好意的に接しても夫婦関係が改善しない?
夫婦関係を修復しようと思っても上手くいかない…ということはありませんか?
例えば、夫に好意的に接しても、挨拶をしても、声をかけても頑なな態度をとっていて、全く夫婦関係が前進していかない。むしろ、後退しているのではないかと思える時もあるのではないかと思います。
自分の行動や態度を変えても、夫婦関係が修復出来ていないときには、今日お伝えするこのポイントを確認してみてください。
エナジーバスの事例
本題に入る前にわかりやすい例を紹介します。
ある物語に出てくるバス運転手ジョイさんは、毎朝通勤・通学をしている人の送迎をしています。
その運転手ジョイさんは、毎日疲れを溜め込んでいるお客さんを観察し、ある日、自分は乗客にエネルギーを与えることができる案内人になろうと決意しました。
そして、自分のバスのことを『エナジーバス』と名付けるようにしたのです。
もちろん、これはジョイさんが勝手にそう名付けているのですが、自分のバスはエナジーバスなのですから、そうなづけた瞬間から、それにふさわしい行動をとるように、自分行動が変わっていきました。
例えば、お客さんがバスに乗ってくれたとき、笑顔を振りまいたり、お客さんに元気を与えようと声をかけたりすることが自然にできるようなになっていったのです。
ラベリング効果に学ぶこと
このように自分や他人に対して、自分はこういう人だ、あの人はこういう人だ、という風に1つの特徴的な人物として見なし、実際にそのように変わっていくことをことをラベリング効果と呼んでいます。
ノースウェスタン大学リチャード・ミラー博士は、ラベリング効果に関する次のような実験を行っています。
出典:Attribution Versus Persuasion as a Means for Modifying Behavior
内容を簡略化してお伝えするとこうです。
小学校5年生を対象に、担任の先生に子供達への接し方を2週間変えてもらうよう依頼しました。
実験では、生徒がゴミをゴミ箱に入れる率が平均して20%程度のクラスを2つ選びました。
そして、1組のクラスの生徒には担任の先生から「みんなとてもきれい好きですね」などのようなフレーズを頻繁に伝え、実際にそのように接するようにしました。
一方、2組のクラスでは、「どうしてゴミを片付けないといけないのか?」「それはどんな公害につながるのか」「ゴミを片付けることの理由」など、理屈でゴミを片付けることを説得しました。
すると、理屈でゴミをきちんとゴミ箱に入れるように促した2組のクラスでは、20%から45%まで状況が改善しました。しかし、それは実験終了後は効果が下がり、最終的には30%程度まで行動が悪い方向に戻ってしまったのです。
一方、ラベリング効果を活用した1組のクラスでは、20%から80%程度までゴミ箱にゴミを入れるという状態が回復し、さらに、この行動は実験終了後も伸び続け、最終的には86%程度まで改善されたのです。
夫婦関係を修復するための行動が無駄になる理由
このように、言って聞かせる、説得するという方法も一定程度、効果的なのですが、効果は限定的です。
それを遙かにしのぐ方法は、相手にプラスのラベリングをして、実際にそのように接してみると言う方法です。この方法だと、行動は大きく変わりやすく、かつ効果も継続的ということになります。
夫婦関係でも同じく、まずは相手のことをどうみるのか?ということが大切です。
問題人間と見て接すれば、どんなにあなたの表面的な行動を変えても、相手に伝わるメッセージは「あなたは問題人間だ」というものです。
そのあなたの思いを隠すことは出来ません。
一方で「本来の夫は誠実な人だ」などのようにプラスのラベリングをして、そのようにみて接すれば、相手も実際にそのように変化していやすくなります。
修復できないときに見直すべきこと
そこで、もしあなたも夫婦関係を修復するためにたくさんの行動をとっていても、全然関係がよくなっていかないと言うときには、自分がまずは相手にマイナス乗れっているを張っていないか?ということを確認してみてください。
そのマイナスのレッテルを貼っている以上、表面的にどんな夫婦関係の修復のための行動をとっても、無駄になります。
しかし逆に言えば、そのレッテルをプラスの方向に活用することが出来れば、夫婦関係の修復を強力に後押ししてくれることになります。