普段冷静な時であれば、許せることも感情的になっていると許せないと感じてしまいます。つまり、冷静さを失うというのは、仲直りすることを妨げる要因になります。

そこで、少し時間を取って冷静になることが肝心です。冷静になるのに必要な時間は人それぞれですが、半日から1日程度時間をあけることも必要かもしれません。

お互いの感情を伝え合う

冷静になったら、喧嘩の元になった事柄について、率直に自分の気持ちを伝えていきます。例えば教育方針について意見が相違になり、夫婦喧嘩になったのであれば、あらためて自分が思う教育方針について伝えていきます。ただし、その場合でも、過度に自分の意見を押し通そうとはしないよう注意してください。自分の意見があまりにも正しいと思ってしまうと、対立的な雰囲気を生み出してしまいます。

相手の話しを聴く

夫婦喧嘩の元になった事柄について、自分なりの意見があるのと同様に、相手にも考えや気持ちがあります。たとえ、相手の意見が「間違っている」と思えたとしても、相手には相手なりに自分の考えが正しいとおもう理由があるはずです。なので、その点をしっかり聞き取っていくことが肝心です。

謝罪や許すこと

もし、これまでの一連の相手とのやりとりの中で、自分が間違っている点や不適切だったと思える点があるのなら、謝罪をすることも必要です。自分の間違いを認めて謝罪することが仲直りの基本です。また、相手が謝罪してきたとき、そのことを許すことも必要です。「いや、簡単に許すことはできない」と思えるかも知れませんが、その場合は「相手の話しを聴く」という点に立ち戻ってみてください。相手の考えをより深く理解していくと、許す気持ちが生まれやすくなります。

ウォーキング

ウォーキンオグと夫婦喧嘩から仲直りすることは全く無関係のように思えます。しかし、ウォーキングすることによって実際に対立が解消し、仲直りしやすくなります。事実、ハーバード大学Christine Webb博士達によると、ウォーキングによって脳が活性化し夫婦仲の和解に役立つことが指摘されています。

APA論文
参考ページ:Could walking facilitate interpersonal conflict resolution?

通常、夫婦喧嘩をすれば視野が狭くなり、建設的な意見や考えをオープンに伝えることが難しくなります。そういった仲直りの障害になるようなことを、ウォーキングすることで克服できるということです。脳が活性化すれば、創造的な解決方法が浮かびやすくなると同時に、頑なな気持ちもいくらか緩和していきやすいですよね。

ただ「喧嘩しているときにウォーキングに誘うことは難しいのではないか?」と思ってしまうと思います。ここは、いろいろテクニックを使う必要がありますが、まずはウォーキングが夫婦喧嘩の仲直りに役に立つのだということを覚えておいてください。喧嘩中のウォーキングの誘い方については細かな話になるので、このページから登録できる「夫婦関係修復ニュースレター」で公開しています。気になる人は、そのニュースレターをご確認ください。

体験談『私が夫婦喧嘩から仲直りした方法』

ここでは、夫婦やりなおし相談室にご相談いただいているご相談者様から、ブログ読者様のために自分の事例を紹介してあげて欲しいと体験談を預かっているので、その内容をお伝えしたいと思います。

親類の集まりが元で喧嘩

私たち夫婦は、比較的いままで喧嘩をしたことがありませんでした。しかし、年末を控えた12月に親類の集まりに参加する/しないという些細なことから大喧嘩に。私はみんなで帰省したかったのですが、夫は親類のことをよく思っていなかったので、年末に私の実家に帰省することは不快に思っていたようです。結局口論に発展してしまいました。

親類の集まりについての図解

しばらく無視が続く

初めてのことでしたが、この喧嘩が長引いてしまいました。夫は口を利かなくなり、私も親や親類が孫に会えることを楽しみにしていたので、後に引けず、自分から謝罪するということはできませんでした。この段階で早めに謝罪しておけば良かったとは後々、後悔してしまいましたが。

年末は家族で帰省せず

結局、無視が12月中は続いてしまったので、帰省したいとは言えず、結局私と子供たちだけで帰省することになりました。年末年始と私は実家で過ごしましたが、この間も心から楽しむことができなかったと思います。子供たちは比較的楽しそうに過ごしていたので、それが救いでしたが。

一緒に帰省できないことについての図解

帰宅後も怒りが持続

実家から自宅に戻るのが億劫でしたが「子供の学校が始める前には」と思い、冬休みが明ける数日前に自宅に戻りました。帰宅後も、夫は無視を続けていたので正直かなり落ち込みましたが、それでも学校の準備などでバタバタしていたので、いくらかは気が紛れたかなと思います。

話し合いに臨む

このままでは無視が続いてしまうと焦りもあり、思いきって子供が学校が始まってから夫と話し合いの機会を持ちました。冬休み中は子供がいたりするので、なかなかゆっくり話ができないと思って…。
どういう風に話し合いをすれば良いのか?と思っていたのですが、夫婦やりなおし相談室で相談していて、さらに私も「夫婦喧嘩直後に謝罪をしていれば、こんな大事にはならないで済んだかも」と思っていたので、思い切って冒頭から謝罪の気持ちを伝えることにしました。

謝罪した直後は、夫も「許す」などの発言はでませんでした。しかし、これは相談室で相談していたときに「すぐには許してくれない可能性が高い」と聞いていたので、想定通りでしたから驚かず冷静に対処できたと思います。

夫婦喧嘩から仲直りしたキッカケ

その後も相談を続けて何とか夫との会話も回復しつつありました。そこで以前聞いていた「ウォーキングの提案」を伝えるそろそろチャンスかな?と思って、ずっとその機会を待っていたのです。そしたら、丁度歩いていけるくらいの距離に地元のイベントがあったので、家族でそこにいけないか?ということを伝えることができました。

道中、イベントのことや子供のことなどを思い切って話してみると、本当に意外に会話が弾んでびっくりしました。家の中で会話していたら、きっとこのようにはなかなかスムーズにいかなかったと思います。シンプルな方法ですが家で話しをするのとはまた全然違うと実感しています。その後、夫婦関係は元にもどり今は安心していますが、今後はこのような大事にならないよう、早めの謝罪を心がけたいと思います。

夫婦喧嘩から仲直りする際の注意点

ここでは夫婦喧嘩から仲直りする際に注意しておきたい点を伝えます。

過去よりも未来に視点を移す

これまでの喧嘩になった経緯を思い返すと、腹が立つということもあると思います。しかし、お互い過去の喧嘩について過剰にこだわっても、怒りが増長するだけになります。そのため、過去の事ではなく未来のことに焦点をあてる必要があります。夫婦のどちらが悪かったのかということよりも、「今後、どうやって問題を解決するのか」にスポットライトを当てていきましょう。

時間をかける覚悟

早く問題を解決したいと思う気持ちはもっともです。しかし、その気持ちが焦りを生み、状況を悪化させ、かえって時間がかかるという状況を招きます。そのため、仲直りするための姿勢としては「時間計をかけてじっくり取り組む」つもりで進めてください。ただ、これは仲直りできるまで、実際に時間がかかるという意味ではありません。意外に短時間で回復できることもあります。しかし、気持ちとしては「仲直りは一朝一夕には達成できない。時間がかかることもある」と思った方が、適切な態度で問題解決に取り組めます。

まとめ

今回は、夫婦喧嘩から仲直りする方法について整理してお伝えしました。体験談なども参考になれば幸いです。また、注意点を守って進めることも大切です。特に焦りは、禁物です。その他、具体的なノウハウについては夫婦関係修復ニュースレターで公開しています。今なら無料購読できるので、下記のフォームよりご登録ください。

よくあるご質問

ここでは『夫婦喧嘩から仲直りする方法!』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

夫婦喧嘩後にスキンシップを試みたが失敗

【Question】
夫と喧嘩をして、その後仲直りをしたいと思い、スキンシップを試みました。しかし、余計、相手を怒らせてしまったみたいです。スキンシップを求めるのは適切ではなかったでしょうか?
【Answer】
タイミングにもよると思いますので、一概に間違いとはいえませんが通常、相手が機嫌を損ねているときにスキンシップで対応するのはややしんどいかなとは思います。スキンシップは夫婦関係の絆を深めるのに役立ちますが、それができるのはある程度前提として「相手と安心した関係性ができている」ということが重要だと思います。夫婦仲が悪化しているときは、先に別のアプローチを試した方が妥当なことが多いです。

他に役立つ方法は?

【Question】
いろいろ試しているのですが、なかなか夫婦喧嘩を解決できません。解決のために、他にもできることはあるでしょうか?
【Answer】
方法はいろいろあります。例えば、過去の相手と相手のご両親との間に未解決の問題があってその事が影響していないか?ということを考えることもあります。あるいは、相手の話しを聴いてそれを自分の言葉で表現し直す方法(そうすることで理解していることを相手に伝えることができる)、カウンセリングを試す、環境を変えて話しをするなどちょっとした方法から、少し労力かをかけて取り組む方法などさまざまです。

参考ページ: After the Fight – Making Up

関連記事

ここで『夫婦喧嘩から仲直りする方法』に関して関連記事をご紹介します。併せて読んで頂くことで、より知識を深めていただけます。

無視が続くのは離婚リスク高い?

離婚リスクについての記事
夫婦喧嘩後、長期間にわたり無視が続いてしまうと、離婚リスクを高めてしまう?という可能性があります。そこで、その他時の対処方法について下記のページで詳しくお伝えします。

参考ページ:夫婦喧嘩で無視が続けば離婚になる?相手の心理や対処方法など解説

半年以上無視が継続

無視についての記事
相手と喧嘩になってしまい、その後半年以上にわたり無視が続いてしまうということがあります。このような場合、どう対応すれば良いのでしょうか。詳細は下記よりどうぞ。

参考ページ:夫婦喧嘩をして無視が半年以上続いてしまう!対応や注意点などを解説

家出後に戻ってもらうには?

家出についての記事
夫が喧嘩した勢いでそのまま家を出てしまうということがあります。このような場合、どう自宅に戻ってもらえれば良いのでしょうか。詳細は下記よりどうぞ。

参考ページ:夫婦喧嘩で家出した夫!仲直りして自宅に戻ってもらうには?

夫婦関係の修復

修復についての記事
どのように夫婦関係を修復すれば良いのか。その詳細について解説します。

参考ページ:夫婦関係を修復する方法。どのようなやり方で進めれば良いか?

お互いに口を利かない

お互い口を利かないことについての記事
相手と喧嘩になってしまい、その後口を利かないという状態が続くと苦痛な者です。その場合の対処方法について解説。

参考ページ:夫婦喧嘩をしてお互いに無視!この状況の影響や解決策など解説