離婚理由を言ってくれないので困る

相手が離婚したいと告げてきたとき「どうして離婚をしたと思っているのか?」とその理由を知りたいと思うのではないでしょうか?

この離婚理由が分かれば、夫婦関係の修復も、それだけ対策しやすいからです。例えば「相手が自分の先延ばしにする性格を嫌がっているのだ」と分かれば、まずはそこを直そう…と思えますよね。

ただ、相手がいつも離婚理由を率直に伝えてくれるとは限りません。

例えば相手が「子育ての教育方針が異なるから離婚だ」と伝えたとしても、案外それは真意ではない事も多々あります。あるいは、全く離婚理由について話してくれないと言うこともありますよね。こうなってくると、離婚を回避するためにどこをどう改善すれば良いのか分からないので混乱してしまいます。

そこで今回は「なぜ相手が離婚理由を言わないのか?」という点や、その場合の対処方法などについて解説します。

ご相談者様ご相談者様

確かに夫に離婚理由を尋ねても、曖昧な返事しか帰ってこないで困っていたんです…。どうすれば良いですか?

相手が離婚理由を言いたくない理由

ここでは、なぜ相手が離婚理由を言わないのか?その謎について解説します。

理由についての図解

傷つけたくないから

離婚を考えている側が離婚理由を伝えないのは「相手を傷つけたくない」という思いがあるからです。この場合、伝えることによって相手の感情を深く傷つける可能性があると考え、離婚理由を隠すか、あいまいにすることを選びます。例えば、本当の離婚理由が「あなたのしゃべり方が嫌いだ」などのように相手を傷つけてしまうだろう理由があるとき、本当の理由を伝えてくれません。

正当な離婚理由がないから

相手が離婚を伝えてくるとき、そのまっとうな理由がないということがあります。例えば相手が「何となく一緒にいたくない」とか「他の女性と一緒になってみたい」などの理由があるときです。このようなときは、積極的に離婚を進める理由がないため、ハッキリと相手が言わないことがあります。

気持ちが塞いでいる

ハッキリと離婚理由を伝えない場合、相手がネガティブ思考に陥り、気持ちが塞いでしまっているということがあります。気持ちが抑うつ的になっており「もう全ておしまいだ」「離婚を説得する気力も持てない」などのような気持ちになっていることがあります。この場合、明確な離婚理由を告げてくれないことがあります。

離婚理由を言ってくれない事のデメリット

もし相手が離婚をしたいと伝えてきても、その理由が分からないという場合、いくつかのデメリットが生じます。そこで個々ではそのデメリットについて整理しておきます。

1.対策が立てられない

相手の離婚理由が分からない場合、対策を適切に立てられないことが可能性としてあります。少なくとも明確に分かっておいた方ができることが多いとは言えます。離婚理由が分かることは夫婦関係を修復するために必須とは言えませんが、分かっておいた方がベターです。

2.気持ちが不安定

相手の離婚理由が分からないと「どうして離婚などと言うのだろうか」とずっと悩むことが多いです。そのため、自分の中のモヤモヤが続いてしまうというデメリットが生じます。

離婚理由が分からない場合の推測の仕方

相手に「どうして離婚したいと思っているのか?」という理由を尋ねてもハッキリ答えが返って来ない。あるいは、その発言があまり信憑性がないと言うことがあります。

このような場合、相手の離婚理由を推測する方法があります。それは「そもそも相手は私のどんなところが気に入って、結婚を決意したのか?」ということを思い出す事です。

そうです、相手があなたと「結婚したいと思った理由」と「離婚したい理由」というのは、実は一致していることが非常に多いのです。

diagram

結婚理由が離婚理由になるプロセス

例えば「この人は良い人なんだな」と思って、結婚を決めたとしても、結婚生活が長くなるにつれて次第に相手のことを「この人は受け身だ」と見なすようになるかも知れません。

あるいは「意志の強い人だから好きだ」と思っていても、結婚生活が続くことで次第に「この人は頑固で嫌だ」と思うように変化していったりします。

「良い人」は裏を返せば「受け身」であり、「意志の強さ」は「頑固」ということになります。このように、性格的に魅力的な点というのは実は、嫌いな点になりやすいのです。

魅力な点が嫌いな点になる

なので、相手が離婚理由を明確にしてこない場合、相手が最初は自分のことを良いと言ってくれた点が、離婚理由になっているのではないか?と予想してみてください。

実験結果

実際、カリフォルニア大学のFelmlee, Diane Hは125人を対象に対象に、当初感じていた、相手の魅力的な点と、別れることになった相手の資質について調べました。

論文
出典:Felmlee et al. (2001)

すると44%の人が、最初に魅力を感じた資質と、別れる理由になった相手の資質と密接な関係があるということが判明しています。「この人といるとリラックスできるな」と思っていたような点が、いずれ「いつも時間にルーズだな」のような点に見方が変わってしまうのです。

相手が離婚理由を言いたくない時の対処法

離婚理由についておおよその予測がついた後は、離婚の回避、そして夫婦関係を修復するための行動をとっていきましょう。具体的な対応方法は個々によってことなりますが、次の2つのことをまずは検討してみてください。

その1.率直に伝える

もし相手が離婚理由をハッキリ伝えてくれない場合、相手が自分のことを好きになった理由から推測してみてください。

推測したら、夫婦関係を修復していくために次にきることは「私のこう言うところが嫌なのではないか?」と率直に相手にぶつけてみるというものです。

率直に伝える方法の図解

例えば相手が「自分の率先力があるところを気に入ってくれていた」ということを知っているのであれば、「あなが離婚をしようと考えている理由は、私が少し強引に物事を決めてしまう点なのかな?」という要領です。

この場合、率先力があるというのは、裏を返せば「少し物事を強引に進めた」ということかもしれないからです。

そして、相手がその離婚理由を認めると、夫婦関係を修復するためにやるべき事や、相手との話し合いなども、よりスムーズに進めやすくなります。

なぜなら、例えば相手が「自分が結婚に向いていないから離婚したいのだ」と伝えてきていても、本当の理由が「相手の強引に物事を進めるところが嫌だ」なら、話しが全くかみ合わないですよね。

「相手が結婚に向いていない」ということについて、いくら話し合ってもそれは架空の理由なのですから、解決することもありません。

もし離婚の事について話し合いをする必要があるけれど、相手の離婚理由がハッキリしないと言うときは、今回の記事を思い出してみてください。

その2.日常生活での対応を見直す

相手を苛立たせているであろう、自分の性格について率直に伝えることができない場合、まずはその点を改善することから始めてみてください。

例えば、「時間にルーズ」と思われている可能性があるのであれば、今までよりも時間を厳守するようにします。

あるいは、「頑固だ」と思われているのであれば、もっと他人の意見に耳を傾けて柔軟な対応ができないか?気を付けてるのも良い方法です。

先に改善すること

自分の魅力的な点も、度が過ぎてしまうと、相手にとっては欠点に思えてしまうときがあります。そのような場合は、自分の対応を軌道修正してみてください。

相手が離婚理由を言いたくないときの注意点

ここでは、相手が離婚理由を言いたくないと思っている時の注意点を挙げておきます。

焦らない

相手が離婚をしたいといってきても、その理由が不明な場合、「一刻も早く相手から事実を聞き出そう」と思って焦りが生じることもあると思います。しかし、理由を明確にしてくれないのには、様々な可能性があります。そのため、「ある程度時間をかけて理解していこう」という心構えは必要です。焦ることは状況を更に悪くする可能性もあります。逆に、時間を空けて何度か繰り返し話を聞く機会をとることで、断片的ではありますが「情報」や「気持ち」が出てくることが多いです。

相手を責めない

相手が離婚理由を明確に述べないことに対して「理由をハッキリ言わないのは酷い」などのように責めるのは不適切です。このような反応は、相手がさらに、離婚理由をしゃべってくれないという事態を招きます。離婚理由を伝えない背景には、相手を傷つけたくない、自身の感情が不明瞭である、ネガティブな反応を恐れているなど、さまざまな複雑な心情が存在することが多いです。このようにデリケートな問題なので、こちらが感情的に責めてしまうと事態を悪くしてしまいます。

まとめ

相手が離婚を告げてくるとき、その理由がハッキリ言ってくれないことがあります。それは相手が喧嘩を恐れていたり、無闇に相手を傷つけまいと思ってそうしてくれているのかも知れません。。あるいはそもそも相手が自分の離婚理由について、気持ちが整理出来ていないので説明できないと言うこともあると思います。

このようなとき、今回お伝えした通り、相手の結婚理由について考えてみてください。案外、離婚理由はその結婚理由に関連したことになっている可能性があります。

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よくあるご質問

ここでは『離婚理由が分からないときはどうすれば良い?』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

特に不満はない

【Question】
夫から「特に不満はないけれど、離婚をしたい」と言われています。このように、離婚理由がハッキリしないと言うよりは、そもそも「ない」という場合、どう対応すれば良いでしょうか?

【Answer】
「ハッキリした理由がない」ということだと、どう対応しようかと困りますよね。ただ、この場合「言うことができないけれど、何かの理由がある」という場合がほとんどです。つまり、まだ自分が知らないことで何か事情があるのではないか?ということは、頭に入れておいた方が良いと思います。

二転三転する

【Question】
夫が離婚の理由について二転三転する説明をしてきます。このような場合、何が真意なのか分からないです。どうすれば良いでしょうか。

【Answer】
コロコロ話しが変わっていくような感じだと、どう受け取って良いのか分からないというのがありますよね。ただ、離婚理由は通常1つ2つということよりは、いくつか存在していることが多いかなとは思います。そのため、二転三転しているように思えますが、実際には複数あるということも多々あります。その中で、どれが一番強い理由になっているのか?などは今後見極めていく必要があるかなと思います。

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