記事テーマについて
ある日突然、夫から「別居したい」と言われたとき、思わず頭が真っ白になってしまいますよね。

「なぜ、突然、別居と言い出したのか?」。その原因や理由が知りたいと思うのも当然です。そして、それらを知っておく事は、問題解決に役立つ上、別居の予防にもなります。

そこで今回は、別居になってしまう原因を専門家が1つずつ丁寧に解説していきます。どうして夫が突然、別居と言い出したのか気になるなら、今日の記事は必読です。

この記事でわかること
  1. なぜ別居の原因を知る事が大事なのか?
  2. よくある原因を知って解決に役立てる
  3. 体験談を通して解決策を学ぶ

別居の原因を特定するメリット

ここでは、別居の原因を特定することで、どのようなメリットがあるのかについて解説します。細かなメリットは複数ありますが、典型的なものとしては次のとおりです。
メリットについての図解

相手への理解が深まる

別居の原因を探ることで相手への理解が深まるというメリットがあります。別居のキッカケ、背景、プロセスなどを理解することにより、相手が「こういうことに不満を持つのか」「こういう気持ちがあったのか」ということに気づけることがあります。相手の感情、欲求、または行動の動機などが明確になることで理解が深まり、今後の関係構築をする上で役立ちます。
理解についての図解

参考ページ:夫の気持ちが理解できない!理由や方法、体験談などお伝えします

別居解消のヒントが得られる

原因を考えることでそれが別居解消のヒントになることがあります。原因を理解することで、改善点が明確になり、実際にそれを解決する事によって別居解消に繋がることがあります。それだけで全部OKとはならないとしても、解消に向けて役立ちます。

例えば、コミュニケーションの問題が原因であれば、より良い対話のための改善を図ることで、同居に向けての相手の気持ちを高めていくことができます。

参考ページ:別居解消のきっかけを掴む方法!一覧や体験談など踏まえて解説

自己改善に繋がる

場合によっては、自己改善につながるということがあります。別居の原因を特定し、それが自分にあるとき、個人的な成長と自己改革のキッカケになります。例えば、自身の行動パターン、コミュニケーションスタイル、感情的な反応などを振り返り、それを変えていくことができます。

典型的な別居の原因

ここでは、別居の原因についてどのようなものがあるのか?一通り代表的なものを取り上げ解説したいと思います。

補足解説

別居に至る理由としてはいくつか典型的なものがあります。前向きなものとしては関係改善の試みが挙げられます。これは一定期間、物理的距離をとることによって感情的な高まりを下げて、冷静に問題に対処するなどのことが目的です。逆に離婚準備のために別居をすると言うこともあります。その他、自分の精神状態を安定させるために、1人の時間を確保するためにおこなうという人もいますが、これはどちらかというと少数派です。
参考:4 Reasons to Separate

浮気や不倫

別居になってしまう原因の1つは、夫の不倫や浮気によるものです。表面的には「一人で生活するつもりだ」とか「一度、離れることで夫婦関係を見直したい」などと伝えていても、実際には不倫相手と一緒に同居する予定で別居を始めてしまいます。このような場合、別居先の住所を知らせてくれない、合鍵を渡してくれないなどの行動が特徴的です。当然、突然、別居先に来られてしまったらマズいからです。

参考ページ:別居中に浮気されたときの対策

部屋が汚い

原因の2つ目は、自宅が散らかっていて汚いから、イライラしてストレスがたまってしまうというものです。特に、ご主人が「綺麗好き」「神経質」という場合、このことが原因で別居になってしまうことがあります。

片付いていないことについて
ただ、実際のところは片付いていないということだけでなく仕事でのストレスなども重なっていることも多く、「自宅が片付いていない」ということでストレス過多となり、別居になってしまうことが多いです。

また、初めての子供が生まれた後、「片付けが出来ていない、散らかっている」ということも原因となりやすいです。

一般的には、子供が生まれるとどうしても部屋が散らかってしまうことが多いものですが、その理由を「妻が片付けを怠っているからだ」と考えてしまい、不満につながってしまうというものです。妻からすれば「こんな幼い子どもがいるので、常に綺麗に片付くことなどあるわけがないから、こんなことで別居する理由にされるなど理不尽だ」という気持ちになってしまいます。これは「夫の子育てについての理解が不足していた」というのも一因です。

参考ページ:部屋が汚いと怒る夫。心理的な理由や対処方法などについて解説

夫婦喧嘩が頻発

ご主人が自宅にいても、夫婦喧嘩が頻発してしまうという場合は、やはり別居の原因になります。原因その2と同じく「自宅にいても心が安まらない」ということが根っこにあります。
夫婦喧嘩をしている様子
時々「喧嘩するほど仲が良いのだ」と思ってしまって、奥さまの方が喧嘩することを特に問題視していなかったとしても、夫の方が苦痛でたまらなかった、ということも多々あります。喧嘩に対しての認識が異なっているというものです。一方は「喧嘩をすることで、お互いの本音を知ることが出来るのだから悪いことではない」と思っていても、一方は「こんなに喧嘩になるのは性格が根本的に合わないのだ」と考えてしまいます。

参考ページ:夫婦喧嘩から別居する!その後の対策や注意点などについて解説

里帰り出産

出産を控えて、里帰りした時、「もう帰ってこなくて良い」と言われ、そのまま別居になってしまうことがあります。背景にある理由は様々ですが「一人で暮らしてみたら、その方が気楽だった」「里帰り出産中に、浮気が始まった」「一人で自宅で過ごしていたら、寂しくなって次第に怒りに変わった」などがあります。
夫が帰ってこなくて良いと伝えるシーン
参考ページ:里帰り出産と別居

仕事でのすれ違い

共働き家庭で、お互いの仕事が多忙な場合、週に1回、月に数回しか顔を合せないということも多々あります。このような場合、同居しながらも、実際にはそれぞれが独身のような生活になってしまうことがあります。結婚はしたけれど、実際は独身のまま何も変わらないということです。

このようなことが継続すると最終的に夫婦仲の悪化や別居の原因となってしまいます。

相手の思いとしては例えば「一緒に生活をする意味がない」「思っていたような結婚生活ではなかった」「辛かったときに支えてもらった気がしない」などのことが理由としてあります。このように思われると、結婚生活を送る意味や実感を感じられないので、そのまま別居や離婚も課題になることがあります。

参考ページ:夫婦がすれ違いで冷めた!その兆候や取り組むべき事などについて解説

補足的解説

172組の結婚後4年間6ヶ月後との満足度を調べて、仕事量の多さと夫婦の満足度の関係について明らかにしています。パートナーの仕事量が多くなると、夫婦関係の満足度に悪影響を与えます。特にそれが長期にわたってその状態が続くことは好ましくありません。
参考:Workload and Marital Satisfaction over Time

お金の問題

奥さまのお金の使い方について不満がある場合、それが別居の原因になる事があります。別居することによって、生活費を別々にし「もう無用なお金を払いたくない」という場合がこれに該当します。

反対に、夫に借金などがある場合も原因になる事があります。冷静に考えると別居せず一緒に暮らした方が生活費も1つにまとまるので借金も返済しやすいはずです。しかし、借金が重なってくる場合、夫の生活が乱れていることも多く、勢いで別居になってしまいます。この場合は、お金の問題と言うよりは、ご主人の「生活の乱れ」が本質的な問題かも知れません。

子供が親元を離れた

子供が親元を離れて生活するようになると必然的に夫婦2人の生活が始まることが多くなります。これが別居の原因になる事があります。

「2人で過ごしていても生活が楽しくない」「何を話して良いか分からない」「今までは我慢してきたけれど、子供も成人したので、我慢はしたくない」などまことが理由として挙げられます。

また、子供がまだ親元を実際には離れていなくても「将来、夫婦2人になってしまうことを想像すると苦痛を感じる」などの将来のことを見越して別居が始まってしまうこともあります。

受験や進学での意見が相違

子供の受験や進学に関して意見が相違になる場合、別居の原因となることがあります。夫婦それぞれが、子供に対して「こう育って欲しい」という思いがあるのですが、それが対立している場合、夫婦関係がうまくいかなくなり、別居となることがあります。

たいてい「自分の意見は無視された」などのような思いが大きくなると、「自分はもうこの家に必要とされていない」などのよな気持ちになり、家を出てしまいます。
教育問題で意見が対立
参考ページ:子供の受験で家族崩壊?不和に繋がる理由やリスクから守る方法など解説

職場の人の影響

稀に、夫が働いている職場で離婚や別居をしている人が多いということがあります。そのようなことがあると、同僚から別居・離婚などを勧められ、それに感化されて、実際に行動に移してしまうということがあります。

また、周囲の同僚が離婚・別居している人が多いと、どうしてもハードルが下がってしまうという面はあります。ただし、これは間接的な原因なので、直接的にはまた別の問題がある可能性が高いです。

別居の原因が分からないときの対応

ここでは、別居の原因が分からないときの対応について解説します。

対応に関する図解

冷静になる期間をとる

状況が緊迫している場合、一時的にクールダウンの期間を設けることは必要不可欠です。感情手になっている時は、別居の原因を過剰に相手のせいにしてしまったり、反対に自分が全て悪い…のよにう考えてしまうことも多いからです。お互いに冷静になる時間を作ることで、原因について考えられるようになります。

自分側の原因から考える

実際のところ、別居になった原因は相手にもあり、自分にもいくらかあるというのが多いものです。片一方だけが原因になることは稀です。そこで、まずは、自分の原因から考えるようにしてみてください。相手のことよりも、自分の事の方が分析しやすいものです。例えば、自分の行動や態度に問題がなかったかを振り返るなどのように取り組みます。
考えている様子

相手の立場から考える

次に相手の立場から問題を見直します。これは言うほど簡単ではありませんが、相手から今回の問題がどう見えるかを確認します。そうすることによって、相手の不適切な行動が明確になることもあれば、仕方がなかったのかも知れないと思えることも出てくるかも知れません。

参考ページ:夫婦関係の修復に役立つ「相手の立場に立つ」方法

体験談『別居の原因を尋ねても、自分で考えろと言われた』

ここでは、夫婦やりなおし相談室のご相談者さんが、ブログ読者さんの役に立てればと言うことで、体験談を送ってもらっていますので紹介しておきます。別居の原因について考えるヒントにしてください。

突然、夫が家を出る

夫はある日突然「別居する」と伝え、そのまま家を出ていきました。夫は元々口数が少なく頑固な性格。思ったこともいってくれないので、なかなか理解が難しいです。一方、私自身も恋愛経験が少なく、異性の感情に鈍感な方だと思います。なので、突然の別居になったことは、ただただ驚くばかりでした。

参考ページ:旦那が家出という無責任な行動をとる!心理や兆候、対処方法など解説

理由を尋ねたが、教えてくれない

別居後も夫に別居の理由を尋ねました。しかし、答えはいつも「自分で考えろ」で、教えてくりません。正直、自分で考えろと言われても、私は余計に混乱するばかりで、一体どうすれば…と途方に暮れる気持ちです。夫の言葉はまるで解読不能な暗号のように思えました。
夫が理由を教えてくれない様子

相談して一緒に考える

迷った末、私は夫婦やりなおし相談室に相談し、事情を説明しました。そして、一緒に別居の原因を考えてもらうことから始めたのです。そして、行き着いた結論としては「お互いの共有時間がないことが原因では」ということになりました。平たくいえば、私が夫のことを大分、放置していたようです。

夫に考えたことを伝える

その考えを夫に伝えると、「そうだ」と答えました。この一言で、私はようやく気持ちを理解できたように思います。長い間、私たちは一緒の家にはいたけれど、心は離れ離れになっていたのです。

その後、原因を理解したことを告げ、それに共感を示したことで、少しずつ夫の心は和らいだように思います。態度も少しずつ軟化してきて、以前よりはLINEなどで連絡が取れるようになりました。今はまだ別居中ですが、お互いの理解が深まったことは、別居になった意義も大きかったと思いますし、この調子で進めれば関係も修復していくだろうと、少しずつ自信を取り戻しています。

別居原因を特定する際の注意点

別居の原因を特定する際の注意点をお伝えします。以下の点を守って対応をするようにしてください。
頭が真っ白

決めつけすぎない

「きっとこれが別居の原因なのだろう」と自分が決めつけすぎないようにしてください。

相手が「これが原因だ」ということを伝えてくれれば分かりやすいのですが、もし相手から何も言われないときは自分である程度原因について推測することが必要です。そして、その推測に基づいて同居に戻すための対策を練ります。

しかし、原因が推測である以上は、あまり決めつけて突き進まないようにしてください。「可能性としては一番高いけれど、別のことが要因になっているかも知れない」という気持ちを常に持っておく必要があります。
決めつけている様子

時間をかけて理解する

仮に相手が別居の原因について話をしてくれたとしても、その意見は時間と共に変わっていくことがあります。相手が別居について考えていると、次第のその考えが深まり「こう言う点ももしかしたら、原因と言えるのではないか」というように変化します。相手も頭の中で自分の考えが常に理路整然と整っているわけではありません。時間をおくごとに言うことが変わり、原因も変わる可能性があるということを踏まえておきましょう。

まとめ

今回は、別居に至る原因を7つ取り上げて解説してきました。もし、心当たりがあるのであれば、早めにこの原因を取り除き、これ以上、問題が大きくなるのを防いでください。

もちろん、別居になる理由を無くせば、問題を解決できると言うことではありませんが、早く取り除いた方が傷は浅くて済みます。

また、もし別居になる原因が分かっても「今後、どう対策をして良いのか分からない」という場合は、次のニュースレターを無料購読してみてください。今なら、各原因を踏まえた具体的な対策について、詳しく解説しています。

よくあるご質問

ここでは『別居の原因は一体何?』について、よくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

別居しているのに離婚と言わない理由

【Question】
私は現在、夫と2年近く別居しています。夫婦喧嘩が原因で出ていき、それ以来ずっと自宅に戻っていません。しかし、夫から離婚という言葉は一度も聞いたことがありません。私自身、この状況に非常に不安を感じています。私は夫との同居に戻りたいと願っていますが、離婚になることはなんとか避けたいと思っています。そもそも、夫がなぜ離婚とは伝えずにこの別居状態を続けているのか、その理由が知りたいです。私は不安で一杯です。

【Answer】
別居が長引き、離婚だと言われるのかと日々不安も大きいと思います。お察しいたします。

時間も2年近く経過しているとのことなので、夫と直接コミュニケーションをとってみるのはどうでしょうか。このまま不安な状態をこの先も続けていくと言うわけにもいかないと思うのです。落ち着いた環境で、率直に思っていることを話し合う時間が必要ではないかと。

対面での会話は、非言語的なコミュニケーション(身振り手振り、表情、声のトーンなど)を通じて、言葉以上に相手の気持ちを感じとることができます。また、2年の歳月は経っていますが、直接の対話であれば、比較的誤解なども防ぐことができます。

もしかしたら、その際に「離婚」ということを言われるかも知れませんが、それでも、その気持ちを知った方が、具体的な対策もとれると思います。ですので「離婚と言われたら全ておしまい」ということでも何でもありません。むしろ、解決に向けて進む最初の一歩になります。勇気も必要かとは思いますが、検討してみてください。

参考ページ:別居婚から離婚になる!離婚に至る理由や体験談など解説

別居を認めなくても良いか?

【Question】
夫が別居をしたいと言い出しました。その理由については話してくれましたが、私はその理由が納得できず、別居を認めるべきかどうかで悩んでいます。

夫が言う別居の原因は「一人の方が楽なので」という曖昧なもので、子供たちへの影響を考えると、到底、認めることができません。どうしたら良いでしょうか?

【Answer】
原因について納得できないのであれば、別居に対しては反対の意思を伝えたのでかまいません。納得していないのに「かまわない」と伝えるのは無理がありますよね。ですが、相手の意思も無視はできないので、引き続き話し合いを続けていく必要があると思います。

参考ページ:別居を認めない方が良い?メリットや生じる問題、対応などについて解説