好意的に接しても夫婦関係が修復できない?

夫婦関係を修復しようと思っても上手くいかない…ということはありませんか?

例えば、夫に好意的に接しても、挨拶をしても、声をかけても頑なな態度をとっていて、全く夫婦関係が前進していかない。むしろ、後退しているのではないかと思える時もあるのではないかと思います。

自分の行動や態度を変えても、夫婦関係が修復出来ていないときには、今日お伝えするこのポイントを確認してみてください。

夫婦関係が修復できない原因

夫婦関係を修復しようと思い、さまざまな手を尽くしているのに、うまくいかないということがあります。このように、夫婦関係が修復できない原因というのはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは原因を整理したいと思います。

問題が未解決

過去の夫婦間で傷つけ合い、それが未解決のままだと、夫婦関係を修復できない原因になります。なぜなら、過去の傷付いた気持ちが回復しないと不満が積み重なり、ちょっとしたことで怒りや不信感に結びつくからです。

例えば、夫が以前に妻のことを無視したことがあるとします。その後、夫は無視したことを謝罪しませんでした。すると、妻は夫を信頼しづらくなります。そして、妻は夫に対してちょっとたことで再び不信感を持つようになるなどのことです。

期待の不一致

夫婦双方が相手に異なる期待を持っている場合、夫婦関係の修復が難しい原因になります。理由としては、期待の不一致があると、日々の行動において「そうじゃないのに」と不満を募らせてしまうからです。

例えば、夫が経済的な安定を重視し、長時間労働を選ぶ一方で、妻は家族との時間を重視しているとします。この期待のズレから様々なストレスや不満が生じます。夫は家族との時間は「仕事の足を引っ張っている」と感じますし、妻は「夫が家族を軽視している」のような思いを抱きがちです。

ラベリングしている

相手に対して「この人はヘマばかりする人」のようにラベリングしていると、それが夫婦関係修復を妨げる原因になります。自分や他人に対して、自分はこういう人だ、あの人はこういう人だ、という風に1つの特徴的な人物として見なし、実際にそのように変わっていくことをことをラベリング効果と呼んでいます。

ノースウェスタン大学リチャード・ミラー博士は、ラベリング効果に関する次のような実験を行っています。

論文
出典:Attribution Versus Persuasion as a Means for Modifying Behavior

内容を簡略化してお伝えするとこうです。小学校5年生を対象に、担任の先生に子供達への接し方を2週間変えてもらうよう依頼しました。

実験では、生徒がゴミをゴミ箱に入れる率が平均して20%程度のクラスを2つ選びました。そして、1組のクラスの生徒には担任の先生から「みんなとてもきれい好きですね」などのようなフレーズを頻繁に伝え、実際にそのように接するようにしました。

一方、2組のクラスでは、「どうしてゴミを片付けないといけないのか?」「それはどんな公害につながるのか」「ゴミを片付けることの理由」など、理屈でゴミを片付けることを説得しました。

すると、理屈でゴミをきちんとゴミ箱に入れるように促した2組のクラスでは、20%から45%まで状況が改善しました。しかし、それは実験終了後は効果が下がり、最終的には30%程度まで行動が悪い方向に戻ってしまったのです。

ラベリング効果を活用した1組のクラスでは、20%から80%程度までゴミ箱にゴミを入れるという状態が回復し、さらに、この行動は実験終了後も伸び続け、最終的には86%程度まで改善されたのです。

このように、ラベリングを貼るとそのとおりの行動を相手が取りがちです。夫婦関係でも、相手に悪いラベリングをしてしまうと、表面的な行動を変えても、相手にはその貼ったラベリングのとおりに接してしまうので、夫婦関係が改善しにくいです。

夫婦関係が修復できないときに見直すべきポイント

ここでは、さまざまな方法をとったり、努力をしているにも関わらず夫婦関係の修復が上手くいかないとき、見直すべきポイントを挙げておきます。

オープンなコミュニケーション

夫婦関係が修復できないとき、見直すべきポイントは、お互いに正直な気持ちを伝えているかという点です。オープンな気持ちで会話をすることが大切です。心から思っている気持ちを伝え、2人で共有することで、真の問題点を特定しやすくなり効果的な解決策を見つけることが可能になるからです。

共有時間の確保

夫婦関係の修復できないとき見直すことの1つは、共有する時間を確保しているかという点です。たとえその期間が短くても非常に重要です。理由としては、共有時間はお互いの感情や考えを共有するための貴重な時間という意味があるからです。これにより、コミュニケーションが促進され、理解が深まります。

ラベルを外す

ラベリングをしてしまっているときは、それを見直すことが重要です。相手に対してラベリングした状態では、どのような言葉も効果もないからです。問題人間と見て接すれば、どんなにあなたの表面的な行動を変えても、相手に伝わるメッセージは「あなたは問題人間だ」というものです。

一方で言葉がそこまで説得力のあるものでなくても、「本来の夫は誠実な人だ」などのようにプラスのラベリングをして、そのようにみて接すれば、相手も実際にそのように変化していやすくなります。言葉を遙かにしのぐ方法は、相手にプラスのラベリングをして、実際にそのように接してみると言う方法です。この方法だと、行動は大きく変わりやすく、かつ効果も継続的ということになります。

まとめ

もしあなたも夫婦関係を修復するためにたくさんの行動をとっていても、全然関係がよくなっていかないと言うときには、自分がまずは相手にマイナスのレッテルを張っていないか?ということを確認してみてください。そのマイナスのレッテルを貼っている以上、表面的にどんな夫婦関係の修復のための行動をとっても、無駄になります。しかし逆に言えば、そのレッテルをプラスの方向に活用することが出来れば、夫婦関係の修復を強力に後押ししてくれることになります。

今回は夫婦関係が修復できない理由やその対策についてお伝えしました。その他、夫婦関係改善のノウハウは専用ニュースレターで公開しています。今なら無料購読できますので、下記のフォームよりご登録ください。

よくあるご質問

ここでは『夫婦関係の修復ができないときに見直すべきこと』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

夫婦修復のためにスキンシップは効果的?

【Question】
夫婦関係を修復するためにスキンシップに取り組もうと思っています。これは効果的でしょうか?そういう事例が多ければ試したいと思うのですが。

【Answer】
効果的かどうかというのは、今回お伝えしたとおりラベリングが大きく影響します。例えば「スキンシップは相手の機嫌をとるためだ」のように思って進めれば、そのようにうわべの気持ちでやっているというのが相手に伝わってしまいます。そのため、夫婦関係を修復する上で効果はありません。一方、相手のことを大切に思い絆を深めたいと思って臨めば、スキンシップが夫婦関係の再構築にも役立ちます。

夫婦修復に疲れるのはラベリングのせい?

【Question】
夫婦関係の修復を進めていますが、とてもしんどいです。やはり相手に対して「面倒な人」などのレッテルを貼っているので、余計疲れてしまうのでしょうか?

【Answer】
それは影響していると思います。相手に対して「厄介な人、問題のある人」と思ってレッテルを貼り接すると、それに反して相手に親切にしたりしないといけませんので疲れます。なので、まずは相手に対しての働きかけをするよりも、内面の問題を解決する必要があります。

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